6,え、この人がパパなの?
いつもと違うの。
いっぱいレースや宝石がついたベビー服を着てる
んだもん。
泣きそうになりながら、ママに抱っこしてもらっ
てるの。
ママの服をギュッとにぎって、がまんして、、。
部屋の外、廊下でバタバタと足音のあとポーラの
声が聞こえたの。
なんかあきれて、怒ってるような声がきこえた
の。
「なりません。、、、そのまま、、、入ってはな
りません、、、。」
「、、、、なぜだ!、、私の邸だ!、、、そこを
どけ!」
初めて聞く男性の声が聞こえたの。
ポーラがこの部屋に、立ち入ることを止めようと
している、、の?
男性は、止められて機嫌を悪くして怒鳴り声にな
ってしまったの。
その声を聞いて私は、がまんできなくなって泣い
ちゃったの。
だって、こわかったんだもん。
すると、それを聞いたポーラがきつく言ったの。
「旦那様、大きな声を上げないでください。お嬢
様がびっくりなさって泣いています。」
「お前が邪魔をするからだろうが。なぜ邪魔を
する。」
ポーラに注意されて、男性は声を抑えた。
「旦那様、長旅をして今帰られたばかりではあり
ませんか。旅の疲れと汚れを落としたからにして
ください。」
「なぜだ?だから一分でも早く顔を見たいのでは
ないか。それなのになぜ、止めるのだ。」
「お坊っちゃま、、、いい加減になさってくだ
さい。お嬢様は、生まれたばかりなのですよ。
旅の汚れたままで、お会いになるおつもりです
か。」
「えっ、、、、、、。」
ポーラに言われて、自分の今の状態にきがつい
た。
「、、、、わっ!わっ!、、、、。」
バタバタと、今度は足音が離れて行った。
ママは、部屋の外のやり取りを聞いていて、あき
れた顔をしていた。
でも、泣くことにいっしょうけんめいな私は見て
いなかったの。
しばらくして、静かに部屋のノックのおとが聞こ
えたの。
そのころには、私のきげんもよくなっていたの。
今度は、笑いながらママが入室の許可をだした
の。
「、、ふふふ、、どうぞ。」
ドアが開いて、男性が静かに入ってきて。
「ユリアーナ。」
ママを見つけると、両手を広げて近づいてきた
の。
「ただいま、今帰ったよ。」
そして、私ごとママを抱きしめるの。
「あなた、、、お帰りなさい、、。」
ママは、満面な笑みで答えたの。
「あなったったら、帰ってくるなりポーラに小言
を言われるのは、お決まりなのね。ふふふっ。」
「悪かったって、、私の気持ちも解ってくれ
よ。」
男性は、少ししょぼんとしたの。
「この子が私達の、愛するお姫様かい。」
ママの腕の中にいる、私をみつめるの。
とても優しい、目で見るの。
「はい、、あなた、、あなたの娘です、、。」
ママも一緒に優しく、私を見るの。
私もママと、、、ぱっ、、ぱぱ、、パパを見る
の。
この人が、、、私のパパなの、、、。
初めて会ったの。
うれしくなっちゃたの、だって、、、。
すごっく、、、かっこいいんだもん。