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こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
108/110

男の友情って素晴らしい!




 運命は俺達が作っていくんやで!!!


 運命に俺達の未来を決められてる場合じゃないだろ!?




 ーーーーーー 日向 海晴 ーーーーーー




「じゃあ修行始めようぜ!」


 翔陽が木漏れ日が降り注ぐ樹々の中でニッコニコの笑顔で言った。

 明るい森の中に風が吹き抜ける。

 流れる汗が風を受けてひやりと体を冷やした。

 俺は木々の間から見える空を見上げて大きく息を吐いた。


 ふぅ〜〜。。


「燃えるな!修行!」


 。。。


 何で翔陽あんなに元気やねん!


 今日、俺達は朝起きたらご飯を食べて、ニケ組とエック組の二組に分かれて森の見回りに駆けた。


 二時間以上走り続けて森の中を見回って最後に生命の泉で合流した。

 まじでめっっちゃくちゃ!

 ハードな二時間やったわ。。

 

「やるっちゃーー!!」

 ぴょいっと跳びは跳ねるヴェル、肩では「キュイキュイ」っと宗近も鳴いてる!

 なぜか数匹のユンがも宗近の上で光りながら跳ねてる。


 ヴェル達は飛べるんやしいいよな。。

 俺と小春ちゃんは汗だくや。


 そして俺達の目の前には見上げないと上が見えないほど高い崖がある。

 命の泉からしばらく歩いたこの崖の広場が修行にいいってニケとエックに連れてこられた。 

 

 すっごい切り立って高い崖、凄い雄大な力を感じる。

 どうやったらこんな壁みたいな崖ができるねんってぐらい高くて迫力がある。

「自然の力って凄いなーー」

「ダーリン高いっちゃねーーー!!」

 ヴェルがピュルルルっと飛んで崖の頂上に向かっていく。

「じゃあ修行やりましょう!」

 小春ちゃんの目にやる気が満ちてる!

 凄いなさっきまでめっちゃ走ってめっちゃ息切れしてたのに。。

 二人とも元気満々やんか!

 やる気満々の原因って自分の力が足りてないって感じることが多かったからやんな。。

 そうやな、俺も実力不足が過ぎるしな。。

 修行頑張らなあかんわ!!

「よっしゃ!修行がんばろうぜーーー!!」


「「おーーーーーーーー!」」

 「ちゃーーーーーーー!」




 ん?あれ?

 テンション高めの俺達に対して、ニケ、エック、ネロ、ビアのテンション低いやんか。。

 なんかジト目でこっち見てる。。

 なんかテンション上げた俺が恥ずかしいやんか。。

「あれ?ニケエック修行嫌だっちゃ?」

「ああ、私は修行などということをしたことがないんだよ」

「そうでござるな、拙者は一人で刀の修練は常にしておったが、珠や仲間での修行は何をどうしたら良いかわからぬ」

「あーそういうことか」

「でも、、、ニケって修行とかしなくてもそんなに強いんやな」

「だっちゃね」

「ふふふ、ニケちゃんもエックも珠の修行したら、もっともっと強くなると思いますよ」

 小春ちゃんがニケとエックを見て微笑む。

「そうかい?」

「うん!絶対強くなる!」

「なるなる!絶対!まずは俺達の創り出せる珠の修行からしようや!」

「むぅ、わかった!これでござるな」

 エックが死の珠を掌の上に浮かした。

 黒いオーラを漂わせる珠がエックの掌の上に浮く、爽やかやった森の空気が急にズドンと重い雰囲気になった。

「そうそれ、俺達もその珠を理解するためにいっぱい使ったんだよ、あとはその珠を大きく強くできるように修行したな、、修行したら少し前の俺たちより強くなったよ、海晴は珠をだせなかったけどな」

