32,そこには、いないの
この日を、待っていたの。
やっと、、やっとなの。
この日のために、人知れずがんばってきたの。
ながかったの、とても長かったの。
この日は、来ないのかなとも思ったぐらい長かっ
たの。
今私ノアはね、お部屋にいないの。
こそっと、、、、ぬけだしてきたの。
なんで、探検したいからなの、、、、。
だってノアはね、、、お部屋から出たことがない
の。
一度も、生まれてから一度もないんだよ。
食事もお風呂も、遊ぶのも、、ずっと、、、、、。
ゴロゴロ、、、ゴロゴロ、、、、ダメって。
よいっしょ、、よいっしょ、、、ダメって。
そとに出たくて、、出入口に近づくとダメって。
「部屋の外は、まだダメだよ。」
「そっちにいくと、けがするからダメだよ。」
「まだ、危ないからダメだよ。」
、、、、、、、、、。
、、、て、抱っこしても出してもらえなかったの。
前世のお家じゃなくって、お城みたいな部屋だった
のではやく他も見て回りたかったの。
なのに、、、なのに、、、出してもらえなかった
の。
だから、、、、だからね、、、、ぬけだしてきた
の。
パパとお兄ちゃんは、お外で剣の訓練しているの。
ママとポーラとサアーヤね、、、、お部屋の中にい
るの。
お兄ちゃんがね、一緒ではぜったいに無理なの。
ノアから目をね離してくれることが絶対にないから
なの。
だからね、、、パパとお兄ちゃんがいないときを選
んだの。
毎日毎日、、、ママたちがね、刺繍しているそばを
ゴロゴロ、ゴロゴロ、よいっしょ、よいっしょ。
そして、、、ぐたーとね、、、、。
死角にいても、心配しないように、、、、、、、。
がんばってね、、、がんばってきたの。
さっきまでね、ママの後ろの方でね、、、、、、。
眠っていたの。




