此奴は龍と言っても良いのか?
「ショーラ・マイヤ・タルジュ・リーフ・ラアド・テゥルバ・ダウ・ザラーム・ワクト・ファダーァそしてナムジェこの十一がモカッタスセヘルの基本ダッラである・・・分かるか!?」
自分は最近見ないスクラーが渡した本を読んでいた。
あの再開についてアーベンさんの呼び出しが終わった後、訓練で読めていなかった本を読もうと思った。
グリモリオの加護によって、殆どの本は読めるのだが魔道書等は全く読めなかった。
文字は読めるのだが、その文字の意味が全く分からないのである。
また、先程自分が読んでいた本。読んでみると何故か目が痛くなり途中で諦めそうになってしまう。
「ここまで、読み応えがある本。久しぶりだ。」
しかし、自分はとても興奮していた。中々、読ませてくれない本。それを読破したい。そんな思いだった。
そして、自分は約2時間程この1000ページ以上ある本を読み続けた。
結果、
[精神痛覚耐性を獲得しました]
[精神痛覚耐性がLv1から2に3になりました]
[精神力が25000となりました]
[龍文字を獲得しました]
[龍眼を獲得しました]
[龍魔法を獲得しました]
[無言詠唱(龍)を獲得しました]
[龍の魂が内部に入った為排除を開始します]
[排除に失敗しました]
[神域を展開されました]
[神域に入ります]
あぁ、前の時もこういったアナウンスがあったのだろう。自分は気を失った。
「そこ〜、そこの君〜」
何処からか声が聞こえた。
前に来た時は、真っ白なだけだったが今回は何処か神殿っぽい場所だった。周りには竜人の騎士の石像が至る所にあった。
「あの〜、聞こえてますか〜?」
自分は仕方なく声をする方を向いた。そこには腿から上までは人間と同じだ。しかし、腿から下は巨大な毒蛇がとぐろを巻いた形をしていた。また、肩からは大量の蛇がついていた。
「おっ、見てくれてありがと〜。俺の名はテューポーンすっ!いや〜ゼウスさんに本に封印されて、そのままこの世界に渡されたんすよね〜。」
テューポーン、自分の記憶があっているならばそれはガイアによって生み出された怪物。ゼウスと激しく戦った存在だ。
「それで、ここの神様と仲良くなったんすけどね、他の世界の神が侵略してきたんすよ!自分は本に封印されてても戦ったんすよ!実力の半分も出せずに100の神にあえなく封印されちゃいましたけど。結構な数倒しましたけど!」
何か、途中から自分が負けた言い訳になっているが。
「それで封印されて長い時間経った時封印が剥がされてきたんすよ!今だ、と思って外に出たら君の魂に入っちゃったんすよ。そんでもって、君の魂の中に自動的に神域が開かれたんすよ!いや〜、本当にすいませんでした〜。」
「成程。あの有名な神話上の怪物に会えるとは思えなかったけどなんとなく分かった。それで、何か副作用でもあるのか?」
すると、顔は見えないが自分に驚くような目線を向けた。
「いや、ないっすけど。何か嫌じゃ無いですか。自分の中に他人がいるとか?」
「特に、というより龍系のスキルが得れたから別にいいし。」
テューポーンは自分を変な生き物を見る目で見た。
「流石、我等が加護を与えた存在だな。」
ふと、そんな声が自分達の後ろからした。
「インフェルヌスさん!?それに、グリちゃんやアールちゃんまで!?お久しぶりです!」
「テューポーン。君も少しは神らしくしたまえ。しかし、私達の陣営に強力な戦力が復帰したのだからな。やはり、本好きは何か凄い事をする!」
「も〜、グリちゃんは硬すぎ〜。テューちゃんお久〜。」
そこには、冥府の神インフェルヌスに本の神グリモリオ、幻の神アールキナティオがいた。
「テューポーンよ。さっさとこの者に加護を与えてくれ。そうすると、我等は何時でもこの者に神託を授けることが出来る。」
「了解すっ!」
テューポーンは、自分に一匹の蛇を切って自分に投げた。
「あっ、お気になさらず。すぐ生えるんで。」
生えるんだ。そう自分は思った。
「よもや、儂の与えたあの本がこういった存在じゃったとはな。久しぶりじゃのメイ。」
そんな声がした。そこには、スクラーがいた。
「いやのぉ、仕事で忙しくてのぉ。中々、お主に会えなんだのじゃ。レーレンは元気かの?」
成程。最近、いなかったのにはそんな理由があったのか。
「誰すっか?この新入りは?」
「此奴は、つい最近ルークスの御使いになってこのメイの義父にあたる存在だ。」
すると、テューポーンは自分に向かって何かを危惧する視線を送った。
「若いうちに妻を持つのはいいすけど。ゼウスさんみたいなことはするんじゃないっすよ!」
成程。それか。
「それじゃぁ、又すっね〜。」
自分の目の前が暗くなった。
テューポーンさんです!
自分が一番好きなギリシャ神話の人です。




