潜入
遊真は翔一の横を走りながら、昨日大輝が言っていた作戦を思い出していた。
「今から作戦を伝えるがこれは作戦というよりは戦う相手を決める物だ」
「戦う……相手……?」
大輝は頷いた。
「そうだ。 いくら魔神族といえど全員が化け物クラスな訳ではない。 普通の魔神族は遊真、君でも十分倒せるレベルだ。
問題は相手の幹部クラスだ」
「幹部!?」
遊真は驚いた。 魔神族達に階級があるとは思っていなかったからである。
「あぁ「四天王」のアモン、アスタロト、バアル、ロキ。
そして「魔神王の両腕」のべリアルとルシファー」
「じゃあそいつらを倒して魔神王を倒すんですね」
大輝は頷いた。
「その通り。 幹部クラスを倒して魔神王を倒せば任務は八割完了だ」
「じゃあ僕らの敵は誰なんですか?」
翔一が大輝にそう聞いた。
「いや、君達には直接は戦ってもらわない。 君達には「魔王の洞窟」内の魔神族の掃討をお願いしたい」
「わかりました」
と翔一が返事をすると大輝は懐から地図らしき物を取り出した。
「これはいったい何の地図ですか?」
「これは大天使・ガブリエルの魔力によりある魔神族の頭から読み取った物を地図にした物で、これは魔王の洞窟内の地図だ」
魔王の洞窟は色々といりくんではいたが最終的には広い場所に出れるようだった。
「幹部達はおそらくここにいるだろう」
そう大輝は言った。
大輝が指を指した所には七本の分かれ道があった。
「おそらく一つが魔神王がいる場所へ繋がっていて 六本はそれぞれの幹部の所へ続いているのだろう。
君達にはこの分かれ道の前で魔神族を殲滅してもらう。 しかし奥から何か怪しい音などが聞こえたり、行くべきだと判断したら その時は幹部達との戦闘を許可する」
現在、遊真達は女神族を先頭にして魔神族を殲滅しながら洞窟へ向かっていた。
魔神族は倒しても倒しても何回も現れ、遊真達も戦闘に参加していた。
しかし魔神族を殲滅しているうちに魔王の洞窟へたどり着いた。
「これより作戦を開始する! 女神族半分と天使族はここに残り魔神族を! 他の者は洞窟内へ潜入する! 着いてきてくれ!」
そう言い大輝は先頭に立ち洞窟内へ入っていった。
遊真と翔一達も後に続いた。