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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「祖の魔力」と「究極魔力」
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七つの美徳

読んでいただけるとありがたいです。

「どうしよう……」

 真優は木の陰に隠れて小声で呟いた。 ペンダントを握っている手は汗をかき、震えていた。

「でも……私も行かないと……」

 真優はそう言ってもう一度顔を出して様子を伺った。

「あっ……!」

 真優が見たのはミカエル達が立ち上がる姿だった。

「くそ……」

 ミカエルは息を切らしながら立ち上がった。 周りの翔一達も立ち上がっていく。

「翔一。 こりゃ温存とか言ってる場合じゃないよな」

「そうだね。 でもまずは結菜様に貰ったこれを試すべきじゃない?」

 翔一はそう言ってペンダントを見せた。

 ミカエルが周りを見ると他の全員は既に頷いていた。

「やるか……!」

 ミカエルはそう言ってペンダントを握りしめた。 それを合図に全員がペンダントを握りしめた。

 ペンダントを握りしめた瞬間に全員の体が光輝くオーラの様なものに包まれた。

 あまりの眩しさにミカエル達自身も目が眩み、目を閉じた。

 次に目を開けた時にはそこには何も無い空間が広がっていた。 周りには文字通り何も無く、どこまでも広がっている様な空間だった。

「ここは……?」

 ミカエルが周りをもう一度見渡すといきなり横に翔一が現れ、次々とウリエルとガブリエル。 ラファエルとゼウスも現れた。

「みんな!」

「ミカエル。 ここは?」

「分からない。 俺たちは魔神族と戦ってたはずだったのに……」

「ここは光の中だ」

 背後から声が聞こえ、全員が振り返るとそこには杖を持った銀髪の老人が立っていた。

「光の……中……?」

「うむ。 おっと、人魚のお嬢ちゃんもいれてやらんとな。 魔神族に殺されてしまう」

 そう言って老人が指を鳴らすとウリエルの腕の中にメイが現れた。

「そこの赤髪のお嬢ちゃんが好きな様だな。 先ほどからお姉ちゃん お姉ちゃんと言っておった」

「お姉ちゃん!」

「メイ!」

「さて、あまり時間もない。 お嬢ちゃん達も私の話を聞いてくれ」

「貴方は誰なんですか?」

 ゼウスは老人にそう聞いた。 正体も分からない様な者に閉じ込められたとなると大惨事になる。

「私の名前は創造神・ジェネシス。 貴女(女神族)と魔神族の祖に当たる者だ」

「創造神……ジェネシス……?」

「本で読んだ事がある……。 女神族と魔神族を生み出した神だって」

 老人(ジェネシス)は頷くと話を続けた。

「今からそなたらに教えるのはそのペンダントに込められた魔力の力。

 よいか、まずお主からだ……」

 ジェネシスは一人ずつ魔力の説明を簡潔にしていった。

「……以上だ。 もうすぐ私の魔力が消え、私の姿も消える。 そうすれば今そなたらを守っている光も消える。

 そこからはまた戦いだ。

 …………元はと言えば私が力を半分ずつに分けた事が失敗だったのかも知れん。 今や七つの大罪(セブンデットリーシンズ)の力すらも手に入れ、この星を我が物にしようとしている」

「そうだとしても」

 ミカエルは笑みをうかべながら言った。

「女神族専用の力を俺たちに使わせてくれるってだけでありがたいですし、間接的に貴方は罪を償おうとしているではないですか」

 ミカエルの言葉にジェネシスは笑みをうかべた。

「すまない妖精族の王よ。 そして魔神族に立ち向かう戦士達よ。 奴等を止めてくれ」



「どうするんだ兄貴」

 サタンはそう言って拳を光に向かって振り下ろした。

 衝撃波が光に向かって行くが光に弾かれ、光には一切変化は見慣れなかった。

「攻撃は通らない。 向こうも出てこないか……。

 他の所を襲撃するのもありだがオーガとお前の部下で恐らく十分だしな。

 ここを動いて見ていない内にゼウスがメフィストの所に行き、オーガが他の奴等に掃除されるのは避けたいな」

「待てば良いのでは? どちらにせよ持久戦なら死ぬのは向こうなのですから」

「それもそうだな。 ルシファーの言う通りに……

 いや……その必要は無いか」

 ベルゼブブはそう言ってニヤリと笑った。

 少しずつ光が消えていき、ミカエル達が姿を現した。

「随分と殻に籠ってたな。 もう出てこないかと思ったぜ」

「ちょっと講義と依頼を受けてたんでな」

 ミカエルはそう言って再びペンダントに触れた。 翔一達もペンダントに触れるとペンダントは輝き始めた。

「遊真の真似事か?」

「さぁ……? どうだろうな!」

 ミカエルはそう言ってベルフェゴールに殴りかかった。他の皆も魔神族に向かって行く。

「…………」

 ベルフェゴールは無言のまま向かってくるミカエルを見つめている。

 ミカエルはそのままベルフェゴールに拳を振り下ろした。

 その瞬間に再び爆風が巻き起こった。

「無駄だ」

 ミカエルは何事も無かったかの様にベルフェゴールを殴り飛ばした。

「なっ……!?」

 ベルゼブブは驚きの声を上げた。

「驚いているみたいね」

 ゼウスがベルゼブブを蹴りとばし、ベルゼブブは地面に叩きつけられる様に着地した。

「鬱陶しいな……!」

 ベルゼブブがゼウスを睨み付けると再びゼウスの動きが止まった。

 ベルゼブブは跳び、ゼウスに蹴りを入れようとしたがゼウスの周りにシールドが現れベルゼブブの攻撃を防いだ。

 ベルゼブブはそのままゼウスのシールドを蹴り、地面に着地した。

(こいつら全員急に魔力が上昇した……? あのペンダントの効果か?)

「不思議そうな顔だな、ベルゼブブ」

 ミカエルは笑みをうかべながらそう言った。

「これはお前達の魔力と対になる魔力。 「七つの美徳(セブンオブヴァーチェ)」だ!」

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