「うるせ!」

「そうだっちゃ!雷の珠いっぱい使ったらできることも増えたし力も強くなったっちゃ!」

「それはいいね!やるしかないね!」

「うむ、拙者が一番この珠の理解をせなばなぬからな!」

「ほんとうだよ!もうその力の暴走は勘弁だからな!」

 翔陽がエックに肩を組んだ。

「まぁ、そういう事でござるな」

「ははは!頑張ろうぜ!」

 肩を組む翔陽。

「うむ!」

「それで、まず何をすればいいんだい?」

「まずは、自分がどこまでできるか知る事が大事なんです」

「だっちゃ!だから全力で珠を使ってみるっちゃ!」

「そう、それでその自分の全力の力をどんどん使ってその力をどんどん超えられるようにしていくねん!」

「なるほどね、わかったよ」

「全力でござるか。。」

「大丈夫だよエック!頑張ろうぜ!!」

「プルスウルトラだっちゃ!」

「うむ!プルしウルトラでござるな!」

 はは!エック絶対にニケが何言ってるかわからへんやろ、意味わからんのに真似してるわ!

「聞いてほしいっちゃ!うち!ここ最近で結構出来ること増えたんだっちゃ!」

 ぴょんとヴェルが手を上げて跳ねた!

 うん。。

 ヴェルってほんまに笑顔が可愛いな。。

「マジで?」

「ヴェルちゃんこの森に来てから海晴くんのためにいっぱい戦ってましたもんね」

「だっちゃ!」

「そうやんな、ヴェル、ありがとうなー!」

「いいんだっちゃーー!ダーリンのためなら当たり前だっちゃ」

 ガバ!

 ヴェルが抱きついてきた!

「いいってーいいってー、また急に何してるねーーん」

「何でダーリン照れてるんだっちゃ?」

「照れるに決まってるやろ!」

「なぁ、でも海晴もヴェルさんを助けるために恐竜とすげー戦っただろ?」

「あー、確かに、俺それで珠を使えるようになったわ!」

「ですねー!海晴くんが急に光の珠を使っててびっくりしましたもん」

「ダーリンありがとうだっちゃ!!!」

 さらにヴェルが俺に強く抱きついた。

「苦しい苦しい!いいっていいて!もういいって!」

「ふふふ」

「はいはい、もういいから修行やろうぜ!」

「何するっちゃ翔陽!」

 翔陽がグイッと俺をヴェルから救出してくれた!

「やはり戦いの中でお主達も成長したのでござるな」

「そう言うことやわ、俺ら結構戦ってきたしな!」

「だっちゃ!ダーリンは全然珠が出せなかったけどね」

「だから五月蝿いって!」

「はははは!じゃ!やろうぜ!まずこの目の前の崖にそれぞれ珠の力を力を使って攻撃しよう!」


「確認なんだけどさ、珠での攻撃を何度も繰り返して珠の力を強くしていくってことだね?」

「そう、で、後、自分の珠で何が出来るかも確認できるしな!」

「わかったでござる!では早速やってみるでござる!」

「そうだね!」

「ニケ、拙者の後に頼むでござる」

「わかったよ、まかせな!」

「ゆくぞ!」

 エックは掌の上に死の珠をもう一度創り出した。

 卓球の球くらいの大きさの死の珠。

 ぐっと空気が重くなる。

「むう!」

 エックはその死の珠を握り潰した。

 すると手の甲に黒い死の珠の力があざとなって浮き出てきた。

 まるでタトゥーみたいやな。。

 エックはその握りしめた拳で。。

 ドカーーーン!

 思いっきり崖を殴りつけた!

 パラパラパラパラ。。

 砂埃が立ち上がりその中から岩の破片が落ちる。

 エックの殴りつけた崖は直径1mほどのクレーターみたいな穴が空いてた。。

「むう」

「すげ、崖に穴あけた。」

「うわー絶対殴られたくないわ。。」


「次はあたしの番だね!」

 ニケが黄緑に光る命の珠を創り出した。

 エックの珠でなった重い空気が命の珠のおかげで一気に軽くなった。

「いくよ!」

 そう言うと命の珠を地面に押し付けた。

 命の珠が光って地面に眩しい光の半球体の空間を作った、その中でユン達が歩き出してきた。

 宗近に乗っていたユン達もぴょんぴょんとニケのそばに寄っていく。

「ユン達お願い!」

 ユンが光り輝く、その光の中から一気に木が生えた、木の先が尖ってる!

