侵略神を崇める国の神経が気になるのだが
「聞いたか?エニグマが《フルカス迷宮》を二十階層まで踏破したらいぞ。」
「一日でか!?あの迷宮、迷路はそこまで難しく無いんだがあの意味不明な問を正解しなきゃいけないんだよな。正解した奴も適当に言ったら偶々当たっただけらしいしな。」
「そんな話をしていたら来たぞ。」
自分達がギルドに来たら冒険者達が自分達を見る。その目は、尊敬も有れば嫉妬や畏怖等もあった。
「うん?」
自分は、いつも冒険者ギルドにいないような格好をした人物達を見る。
お揃いの白を基調とした鎧を付け、それぞれ神聖さを表した様な武器を持った一団である。簡単に言えば騎士だ。
普通、騎士とは冒険者ギルドでは無く国が抱え込んでいる存在だ。それが、冒険者ギルドにいるというのは珍しい事である。
しかし、全く来ないという訳では無い。冒険者ギルドでは迷宮(何処にあるか分かっている迷宮だが)に繋ぐ転移陣があり、騎士団がそれを使う為にギルドに来る事もある。また、引き抜きやギルドマスターに会う為という理由もあるが。
「あの騎士団この国のじゃねぇな。」
「そうなのか?フューラー。」
「そうよ。この国の騎士団は青と金を基調とした鎧よ。」
レーレンが替りに答える。成程、まぁ自分達には関係無いが。
そう思っていたのだが、
「おや、こんな所に美しい御仁が。私は、聖国ネメスィの準聖騎士の一人フロイデ・ハルトネッキです。その美しさ私の伴侶に相応しい!私の妻とさせてあげましょう。」
一人の金髪の騎士がレーレンにそう言ってきた。その金色の目はレーレンに釘付けである。
こいつは、馬鹿か?まず、妻になって欲しいと女性に上から目線で言ってくる事。また、自分が言えた義理ではないが最初は恋人からだろう。
周りの冒険者も「何言ってんだ」という目で見る。当然レーレンの答えは、
「私には、夫がいます。」
「なっ!?」
騎士は、膝から崩れ落ちる。冒険者達はいい気味だという様に騎士を見る。他の騎士達は残念そうな顔になる。
そして、自分とフューラーを見る。フューラーを見るとフロイデが睨みつける。
「あの様なオーガもどきよりも私の方が優れている筈だ!もう一度、お考えしてくれませんか?」
そういえば、存在を薄させていたのだった。その為、フューラーをレーレンの夫と見ているようだ。
自分は、之は面白そうだと思いレーレンに精神魔法【念話】をして否定しないよう頼む。
「私達は、これから【アマイモン迷宮】に行きます。御一緒にどうですか?」
「すまないが、俺達はこれからギルドマスターの命令で【フルカス迷宮】に行くんでな。」
「お前に聞いていない!」
「何か誤解してるが俺は・・・」
「二人共が納得出来ないのならば、自分に提案がある。」
自分は、フューラーの言葉を遮る。 なお、彼のステータスはこんな感じだ。
name フロイデ・ハルトネッキ 18 人種
職業 訓練聖騎士
今迄の職業 騎士見習い 騎士 魔術師見習い 光魔法使い
生命力900
魔力50000
精神力500
スキル
剣術Lv9
盾術Lv7
光魔法Lv5
火魔法Lv5
地魔法Lv1
無魔法Lv4
限界突破Lv4
剛力Lv3
俊足Lv5
魔力回復Lv1
ユニークスキル
先読みの眼
称号 聖国ネメスィの騎士 人種至上主義者
《隠匿・侵略神の信者》
神の加護
光の神《隠匿・侵略神》騎士の神《隠匿・侵略神》
《隠匿・侵略神》とは、神達が言っていた侵略者なのだろう。多分だが、それを国家ぐるみでやっている国が聖国ネメスィなのだろう。そうでなければ、こんな奴が騎士の筈が無い。
「なんだメイ?」
「いや、自分とフューラー、お前ともう一人誰かと決闘をして決めるというのはどうだ?お前達が勝てばレーレンを《アマイモン迷宮》へ君達と行かせよう。自分達が勝てば、お前達のステータスをここで明かすというのはどうだ?」
「フン、いいだろう。しかし、お前は何故ステータスを見せる事を要求するんだ?確かに、騎士団のステータスとはあまり見せるものでは無いが見せてはいけないという事ではないが?」
「さぁ?それよりも、お前と誰にするんだ?」
