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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「祖の魔力」と「究極魔力」
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プラン2

読んでいただけるとありがたいです。

七つの美徳(セブンオブヴァーチェ)」だと……! 厄介な魔力(もの)引っ提げて来たのはどっちだよ……!」

 ベルゼブブは歯ぎしりをしながらミカエルを睨み付けた。

「どうする兄貴。 魔力が同等なら殺り合うのは止めるか?」

「どっちにせよあいつらがオーガを掃除し始めたら計画が狂う。 それにメフィストもそろそろ戻って来るだろう」

 ベルゼブブはそう言って再びゼウスに向かって行った。


 凄まじい衝撃波に森の木々が吹き飛んでいく。 地面は大きく凹み、無数の刀傷が刻まれていく。

竜女神衝撃波(ドラゴニックインパクト)!」

 遊真の手から衝撃波が放たれ、地面には巨大な穴が空いた。

 メフィストは遊真の攻撃を回避しながら遊真を蹴りとばし、

 レノーラにカウンターで拳を叩き込んだ。

 遊真は立ち上がり口元の血を袖で拭った。

「アイモデウスの共鳴(リズネンス)でメフィストの魔力が上昇してるな」

「お陰で二人がかりでこの状況ね。 それに私達にはあまり時間がない」

 そう話している内にメフィストはこちらに向かって来ていた。

「先程の神族についてもう少し話そうか」

 メフィストはそう言って遊真に蹴りをいれ、レノーラの拳を受け止めた。

「女神族の魔力というのは親から遺伝する。 遊真、お前が良い例だ」

 メフィストはレノーラを投げ飛ばし、遊真の攻撃を回避していく。

「しかし魔神族は遺伝しない。 誰かが死んだらその魔力を受け継いで誰かがその魔力を使える様になる」

 メフィストは遊真の腕を掴んで地面に叩きつけ、レノーラの拳防ぎながら跳び、距離を取った。

「これはベルゼブブも知っている。 だから魔神族を大量に戦わせ、残り二種類の「祖の魔力」を持つ魔神族を産み出そうとしたわけだ」

 遊真はメフィストの言葉に思い当たる人物を思い出した。

「まさかさっきの見たことの無い二人の魔神族は……」

「あぁ、「祖の魔力」を持っているさ」



 ベルゼブブは真っ直ぐにゼウスに向かって行く。

「「傲慢(スペルビア)」!」

 ベルゼブブがゼウスを睨み付け、ゼウスの動きが止まる。

「貫け!」

 ベルゼブブはゼウスに向けて拳を振り下ろすが間に翔一が入り、ベルゼブブの拳を難なく受け止めた。

「「節制(テンペランティア)」!」

 横ではガブリエルがベルゼブブに手を向けていた。

 翔一はベルゼブブを投げ飛ばし、サタンがベルゼブブを受け止めた。

「どうやら本当に七つの美徳(セブンオブヴァーチェ)らしいな」

「厄介だな。 どうする兄貴」

 サタンはベルゼブブを足元に下ろした。

「全員あれを使え。 そしてベルフェゴール、ペルセポネ。 お前達も全力でやれ」

 魔神族達は頷くと手を合わせ始めた。

「何だ……?」

 ラファエルが首をかしげると、魔神族達が光に包まれ、赤や青といった様々な色の鱗を纏った魔神族達が姿を現した。

竜神(ドラゴン)絆魔力(リンク)か……!」

 ミカエルは小さく舌打ちをし、翔一の方を見た。

「みんな聞いてくれ。 「勤勉(インダストリア)」の魔力で分かった事がある」

 ミカエルはそう言ってベルフェゴールとペルセポネを指差した。

「あの二人は「祖の魔力」を持ってる」