 ザザザザ!

 ズドン!

 伸びた木が崖に刺さった。

 パラパラ。

 女性の腕くらい太さの木が崖に刺さってた。

「おーーー、これもくらったらやばすぎやろ。。」

「すごいっちゃ、木遁だっちゃね、、ヤマトだっちゃ!あ!そういえば、のぞむんも木を生やしてたっちゃ!同じだっちゃね!」

「あの黒い金魚の時ですね、確かにやってましたね」

「ニケ凄いでござるな、次はお主らの珠の力も見たいでござる」

「ああそうだね、見たいね」

「おう!修行やしもちろん俺らもやるで!!よし!俺からいくわ!」

 走り続けた疲れも少しとれたし、テンションも上がってやる気満々や!!

「ダーリン頑張るっちゃ!」

「俺もはっきり海晴が光の珠の使ってるの恐竜と戦ってる時だけだからしっかり見れてないんだよな、楽しみだ!!」

「ですね、私もです!」

「じゃあいくで!」

 俺は崖のどこを蹴るか一回注視して確認する。

 壁面って蹴りづらいんよな。。

 よしじゃああそこに。。

 俺は蹴る場所を決めて、全力でやるために後ろへ下がって助走距離を取った!

 恐竜と戦ってた時の蹴りを思いっきりやるだけや!

「いくでーーー!!!!」

 俺は両手に光の珠を出した!

 そして全力で崖に向かって駆け出した!

 まずは加速や!

 足元で光の珠を離し足を掛け!蹴った!

 ッパ!!

 フラッシュが焚かれたようにあたりが照らされた。

 その光の珠の弾ける力で俺は一気に加速した!!

 崖が一気に迫る!

 速いからタイミングが大事や!

 俺は崖の壁面をしっかり見つめる。

 よし。

 集中できてる。

 少しスローに世界が流れ始めた。

 今や!

 さらに元々あった光の珠を軸足となる左足の元で爆ぜさせた!

 そして俺は光の珠の勢いを利用して右足を振り抜いた!

 ドカン!!

 サッカーの空中でのボレーシュートのように崖を蹴った!

 俺の足はエックの作ったクレーターの様な凹みを横から削り取るように蹴り飛ばした!

 ガラガラガラガラ!

 崖が削り取られて少し崩れた。



 。。。。。



 みんなポカンとしてる。


「すごいっちゃ。。」

「やばいな今の蹴り」

「すごい威力でござるそれに海晴は飛べるのか。。」

「いや、光の珠の弾けるスピードで突き進んでるだけやから飛んでるって言えるんかな?」

「飛んでると思いますよ」

「でもヴェルみたいにふわふわできひんからさ」

「まぁでも飛んでるだろ?」

「まぁそうやな。うん!俺飛べるわ!!」

「ダーリンお揃いだっちゃね!」

「うお!」

 またヴェルが抱きついてきた!

「俺の出来ることは早く動き回って今の蹴りって感じ!恐竜ともそれで戦った!」

「なるほどな!ふっふっふ!じゃあ次は俺がやるよ!」

「翔陽の炎での攻撃は強力でござるからな」

「楽しみだ!」

「じゃあいくぜ!!!」

 そう言うと翔陽は俺の時と同じ様に距離をとった!

「見とけよーー!」

 そう言うと翔陽は両手に火の珠を創り出した!

「おおおおお!!」

 そして火の珠を大きくした!

「いくぞーーー!!」

 一つの火の珠を翔陽は投げた!

 ボォォォォォォ!!

 目の前で炎が燃え上がる!

 翔陽はその炎に背を向けて。。


 ッボン!

 さらに手にある火の珠を爆発させた!

「っな!?」

 翔陽は火の珠の爆発で吹き飛ばされた!

 空中でくるりと前を向きさらに手に火の珠を創り出す!

 ボフン!

 火柱が翔陽の前でッボウっと立ちあがった!

