Time Limit
ついに90話です!
読んで頂けるとありがたいです。
時は少し遡る。
「貫け!」
翔一の叫びに呼応するかの様に地面から様々な槍がメフィスト目掛けて飛んでいく。
「言霊。 そして想像世界すらも手に入れたか」
メフィストはそう呟きながら翔一の攻撃を回避し、追撃に来たミカエルの攻撃を防いだ。
「一瞬にしてサタン達を葬るとは……。 認めてやろう。 お前達は最強の妖精族と人類だ」
「そうかよ!」
ミカエルはメフィスト目掛けて風の刃を飛ばした。 自らもそれに続くようにメフィストに向かって行く。
「落ちろ隕石!」
翔一の言葉に合わせて上空から隕石がメフィストに落下する。
「消えろ」
メフィストがそう呟くと風の刃と隕石は消滅し、メフィストはミカエルの拳を受け止めた。
「風神の咆哮!」
ミカエルの拳を中心に巨大な竜巻が発生し、メフィストを吹き飛ばした。
「消えない炎!」
翔一の手から炎の玉が放たれメフィストに向かっていく。
「竜神王衝撃」
メフィストは衝撃波で炎を打ち消し、衝撃波は大地を抉り、遠くにあった山を貫通した。
「破壊の光」
ミカエルの両手から光の矢が放たれ、メフィストは光を驚異的なスピード回避しながらミカエルに接近する。
「切り裂け!風刃!」
翔一が風の刃を放ちメフィストは同じ様に風の刃を飛ばして相殺する。
「心を奪う音色」
ミカエルの周りに黒い音符の形をした物体が複数個出来上がる。
「絶対防音壁」
メフィストを中心にドーム状の絶対防御の時と同じ様なシールドが現れ、メフィストと音符の形をした物体を閉じ込めた。
次の瞬間音符の玉が爆発した。 中ではメフィストは耳を押さえているがミカエル達には何も聴こえていない。
「全魔力無効領域」
メフィストはそう呟き、ミカエルの作り出した盾に穴を開け脱出した。
「まだ死なないか……」
「今のは中々危なかったぞ……。 妖精神ミカエル」
「そいつはどうも」
ミカエルは自分の周りに浮いている青い盾を無数の小さな槍に分解した。
「凄い……! 翔一も。 ミカエルも」
「見とれてる場合じゃないぞ! 早く逃げないと……!」
ラファエルがそう言っている間に目の前にペルセポネが立ちはだかった。
「逃がすと思うのか?」
「ウリエルとガブリエル先に逃げろ。 少しでも時間稼ぐ」
「何言ってるのラファエル!? 一緒に……!」
ガブリエルが反論している間にもペルセポネは攻撃をウリエル達に向けて放った。
「魔力も体力も尽きたお主に何が出来る?」
ペルセポネが槍を作り出し、ラファエルの体を貫通した。
「ラファエル!」
「脆いな。 まるで話にならぬ」
ペルセポネはそう言って再びウリエルに向かって攻撃を放とうとするとペルセポネの腕が消滅した。
「なっ……! 貴様!」
ペルセポネはラファエルを睨み付けた。 ラファエルは笑みをうかべてペルセポネに手を向けていた。
「よくも妾の腕を!!」
ペルセポネは巨大な炎をラファエルにぶつけた。
「…………行くよ! ウリエル!」
ガブリエルはウリエルの手を掴み、走り始めた。
「逃がすか!!」
ペルセポネは再び巨大な炎の玉をウリエル達に向けて放った。
「やば……!」
ウリエルがそう思わず声を漏らした瞬間に目の前で炎の玉が爆散した。
「えっ……!?」
ガブリエルが状況をのみ込めずにそう驚きの声を漏らした時に前に二人の人物が降り立った。
「ロケス! デュークさん!」
「すまない。 遅くなったな。 ウリエル」
「後は俺達が何とかする! 逃げてくれ!」
ロケスとデュークはペルセポネの前に立ちはだかった。
「翔一! 乗せろ!」
「了解!」
翔一がミカエルに手を向け、ミカエルは青い小さな槍をメフィストに向けて飛ばし始めた。
「いくら数を増やしても操る能力が低ければ当たりはしない」
「だよな。 普通は」
ミカエルがそう言うとメフィストは青い小さな槍を回避しきれず青い小さな槍に切り裂かれ、体に小さな切り傷が刻まれていく。
「これは……「救恤」!」
「良くご存知で」
ミカエルの攻撃に翔一の救恤の力を乗せることによってミカエルの攻撃は全てメフィストに命中する。
「全方位衝撃波」
メフィストを中心にして全方位に衝撃波が放たれ、ミカエルの攻撃を全てはねのけた。
「竜神王衝撃!」
「消失の盾!」
メフィストから放たれる衝撃波をミカエルが作り出す盾がぶつかり合い、ミカエルの盾がメフィストの衝撃波を防いだ。
その隙に翔一はメフィストの真後ろに瞬間移動する。
「万物融解」
翔一の手から溶岩が放たれるがメフィストは上空に跳んで回避する。
「重力増加!」
翔一がメフィストに手を向けるとメフィストは苦しそうに上空に止まり、メフィストの真下の地面がどんどんヘコんでいく。
「全てを貫く風神の槍!」
ミカエルが巨大な風の槍を作り出し、メフィストに向けて放った。
「消えろ!」
メフィストがそう叫ぶとミカエルが放った槍は消え、翔一が強めていた重力も打ち消した。
「残念だね」
翔一がそう呟くとメフィストの後ろからミカエルが放った槍が現れた。
「なっ!?」
メフィストは意表を突かれ、槍に貫かれた。
(さっきのやつは俺が消す前に翔一が異空間に飛ばしたのか……!)
