おことの昔話②
「ん、皆…?」
目を開けると、目に見えないスクリーンに、私の死を嘆いている皆が映っていた。
「おこと…。ひっぐ」
「おことちゃん…!」
皆が泣いている。
「私の為に泣かないで…。」
村の人たちを悲しませておいて、『実は身長を小さくしたかっただけだ』なんて、私は申し訳ない気持ちがいっぱいでした。
「あの…。スクリーンばっかりみてないで、こっち見てもらえます?」
「ふぇ?」
真っ暗闇の中に、ぼんやりと占い師?のような人が座っている。
自分の体も見えないほどな暗闇に、なぜこの人だけみえるのか。
「まさか、幽霊?って私もか」
占い師?みたいな人は、面倒くさそうに机に沢山のボタンを用意した。
「ん、ほら、人間型?獣型?魚型?」
急に話しかけられて、戸惑っていたら、占い師は面倒くさそうな顔を更に歪ませた。
「さっさとしてくれるかな?後ろ、つまってるから。」
「え」
振り返っても暗闇しかない。
当たり前か、自分すら見えないもんね…。
「はーやーく(怒)生まれ変わりたいから、ならんでんだろ?」
(口調悪くなった…。私知らないうちにならんでたのか。)
「は、はい!」
「ほら、人間、獣、魚、鳥型とか、いっぱいあるけど、どれ?」
そんなの私は迷う理由がない。
「人間型で!」
占い師は、興味がなさそうに言った。
「なら、人間型の列のボタン、選んでよね」
人間型だけでも、沢山のボタンがあった。
「ん…適当でいいかな?」
真ん中の辺りを押した。
「ふぅん、あんた、物好き…ていうか、変人だな。」
「え…(¶▽¶;)」
ショックを受けるまもなく、私は暗闇の見えない床から落とされた。
終わりが見えない、落下を続けたんです。