 そして立ち上がる炎に突っ込み反対側に翔陽が飛び出した!

 飛び出した翔陽の手の上の火の珠が少し大きくなってる気がする。

「おーーーぉぉ!!ら!!!!」

 翔陽はその火の珠で壁面を殴りつけた!!

 ドッカン!!!!!

 崖に火の珠が崖に触れた瞬間、爆炎で壁面が飛び散った!

 凄い爆発や。。

 その爆炎の後の煙をバックに翔陽が歩いてくる。

 かっこいいやんか。。

 

 煙のおさまった壁面にはエックと同じサイズのクレーターがそこにあった。

「なんか翔陽色々出来るようになったんやなーー」

「翔陽すごいっちゃ!飛んでたっちゃ!」

「翔陽くんかっこいいですね」

「炎の柱はいらんけどな!」

「炎から飛び出したら相手もびっくりしそうだろ?」

「だっちゃね!!」

「まぁ確かにな」


「凄いでござるな、みな飛べるのでござるな」

「いや今の飛んでるってか吹き飛ばされてるだけちゃう?吹き飛ばされただけやん!てか俺の真似や!」

「はぁーー!?うっせーよ!」

「いてててて!」

 また翔陽が俺に組み掛かってきた。

「翔陽!まるでかっちゃんだっちゃね!」

「かっちゃん?」

「あーヒロアカやろ」

 はは、さっきプルスウルトラとかも言ってたしな。

「そうだっちゃ!」

「確かに爆轟っぽいなーー。。でもかっちゃんはもっとかっこよく飛ぶやん」

「そうだっちゃねー」

「だから二人ともうるせーって!かっちゃんて誰だよ」

「いてててて!」

「いたたた、痛いっちゃ翔陽!」

「嘘つけ痛くないだろ」

「ははは、ばれたっちゃ?」


「じゃあ次は私がやりますね!!」

 ふざけてる俺達の横で小春ちゃんが気合の入った顔をしてる!

「おう!小春がんばれ!」

「はい!」

 すっと翔陽が俺達を離してくれた。

「小春頑張るっちゃ!」

「小春はどんな力を使うでござるか?」

「小春は氷を使えるのさ、小春がいなかったらあたし達はここにいないよ」

「そうでござるか、楽しみでござる」


「じゃあいきますね!」

 真剣な顔をした小春ちゃんが両手に氷の珠を創り出した。

 パッと青白く小春ちゃんの周りが光って何本も氷の大針が浮く。

 白く光る氷の大針に小春ちゃんの横顔が照らされて。

 神秘的で美しい。

 青い髪に透き通るような白い肌、周りに光る氷が浮いてほんまに氷の女神って感じ。

 小春ちゃんはすーっと大きく息を吸って。

 くっと力強い表情になった!

「いけーーー!」

 振り上げた手を小春ちゃんは思い切り振った!

 その手に呼応するように氷の大針は崖に向かって飛んだ!!

 木々の間を氷の大針が凄いスピードで飛び抜けていく!

 ドスッ!ドスドスドス!

 崖に氷の大針は全て刺さった!

 ッザ!

 刺さった氷の大針に小春ちゃんが駆け寄った!

 両手にはまた氷の珠を浮かせてる。

 え?

 なんで?

 そして小春ちゃんは氷の大針に氷の珠ごと触れた。

「えーーーい!!」

 ビキビキビキビキ!!!

 氷の大針からまた針が生え始めた!

