表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
こんなにも世界は素晴らしい!  作者: R0ssi
第二章 神秘の森
105/110

癒されるって素晴らしいな




 真っ白な湯気を吸い込む空を見上げた。


 高く高く上がっていく湯気、その湯気すら全く届こないほどに空は高い



 ーーーーーー 横山 翔陽 ーーーーーー



 カポーーーン。。


 シャラシャラシャラ。。


 ポコ、ポコポコ。。


 ザッブーーーン!


 やばーー。。


「「あーー。。幸せーー。。」」


 俺は海晴と一緒に幸せを噛み締めた。


 辺りは一面真っ白、地面も気も空気まで白い。

 丘の様な地形真ん中か温泉が湧き出て段々畑のように天然の温泉の湯船がいくつもいくつも連なっている。。

 丘の上からは大木のように湯気が吹き上がり、そのかわりに空の空気を吸い込んで空気を循環している。

 真っ白な世界の中で唯一色があるのは空の青色。。

 温泉の湯の上には綺麗な湯の花がいくつもいくつも浮いていて。

 自然の偉大さを改めて感じた。。


 疲れが温泉に流れ出ていってるように感じる。


「あーー温泉がお疲れーって言ってるわーー。。」

 隣で温泉に浸かってる海晴が幸せそうにうなってる。。


 俺も目をつむって。

「だなぁーー。。」

 温泉を全身で感じた。


 まじで適温。

 めちゃくちゃ気持ちいい。


「「はぁーーー。。」」


 俺と海晴はずり下がるように同時に温泉に頭まで使った。

 

 お湯の中でポコポコと泡の上がっていく音と些細なお湯の流れに身を任せた。。


 。。。


「「ぶはぁーーーー」」


 温泉から顔を出すと。

 隣の湯船にエックがいるのが見えた。

「あ!エックや」

「あ!ほんとだ!」

「おーーーい!エック!なんで一人で入ってるんよーー!こっちおいでや!」

「そうだよ!こっちこいよ!!」

 

 エックがこっちを向いた。

「良いのか?」

「当たり前やん!」

「当然だろ!?」


 ザバッとエックが立ち上がった!

 黒狼のような癖のある長い毛髪。

 引き締まった体にはいくつも切り傷の跡がある。

 いろいろな戦いを経験している事をエックの体が物語っていた。

 エック、、エックの体、まじですごい筋肉だ、俺もずっと格闘技をしてきたし、海晴も海で遊んできたからしっかり引き締まっているけど、エックの体はまたひと味違う。

 いい俺たちより一回り大きい筋肉、それに背が高く大きな体、日々の鍛錬が作り上げた美しい体だ。

 俺は思わず見惚れてしまった。。


 ザブンとエックも温泉に使った。

 パシャンっとたわいもないエックの起こした波に打たれ、見惚れていた俺と海晴は我に帰った。


「っくっくっく」

 お湯に浸かるとエックは少し抑えるように笑った。

「え?エックどうしたん?」

「何かあるのか?」


「っくくっく。。」

 笑い出すのを堪えるエック。

「いや、笑ってすまん、しかし、お主らそれはわざとやっておるのか?」

「「え?」」

 俺と海晴は顔を見合わせた。


 。。。



「ぶふっ!海晴お前何やってるんだよ!?」

「あはっはっは!翔陽!それおもろすぎ!!」

「あっはっはっは!」

 

 海晴のおでこの上に芍薬しゃくやくの花みたいな湯の花が一つ乗ってる!

 バカな顔しておでこの上に花を乗せて!

 それはエックも笑うって!

「あっはっはっは!翔陽お前の頭お花畑なってるで!!」

「あっはっは!え?まじで??」

 俺は温泉のお湯に自分の姿を映してみた。

 俺の頭の上。

 花だらけじゃねーか!!


 俺は顔を上げて二人を見た。

 エックも海晴俺を見てる。

 三人で見つめ合っって。。


「「「あっはっはっはっはっは!!」」」

 三人で笑った!

 思いっきり!

 なんか心の底から笑ったの久しぶりな気がする!!

 

「「「あーっはっはっは!!!」」」

 

 俺達はここしばらくの大変だった日々の分、大声で笑った!