 ミカエルの言葉に翔一達は言葉を失った。 しかし翔一は小さくため息をついた後、ミカエルと目を合わせた。

「引き続きあいつらは俺とウリエルが相手をする。 そして翔一」

「分かってるよ。 使うんでしょ?」

 翔一がそう言うとミカエルは黙って頷いた。

「作戦会議か?」

 ベルゼブブはそう言いながら再びミカエル達に向かって来る。

「貴方達もしていたでしょう?」

 ゼウスがベルゼブブの拳をぶつけ合い、他の魔神族やミカエル達も戦闘を開始していく。

「さっきの一撃はどうだった? ベルフェゴール。 「怠惰(アクディア)」の反撃は今は通用しない」

「…………」

 ベルフェゴールは無言でミカエルを睨むと、火や雷といった様々な種類の槍をミカエルに向けて放った。

美徳(ヴァーチェ)大罪(シンズ)がほぼ同じ力だとしたら「祖の魔力」を持つお前には例え絆魔力(リンク)を使っても敵わないよな」

 ミカエルはそう言って小さくため息をついた。

「だからといってこのまま大人しくやられる訳にはいかないな!」

 ミカエルの体が光に包まれ、身体強化(フィジカルブースト)

 と同じ様な光を纏った。

「…………?」

 ベルフェゴールは首をかしげ、再び攻撃を放った。

「これで大体互角だろ」

 ミカエルがそう言って手を前に出すと盾が現れ、ベルフェゴールの攻撃を防いだ。

「ミカエル、使ったの?」

 翔一がミカエルの横に着地しながらそうきいた。 翔一を追うようにしてベルフェゴールの横にはサタンがいる。

「翔一も使え。 温存してる場合じゃない」

「分かってるよ」

 翔一はそう言うと一瞬目を閉じるとミカエルと同じ様に光に包まれた。

身体強化(フィジカルブースト)では無いようだが……。 一体何の真似だ?」

「ちょっと親友の真似をね」



「一つ聞きたい事がある」

 見知らぬ大地(イリュージョンランド)から帰還した時にミカエルは遊真をそう言って呼び止めた。

「聞きたい事?」

「あぁ。 メフィストとベルゼブブ相手に使ったあの技についてだ」

「「能力全解放(アビリティフルバースト)」か? 確かにあれは強いけど体への負担が半端じゃないぞ」

「分かってる。 あれは俺にも出来るのか?」

 遊真は小さくため息をついた。

「正直お前にはあんまり使って欲しい技じゃ無いけどな」

「俺の体の事は気にするな。 やり方を聞くだけだ」

「分かったよ。 先ずミカエルは覚醒した時の事は覚えてるか?」

 ミカエルは首をかしげた。

「覚醒した時の事? まぁ覚えてない事は無いけど……」

「俺は「想像世界(イマジネーション)」を使う時、扉の前にいる様な気分になるんだ。

 そしてペンダントに触れると扉が開くんだ。 そうすると力が溢れ出てくる」

「扉……か……」

 ミカエルはそう呟いてウリエルに究極魔力を使える様にして貰った時の事を思い出した。

「そういえばウリエルに究極魔力を使える様にして貰った時に扉の鍵が開いた様な気がした……様な……」

「まぁ人それぞれ感覚は違うだろうけど俺が「能力全解放(アビリティフルバースト)」を使った時はその扉をいつもより大きく開けた。 つまりいつもより魔力を多く引き出す訳だ」

「なるほど……。 扉を開ける感じか。 覚えとくよ。 サンキュー遊真」

 そう言ってミカエルは遊真と別れ、部屋に戻った。



「くだらんな」

 サタンはそう言ってミカエルと翔一に殴りかかった。

「まぁそう言うなよ。」

 翔一は一瞬でサタンの背後に回り込み、サタンを地面に蹴って叩きつけた。

「…………!」

 ベルフェゴールはミカエルに向かって炎の玉を放った。

消失の盾(アプラティオネ・スクゥートム)