 ビキビキビキっと変形する氷の大針。

 最終的に崖に薔薇が巻き付いているように変形した。

 

「やば。。」

 氷の大針が刺さった上にあんな薔薇みたいな氷に巻き付かれたらたまったものちゃうな。。

 こわーーー。。


 氷から発せられる白い冷気をバックに小春ちゃんがこっちへ帰ってきた。


「ふむ、小春は見事な氷を創り出すのでござるな、本当に、、お主達は信じられぬ力を持っているでござる」

「ははは、だよなー俺らの世界でもこんな力持ってる人いないからな」

 翔陽も少し驚いた感じやんか。。。

「だっちゃうちの星にもいないっちゃ!」

「ヴェルの星でござるか?そうなんでござるな」

「そうだね、この力は神の力としか思えないよ。。無から力を創り出してるんだからね。。」

「そうやなー、やし!しっかり使いこなさんとあかんよな」

「だっちゃ!」


「じゃあ最後はうちの番だっちゃね!」

「うむ、よろしく頼むでござる!」

「見とくっちゃ!うちの超危険な力神の力を!っふっふっふ!」

 ニヤリとヴェルは片側の口角を上げて笑った。

「キュイ」っと宗近が小春ちゃんの方に飛び乗った。

「みんな近くにいたら危ないっちゃよ!」

「離れた方が良いぞ!ヴェルは強い」

「ネロ?まじで?」

「ああ、黒く染まった猿どもと戦ってる姿を私は見たからな」


「いくっちゃーーー!!」

 ヴェルが両手に雷の珠を浮かしてふわりと飛んだ。

 目を閉じて浮かび上がるヴェル。

 そして静かに雷の珠が広がった。

 二つの雷の珠はヴェルを中心に雷の球体の空間を創り出した。

 半径2mほどの大きな球体の空間の中にいるヴェルは雷の力に髪をはためかせ雷光に覆われ、神秘的な姿をしていた。

「まるで雷の女神みたいだな。。」

 確かに美しい女神みたいや。

 小春ちゃんもヴェルも、二人とも女神っぽい。

 目を瞑り瞑想をしているかのようなヴェル、そのヴェルにゆっくりと雷の球体は吸い込まれ小さくなっっていた。。

 

「いい感じだっちゃ。。」

 雷の球体を全て吸い込むとヴェルの体は淡い黄色い光を発していた。

 ッキっと目を開くとゆっくりふわふわとヴェルは前に動き出した。

 そして俺達の前にある木の裏の死角へとヴェルは入った。


 。。


 ん?ヴェルが出てこない?

 木の裏からヴェルが出てこない。


「あれ?ヴェル?」

 ヴェルがいなくなった?

「え???」

「ヴェル?」

 パリパリパリ。。

 後ろから電気が弾ける音がした。

 みんなが振り向くとそこにヴェルがいた。

 え?いつの間に?

 めっちゃ速く俺らの後ろへ移動したってことか。。?

 驚く俺達を横目でみて微笑みヴェルは崖を指差した。

 ヴェルの指先に力が集まっていく。。

 指の前に力強い雷の珠ができた!

「これがうちの必殺技!雷丸らいがんだっちゃ!!」

 そういうとヴェルの指先から雷の弾が撃ち出された!!!

 一瞬で俺達の目の前を雷の弾は通り過ぎて。。


 ドン!!バリバリバリバリ!!!!

 

 。。。。


 明らかに俺達より凄い威力やった。

 俺も魂として宗近の中に入ってる時に見てたけど。。

 改めて見たら凄い威力や。。


 崖は崩れてないけど真っ黒く焦げていた。


「うーー!気持ちいっちゃ!どうだっちゃ!?」


 。。。


「あれ?みんなどうしたっちゃ?」


 。。。


 俺達は驚きで声を失ってた。。

 多分強い攻撃やったのがヴェルやと思う。


「ヴェルさんすげーな。。」

「ヴェル。。凄い。。」

「驚いたでござる」

「あたし達も負けていられないね。。」

「これでみなの珠の力がわかったでござるな」

「みんな力はそれぞれ違うけど威力は同じ感じだな」

「うむ、しかしヴェルが少し強そうだがな」

「っふっふっふ!そうだっちゃ!」

 ヴェルが空中で仁王立ちでふんぞり返ってる。

 くそ!

 ちょっと悔しいけど、まぁ確実にヴェルが少し前にいるな。

「くそーー!ヴェルさんに負けないように修行だな!」

「ああ、頑張らないとダメそうだね」

「やるでござる!」



 

 そこから俺達はがむしゃらに修行したとにかく珠を創って大きくして放つ!

