ヨコシマなスイカ第6話<女の愛なのか?>
<女の愛なのか?>
ヨコシマなスイカは知ってしまった。女は時に優しいということを。競争に敗れて涙した男に駆け寄り、俯く彼の顔を胸に抱いた瞬間を見てしまった。止めどなく溢れる男の涙を胸に染み込ませ、何も言わずにただ女は男の髪を撫でる。微笑みながらただ。もう一度挑戦しなさいとは言わない、しかしもう諦めてとも言わない。本当の優しさを女は唯一の男に捧ぐ。男の涙はやがて枯れ、そして一言だけ呟いた。
「絶対、勝つから。君のために」
女は微笑む。そして言い放つ、
「勝手にすれば」
最後に男は一言彼女に告げた。
「俺より、何倍も強いんだな、君は」
「そうよ、だってにんにく多めの焼き肉食べたからね!」
男の涙が止まらないのは何のせいか?
ヨコシマなスイカは何も言えずその場を去ったとさ。でもその時二人は見ていた。去りゆくヨコシマなスイカが赤い汁を垂れながら転がっていく姿を。
それは果たして涙のつもりだったのだろうか?それともにんにくの匂いにまいったのだろうか?次回を待つしかないかな。
男は萎えたかもね?