 ーーーーーー ニケ ヴィクトリア ーーーーーー



「ダーリン達何笑ってるっちゃーー?」

 ザバンっとヴェルが温泉から全裸で飛び上がった。

「あ!ダメよヴェル!」

 小春が飛び上がったヴェルを見事に抱き捕まえた。

 ザブンっと二人とも温泉に戻ってきた。

「あははは!ヴェル何をやってるんだ?」

「小春ーー。。なんでだっちゃ?楽しそうだからあっち行きたいっちゃ!」

「ヴェル、お前は今裸なのだ、その姿で行こうなど絶対ダメだ」

「そうだよ、女の子はね裸を男の人に見せたらダメなの!」

「んーーー。それは知ってるっちゃ。でも楽しそうだっちゃ」

「あはははは!だからと言ってそれはダメだ」

「むーー。。」

 っとヴェルは頬を膨らませてねた顔で、ぷくぷくと泡を立てながら温泉に沈んだ。

 ヴェル、なんて破天荒で無邪気なのだ。

 ああ。

 でも、少しだけ気持ちはわかるよ。

 きっとヴェルは久しぶりに再会できた海晴の側にいたいんだ。

 私も変わらないのだ、私は今エックの力がまた暴走しないかとても心配だ。

 大丈夫と分かっていてもそばに行きたいと思ってしまう。

 私は真っ白な湯気を吸い込むような空を見上げた。

 高く高く上がっていく湯気、その湯気すら全く届こないほどに空は高い。

 ずっと私はこの森にいる、これからもずっと、この身が朽ちるまで、ヴェルや小春は暫くしたらこの地を去ってしまうだろう。。

 良いな。。

 羨ましく思えてしまう。

 私も何も考えずにこの大空に飛び立てればな。

 エックっと一緒に。。


 ははは。

 そんな事は幻想だな。


 今はただ、エックのそばにいれたら。。


 裸の男と女が湯の中でそばにいるなど。。


 いるなど。。


 でも。


 エックと二人なら。。


 よいな。。。


 。。。


「ニケちゃん大丈夫?顔真っ赤だよ?」


 あ、見られてた。

「う、うむ、大丈夫」

「ほんとだっちゃ!ニケ白い肌が赤くなって可愛いっちゃーー!」

 ヴェルが抱きついてきた。

「何考えたんだっちゃーー??」

「何も考えてなど、、こ、これは少し湯にあたったのだ。。」

 うう。。


 私は恥ずかしくなってぷくぷくっと湯の中にゆっくり沈んだ。


 。。。


 恥ずかしいけれど、少し楽しい気持ちだ。

 

 なぜだ。。

 

 こんな気持ちは初めてだ。。


 友達とは仲間とはこういう物なのか。。


 ポコポコポコ。。


 お湯が湧き上がる音。。


 私は温泉の中で身を任せ揺れている。

 悩みが温泉に溶け出していく。


 温泉の中で目を開くと。

 温泉の上でゆらゆらとヴェルと小春が私の上がってくるのを待ってる。


 また私の中から嬉しい気持ちが溢れ出した。


 ザバンっと私は温泉から飛び出してヴェルと小春に抱きついた。


「二人ともありがとう!!」

「あはははは!急にどうしたんだっちゃニケ?」

「ふふふふ!そうですよ!今更です!」

 私はヴェルと小春が抱きついてきた。

 孤独で友達がいなかった私に笑顔で話て、ふざけてくれる。

 こんなに嬉しいことなどない。

「あははは!そうだな!本当に今更だ!でも気持ちが溢れて止まらないんだ!」

「うちもニケと出会えて心の底から嬉しいっちゃ!」

「ニケ!私もっすっごいうれしいですよ!」

 抱きついてきたヴェルと小春が笑ってる。

 私は嬉しすぎて、涙を一筋だけ流した。。


 。。。。


 それから私たちは語り合った。

 私達の世界の話。

 ヴェルの星の話。

 小春が死ぬ前にいた世界の話。

 どうやら小春の元いた世界はこの世界に近いようだ。


 ヴェル達、四人が仲良くなり、そして戦ってきた話。

 空を飛ぶ大きな金魚や、海へ人を引き込む巨大烏賊、空から降る海月に、海の様な馬。

 

 そしてこの世界がバランスを崩して崩壊に向かってる話。。

 この森を守護していてもバランスの崩壊は身に染みて感じていたことだ。

 毎年季節が進むたびに奇怪しいと感じていた。


 ヴェルと小春は次に何が起こるか全くわからない、予想もつかないと言っていた。

 何が起こるかわからない事ほど恐ろしい事はない。。

 

 これからどうするかは皆んなが揃ってる時に話すべきだと言うことになった。



 それからはヴェルと小春が私とエックの事に質問責めだった。

 


 エックと私の関係??



 それは。



 秘密だ。。



 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