 とにかくたまの熟練度を上げようと頑張った!




 。。。。。



 

 ドカン!ザクン!バリバリバリ!ダダダ!

 俺達はとにかく全力で珠を使い続けた!


 はぁはぁはぁはぁ。。


 ッザっとエックが片膝をついた。

 エックから流れ落ちる汗がポタンポタンと苔の生えた地面に落ちて吸い込まれる。


「まだ。。」

 ニケも隣で生命の珠を創り出そうと手に力を込めている。

 とてもはぁはぁと疲れた表情で手の平を見つめている。

 ゆっくりと小さな珠ができた。

「ん、ん。。」

 生命の珠を大きくしようと力むニケ。

 ゆっくりゆっくり時間をかけて生命の珠が大きくなる。

 いつもよりも珠が小さいし時間がかかってる。

 ニケもギリギリやな。。


 ニケの(ひたい)から汗が伝い鼻先からゆっくりと落ちた。

 ぼんやりと黄緑色に光る光の中を後ろの森林を映して落ちる一滴の汗。

 ぽたんと生命の珠にその汗が落ちた。

 その時。

 生命の珠はッパっと分裂し弾けてしまった。

「はぁはぁはぁはぁ。。。」

 ニケも膝をついて座った。


「ニケちゃんすごい。」

 小春ちゃんがニケちゃんの肩を抱いた。

「まさか初めて修行するニケちゃんが最後まで頑張るなんてな」


 俺たち四人ももう力を使い切ってもう珠を創り出せなくなってた。

「凄すぎやなー」

「もっと頑張りたいのにもう珠でないな。。」

「拙者も、もう体に力が入らないでござる。。」

「エックも凄かったっちゃ」


 俺たちはニケちゃんの周りに集まった。


 疲れたーー。。

 ごろん。。

 俺はフカフカの苔の地面に寝転んだ。

「疲れたっちゃ」

「私もです」

 釣られるようにみんな寝転んだ。

 自然と頭を内側に輪になって六人で空を見上げた。


「だらしないな海晴!倒れ込んで」

「いや!翔陽も寝転がってるやん!倒れるように寝転がったやん!」

「ああ!本当だな!あはははは!」

「あはははは!ちゃうわ!」

「はははは」

「あははは」

「ふふふふ」

「お主たちはいつも明るくて良いな」

「本当に面白い奴らだよ」

「そうか?」

「ふふふ、そうですよ」


 はははっと笑ってたらサァーっと風と共にと光が降ってきた。

 俺達を照らすスポットライトの様な木漏れ日は神々の森の美しさを再確認さしてくれた。

 太陽の光を受ける瑞々しい木の葉達は黄緑色に透けて、静かなな森は光を受け入れいる。

 木々の揺れに合わせて木漏れ日も揺れる。

 木漏れ日の間をひらひらと美しい羽根の蝶が舞っている。

 気持ちいい。


 。。。


 俺達は光の中で森の雄大さに癒されていた。


 森の精霊ユン達も枝や葉っぱの上で嬉しそうに笑って光を眺めてる。


「やっぱり、、綺麗で素晴らしい森だっちゃね」

「そうでござるな。。」

「ほんまに疲れが癒やされていってる気がするわ」

「なんだか、幸せな気持ちだっちゃ」

「ですね。。」

 