「翔一!」
「分かってる!」
ミカエルの翔一は同時にメフィストに手を向けた。
「「繋技・幻想的な炎光!!」」
ミカエルがメフィストの周りに青い盾を作り出し、ラファエルとガブリエルから受け継いだ二種類の光を。 翔一は両手から炎を乱射する。
(消すには量が多すぎる!)
メフィストはミカエルと翔一の攻撃に手を向けると衝撃波を放った。 しかし全ての攻撃を相殺できずに抜けてきた攻撃を回避するが周りにある青い盾が攻撃を反射した。
「そういう事か……!」
メフィストは下から来る攻撃を回避するのに精一杯で上から反射して再びメフィストに襲いかかる攻撃は回避出来ずにいた。
(くっそ……が……!!)
メフィストは手を上に上げると衝撃波を放った。 そして衝撃波を上空で止めていく。
「竜神降硫下!!」
メフィストが手を下に向けると竜の形をした衝撃波が翔一とミカエルの攻撃と盾を打ち消し、下にいたミカエルと翔一すらも吹き飛ばした。
「くっそ……」
「まだ倒せないか……」
翔一とミカエルがメフィストの方を見上げるとメフィストの体から金色の鱗が消えた。
「あれは!」
「絆魔力が消えた!?」
そのメフィストの姿を見た瞬間に翔一とミカエルは反射的にメフィストに襲いかかっていた。
「「終わりだ! メフィスト!!」」
翔一とミカエルは拳を振りかざし、メフィストに振り下ろす瞬間だった。
「傲慢!」
メフィストが叫ぶとミカエルと翔一の動きがピタリと止まった。
「なっ!?」
「これは!?」
翔一とミカエルが驚きの声をあげると同時にメフィストは二人を蹴り飛ばした。
二人は地面に叩きつけられ、翔一は降りてきたメフィストに腹部を踏みつけられた。 翔一の口から苦しそうな声と血が溢れ出る。
「メフィスト……何で七つの大罪を……」
下から話しかけてくる翔一にメフィストは口元の血を軽く指で拭い、翔一を見下ろしながら答えた。
「アイモデウスに譲渡して貰っただけのことだ。 全員から一旦回収した後、全て俺に譲渡する。
譲渡されて使える様になるまで少し時間がかかるとはアイモデウスに言われていたが……。
まさかこのタイミングで使える様になるとは……お前たちも運が無かったな」
メフィストはミカエルの方に目を向けた。
ミカエルが地面にうずくまったまま左胸を押さえて苦しそうに喘いでいる。
「時間切れか。 ミカエル」
メフィストはそう呟いて翔一から離れてゆっくりとミカエルの方に向かっていく。
「待て……メフィスト!」
「無駄だ翔一。 絆魔力が消えたお前に何が出来る?」
メフィストの言う通りで翔一の体はいつもの状態に戻っている。 不死鳥の絆魔力すらも消えていた。
メフィストはミカエルの目の前で立ち止まるとミカエルの服の襟辺りを持って、ミカエルの体を持ち上げた。
「ひとつ質問をさせてもらう。 何故お前たちはこの力を全員に黙っていた?
遊真と組めば俺を倒すのは容易かったはずだが」
ミカエルは苦しそう息を切らしながらも無理矢理笑みを作った。
「さぁ……? お前には……理解出来ないだろうな……」
「そうか……。 それは残念だ」
メフィストはミカエルを片手で持ち上げながらもう片方の手をミカエルの手の上から左胸に押し当てた。
「林檎で死ぬより殺された方が死に方としては英雄の様に俺は思うが……。 どうだ? ミカエル」
「殺したければ……殺せ」
「そうさせてもらおう」
メフィストの手から衝撃波が放たれ、ミカエルの左胸を貫いた。
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黒と白の暗殺者~剣に誓いし絆~
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