「私が行こう。」
すると、何処からとも無く他の騎士達より良い鎧に凄まじい迫力がある四十代の騎士がやって来る。
「私は、聖国ネメスィ聖騎士のエーア・ステ・クラッセだ。」
あっ、この人ステータスが見えない。
「私は、ハンデとして剣以外使わないし、剣も魔法剣では無い。更に、十秒間動かない。さて、始めようか!」
そう高らかとエーアが言う。明らかに格上。しかし、勝たなければレーレンが連れ去られるかもしれない。
「馬鹿な事をしてしまったな。」
自分自身を嘲笑する。しかし、ハンデとして剣しか持たないといっても負ける可能性が高い。
「フューラー、フロイデを速攻で倒せ。」
「分かった。お前はあのおっさんの動きをどうにかしてくれ。」
「嗚呼、暗器も使うつもりだしな。」
そして、審判が開始の合図をする。
「はぁ!【光剣・閃光千斬】」
フロイデが先に動く。フューラーが前に出て防ぐ。
「フン!【焔舞 死月乱風・死炎千斬風 】」
幾千の光の剣筋と禍々しい青い炎の剣筋が交わる。フューラーが有利だが中々此方に来れないだろう。
『氷龍よ、汝世界を凍らせ我の敵を停滞させよ!』
自分とエーアを中心に周りが氷の世界へと変貌していく。
「ふむ、【剣技・一閃】中々やるな。」
しかし、剣を一振りするだけで氷が無くなる。そして、自分に向けて動き出す。
「チッ。《ダンタリオンの本》【魔力回復】
【精神魔法・幻狂眼】」
「ムッ!」
フロイデがふらつく。それもその筈、視界がぐにゃぐにゃになっているのだから。しかし、足留めとしかならない程度。
だが、
『氷龍、蝕龍よ汝らの力を併せ氷を作れ。その氷全てのものを消滅させよ。全てを無くす氷の嵐よ顕在せよ!』
杖の周りに氷の龍と禍々しい灰色の龍が現れる。周りから驚きの声がでる。
そして、エーアに向けて灰色の氷の嵐が向かう。普通ならば之でエーアの鎧や剣が無くなりエーア自身も大怪我をするだろう。普通ならば。
「【剣技・大回転盾】」
剣を回転させて防ぐ。剣と鎧はボロボロになるがエーア自身は少ししか傷が出来ていない。
残り5メートル。フューラーは、まだ来ない。自分は、裾から毒針をこっそり出す。
「【剣技・鉄突き】」
突きが近づく。周りから暴風が出てくる。どんな突きだと言いたくなる。
「【精神魔法・無知覚】」
この魔法は元々人を知覚しづらくする魔法だ。しかし、今回は人より遥かに小さい針にかける。
そして、投げる。
「なっ!」
驚く。この毒は即効性である。ある筈なのだが衰えたものの突きがくる。
そして、飛ばされる。しかし、それも想定内。
「後は頼んだぞフューラー!」
「任せとけ!【氷姫 蛍 ロコ・氷灯三狂閃】」
「なっ!」
後ろに廻っていたフューラーがエーアを切る。そして、何処かに飛ばされていく。
「勝者!フューラー・メイ!」
歓声が舞う。
「本当にすまなかった。」
試合が終わったらエーアが謝りに来た。フロイデを連れて来て。
「流石、最近噂のエニグマか。さて、ステータスの公開だったな。」
「嗚呼、その事だがエーアのステータスは見えない。他の人は見れるが今回はフロイデだけにしよう。」
自分は、フロイデのステータスをしっかり書いたものをばら撒く。
「なっ!之はどういう事だ!?何故私の加護が。」
フロイデが驚く。それだけでなく冒険者達や他の騎士も騒ぐ。エーアは、唖然とする。
それもそうだろう、加護に侵略神とあるのだから。
「お前が神が言っていた!もしや、他の騎士達も・・・
之は本国で聞こう。フューラー君、君の奥さんをうちの騎士が取ろうとしてすまなかった。」
「何か誤解してるが俺じゃなくてメイの奥さんだぞ。」
「「なっ!」」
「そうよ。」
レーレンが自分の手を握る。騎士達は驚いた顔になる。
「成程、そうか。それよりも、私が何もしないのも何だからこの指輪を上げよう。」
エーアが懐から騎士の顔が描かれた指輪を三つ出す。
「之は、《騎士の友人の指輪》という指輪だ。それでは、私達は《アマイモン迷宮》に行く。また、いつか会おう。」
騎士達を連れて何処かに行ってしまう。
少しづつ敵の姿を見せていきたいですね!