 。。。。


「良い森だろ?私はこの森が好きだ」

「うん、この森うち大好きだっちゃ」

「ああそうだなー、俺も好きだ」

「やなーー!でも俺達の世界も恋しいけどな」

「だなーー!ハンバーガー食いてーな」

「うわ!めっちゃ食べたいわ!うーわぁーーー、食べたい、、」

「うちも食べたいっちゃ、あと、ダーリンの作ってくれた朝ごはんも恋しいっちゃ」

「あーー、あったなそんな事も」

「ほうー、そんな事が、海晴くーーーん?あーさーごーはーんって?」

「っぐ、、」

 翔陽が目を細めてこっちを見てきた。

 やば、、絶対面白半分で問い詰めてくるわ。


「海晴達の世界も拙者一度行ってみたいでござる」

「ああ!俺達の世界な!あっちの世界も面白いで!!行こうやエック!」

 俺は翔陽から慌てて目と話を逸らした。

「あの不思議な世界。。。」

 つぶやくニケ、確かにニケは俺達の世界にいい思い出はないんやろな。。

「不思議な世界、、、確かにとっても不思議な世界ですよね」

 小春ちゃんからしても不思議な世界になるんか。

 昔に生まれて現世に生き返った訳やし当たり前か。

「エック、海晴達の世界の者達はみな光を操る、夜が信じられないほどに明るい、それに声も飛ばせたり、鉄の動物もうじゃうじゃいるの」

「え?光?」

「何のことでしょう?火ではないですよね?」

「ん?電気のことかな??」

「そうちゃう?火じゃないのに明るいって電気の事やろ」

「そうそう、火じゃない光、それだよ!」

「電気、私も初め見た時には驚きました!てれびにくるまも凄いですよねそれにけいたいも」

「てれび?けいたい?」

「とは何でござるか?」

「ははっは!テレビと携帯!確かに初めて見たらびっくりするよな!」

「箱の中に人がいたり別の世界があったりするんだよ」

「箱の中に別の世界とな?」

「遠くの人と繋がることのできる小さな箱もあるんですよ!」

「ほぅお主らの世界には不思議な箱がいっぱいあるなだな」

「不思議な箱か、、、そう考えたらいっぱいあるよな不思議な箱」

「クーラーとかストーブとか?」

「エレベーターとか電車とかもだっちゃ!」

「ははは!いっぱい不思議な箱あるわ!」

「ふふ、お主らの世界は不思議な箱の世界でござるな」


「エック俺達が帰る時来いよ!いっぱい面白いもの見せてあげるからさ!」

「むう、、、そう、で、ござるな」

 なぜかエックは目を伏せた。


 ん?なんで?


「それじゃ森の見回りをして夕飯の支度をするよ」

「ああ、、、そうやな」

「でござるな」

「今日も美味しい物作るっちゃー!」



 ーーーーーー夕飯時ーーーーーーー



 俺達はネロが捕まえてきてくれた猪を捌いて、夕飯の牡丹鍋を作った。

 猪の油を鍋に塗り軽く猪肉を山塩と胡椒で炒める、大根、人参、ごぼう、旬の山菜といっしょに水を鍋に注ぐ、コトコト煮立ったら灰汁あくを取り、最後に黄色の柑橘類を少し絞ったら完成。


 金色のスープに美味しそうなお肉と野菜が浮いている。。


 美味そうすぎ!!


 俺達は大きな鍋からよそいあった。

 それから、皆んなで手を合わせて。。


「「「「「「いただきまーーーす!!!」」」」」」

 

 俺は牡丹鍋の肉をパクりと口に放り込んだ!

 え?ほろほろってほろける。。

 全然臭みがない、柚っぽい柑橘の香りに野菜と肉の旨みが溢れ出して融合してる。。。


 美味すぎ。。

 鍋っていうより死ぬほど美味いスープ飲んでる感じや。。


「やばいこれ、こんな美味いの初めて食べた」

「美味しすぎるっちゃ。。」

 翔陽もヴェルも感動してる。


「このお鍋、昔、父ちゃんと母ちゃんが作ってくれた味です。。」

 小春ちゃんの目が潤んでた。

 そして瞬きと共につぅっと一筋の涙が流れた。

「小春」

「こんな懐かしいくて美味しいお鍋食べさせてくれてありがとうございます。ニケちゃんにエック、ネロちゃん、ビアちゃん。。」

 目を開いた小春ちゃんは満面の笑みだった。

「喜んでくれてよかったよ」

「でござるな!」

 ニケとエックもニコニコや!


 俺達はそれはもうお腹いっぱいになるまで食べた!


