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鬼桜 ー夏の一節ー  作者: 鈴屋
1/2

学校。




校門を、


くぐ




『『(≧∇≦*)///(*´艸`)(≧∇≦)(*ノェノ)(〃▽〃)(*´д`*)(//∇//)』』




りたい。


普通に。





『キャ―――――――――――――ッ!!!!/////』




「お、おはよう・・・・」




『『おはよ~~~~!!/////』』



『スイ君じゃん・・・・////』



『はあ~ん・・・・(*´Д`)/////』





俺は、工藤 水。

フッツーの中一。男子。




――――将来の夢。

普通に、普通に登校したい。

門を、校門を、普通にくぐりたい。


そのためには・・・・



『『キャ――――――――ッ!!!/////コッチ向いたぁ!!!!////』』



――――女子よ。黙っていてくれ。頼む。後生だ。



君たちのヘビーノイズでこのボクがどれほど地味系男子(具体的に言えば一ノ瀬)に憧れているか・・・・。

想像もつかんだろうな。女子。

いや、女子だけとも限らねえんだわコレが。

こないだは知らん男に告られた。しかも廊下で。みんな見てた。ゲイなのかどうかは知らんが、成績はトップクラスで人気者のやつだったそうだ。皆の前でなど、勇敢な男だ。アイツ、元気だろうか。

それはさておき。毎日毎日「コレ」だ。


俺が振り向けば「キャ――――――!」

俺が靴箱に手をかければ「キャ―――――――!」

俺が靴を脱げば、履けば「キャフォ―――――――!」

教室に入ればおはよう♥おはよう!///おはよう(//・_・//)エブリデモーニン。yeah。

そして座れば「ムキャ――――――ッ!」

教科書出したら「ヌッフ////」

俺が笑えば失神。

俺が触れれば瀕死。

俺が――――・・・・・



もうやめだ。頭痛え。



これはいじめなのだろうか。ある一種の、新種のいじめなのではないだろうか。もうここまでくると正直疑ってしまうレベルである。





―――――ああ、そういえば。


都会を歩いていたとき、姉と一緒に何度もラフな格好をした男に名刺とやらを押し付けられ、(※これを世の中ではスカウトといいます)挙句にはどっかのテレビ局にインタビューかなんかさせられたこともあった。次の日、覚えのない出版社が雑誌に載せてやがった。ヤロウ。

それらはまさに恐怖。同時に、自分の行く先行く先を随時阻まれるという嫌悪感に見舞われる。

ようするに、最悪だ。





それにしても、なんだろう?

そんなに俺の「なにか」が良いのか?どこがいいんだ?

女子が見るとこつったら、やっぱ見た目?いや、フツーだろ。

性格?いや。性格の善し悪しだけであの群がりは恐ろしい。ありえん。

じゃあ、成績か。数学は100が平均だがその他は断然バカクラス。保健体育は、実技なら結構な得意分野なのかもしれないな。・・・・つまり成績も微妙だ。






考えてみるも、一向にその答えは出てこない。

一体全体、なんなんだろうか。





さっきの残忍なオープニングで十分理解していただけただろうが、毎日毎日どこから湧いてくるのやら、女子という恐怖が恐るべし密度で俺に迫ってくるのだ。

授業中ですら、痛いほどの視線を感じる。振り返ったら7、8人と目が合う。必然。とある惨劇。

ああ、なんていたわしやな俺。





ぼおっと考えている間にも、また、恐怖(女子)は俺の360度で蠢いている。

怖え。






・・・・・はあ。

姉ちゃんに会いてえなぁ。





   *








【続く】


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