 ミカエルの前に巨大な盾が現れ、ベルフェゴールの攻撃を完璧に防いだ。

「お兄ちゃん……?」

 ウリエルは兄の使った技に目を疑った。

「あれがミカエルの究極魔力……?」

「ウリエルが一回しか使えないって言ってなかったか……?」

 ラファエルとガブリエルは初めてミカエルの究極魔力を目の当たりして驚いていた。

「さあこいよ。 ベルフェゴール!」

 ミカエルは笑みをうかべた。



「燃え尽きろ。 太陽の爆炎(サンシャインインフェルノ)

 メフィストの手から巨大な炎の玉が放たれ、遊真とレノーラを追い詰めていく。

《遊真! ここは一旦退きましょう》

《退く? 駄目だろ、メフィストは俺が止めてないと!》

《分かる遊真? 隕石が落ちてきてからでは手遅れなのよ? 今隕石は作られている最中だけど落ちて来るのは地星(アース)の重力に引っ張られるから。 だから落ちてきてからでは手遅れになる》

 メフィストが再び遊真とレノーラに襲いかかり、遊真とレノーラはメフィストの攻撃を凌ぎながら会話を続けた。

《そりゃ急がなきゃいけないのは分かるけど……!》

《一旦みんなの所に戻り、それから遊真は再びあの光の柱に瞬間移動すれば良い。

 メフィストは最初は私達を追って街に来るでしょうけど貴方が術式を破壊しようとしたら

 自分自身が止めに行くか ベルゼブブに止めに行かせるか。

 この二つのどちらかだと思うわ》

 遊真はメフィストの拳を受け流し、そのまま背負い投げの要領でメフィストを投げ飛ばした。

《俺が術式を壊している間はどうするんだ?》

《メフィストが自分自身で遊真を止めに行った場合は、遊真がメフィストを凌ぎながら術式を破壊する必要がある。 けどメフィストが貴方を止める事に集中し過ぎると私とゼウスでベルゼブブを倒す事が出来る。

 ベルゼブブが止めに来たとしてら私とゼウスでメフィストを食い止め、貴方がベルゼブブを倒すか、術式を破壊してこちらに戻って来るか。

どちらにせよ戦況は少しは有利になるはずよ》

《分かった……一旦退こう。 隙を見て瞬間移動で街に行こう》

 遊真はメフィストに向かって行き、拳を振り下ろすがメフィストを難なく受け止めた。

 メフィストは遊真の腹部を蹴りとばし、炎の玉を放った。

 レノーラが遊真を受け止め、炎の玉を跳んで回避した。

「上空から反撃か?」

 メフィストは笑いながら遊真とレノーラに手を向けた。

 《遊真!》

 遊真は街に目を向けた。街の中から巨大な爆発が見えた。

 《よし!》

 アイモデウスは遊真の視線が街に向いている事に気づき、遊真達の狙いに気づいた。

「メフィスト! 行かすな!」

「何?」

 メフィストがそう聞き返した時に遊真とレノーラは上空から姿を消した。

「瞬間移動……? 術式の方に行ったのか!」

「いや、違う。 遊真は街の方を見ていた。 街に瞬間移動したんだ。

 恐らくだがお前かベルゼを誘い出す為だ」

「誘い出す……?」

「遊真は街に戻り、レノーラを置いて術式の場所に行くつもりだろう。

 お前が追わなければ遊真は術式を破壊する前にベルゼ達を倒す。

 お前が追ったら最初に言った通りレノーラを置いて遊真が術式の場所に瞬間移動する。

 お前が追えばベルゼ達が危うくなり、逆にベルゼ達に追わせても遊真は止められない」

 メフィストは大きくため息をついた。

「なるほどな……上手く相手をぶつけるって事か」

「どうするメフィスト? どちらにせよプラン2は狂うぞ」

「構わん。 向こうで少し予定を変更する。 行くぞアイモデウス」

 メフィストはアイモデウスと共に上空に飛び上がった。

今日からもう一つ連載を始めました。

よろしくお願いいたします。

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