 幸せや。。


 食べ終わって俺達はバタンと皆んなで寝転んで満点の星空を眺めた。


「ダーリン、うち達温泉入ってくるっちゃ!」

「翔陽くんいってきますね」

「エックあたしもいってくるね」

「お!わかった」

「わかったでござる!」

「のんびりなー」


 女子達がいなくなって男の俺達だけが残された。


「海晴とヴェルはつがいなのでござるか?」

「ッブ!つ、つがい???」

「うむ、それに翔陽と小春は夫婦でござるか?」

「ッブ!ふ、夫婦!??」

「違うでござるか?」

「「ちがーーーう!」」


「じゃあ逆にエックはニケと付き合ってるん?」

「付き合うとはなんでござるか?」

「つがいってやつだよ!」

「つがいでござるか?拙者達はただ目的を同じとし信頼しあってる仲でござる」

「へーー、、そうなんか」

「意外そうでござるな」

「いや、めっちゃ仲良さそうやからさ!」

「うむ仲は良いでござるよ」

「夫婦にはならないのか?」

「うむ、、それは神様が決める事ござる」

「神様が?」

「この世界は神様が創ったのでござる、そして我らの生きる道も神様が創っているのだ、これを我らは運命と呼ぶ」

「運命か、俺たちも運命ってあるけどな。。」

「運命なーー、俺たち六人がこうやってここに集まってることも運命なんかなとか思ってまうよな」

「だな、なんかエックとも初めてあった気がしないだよな」


「そうでござるよ、ここに皆がおるのはきっと神の導き、拙者もお主らがどうしても他人には思えぬでござる」

「神の導きかー」

「そう言うと神秘的だな」

「うむ神秘的でござる、それにしてもお主らと食べる夕飯は本当に美味いでござる」

「それなんよ!」

「だな!牡丹鍋がマジで美味かったってのもあるけどな」

「はじゃは!そうででござるな!美味かったでござる!」


 。。。


 。。。

 

 む、なぜか海晴と翔陽が何かを考える様に遠い目をしてるでござる。

「どうしたでござるか?」

 

「なぁエック、俺達の世界に来たらさ今日の牡丹鍋くらい美味しいもの食べさしたるわ!」

「おお!良いでござるな!」

「ハンバーガーにたこ焼き!」

「ラーメンも美味いぞ!」

「ほう、らーめんとな?うむ!食べてみたいでござる、、でもな」

「でも?」


 。。。


 少しエックが考え込んでいる。。


「むう、拙者はここを生涯をけて守っていかねばならぬのだ。。そういう運命なのだ」


 。。。


「運命か。。」

「運命ね。。だよな。。」


 。。。


「あのなエック」

「なんでござるか?」

「この森が枯れて消えてなくなる運命だったらどうするん?」

「この森が枯れるとな?」

「ん、この森が枯れてなくなる運命だったら」

「もし、ニケと離れ離れになってもう一生会えない運命だったらどうだ?」

「むう、、運命がそうならば、、」


 。。。。


 ガバッと俺は立ち上がって空を見上げた。

 俺の心が自然と俺を立たしていた。

「エック、この世界は滅びる運命らしいねん」


 。。。


「本当でござるか?」

「ああ、滅びる。。」


 。。。


「エック!俺はさこの世界が滅びる運命を変えてやろうって思ってるねん!!」

 ッバっと立って俺は満天の空を眺めた。

「うむ」

「この先何があるかなんてわからへん!でも俺たちが思い描く最高の未来を作っていくねん!!」

 ガバッと翔陽も立ち上がった。


「運命は俺たちが創っていくんやで!!!」

「運命に俺達の未来を決められてる場合じゃないだろ!?」

 俺と翔陽がまだ寝転んでるエックに手を差し伸べた!

「そうでござるな!悲しい運命なんてまっぴらでござる!」


 俺達は立ち上がって満点の星が輝く空を、精霊のユンが光る神秘的な神々の森を見上げた!

「絶対この素晴らしい世界を守ろうな!」

「ああ!」

「絶対守るでござる!」


 俺達は神々の森の中で誓い合った!


 そして夜はふけ、何日も神々の森での修行の日々が続いた。




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