表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「祖の魔力」と「究極魔力」
79/96

魔力大戦

読んでいただけるとありがたいです。

「魔神族だ!」

 すぐさま恐怖は伝染し、校内はパニックになった。 全員が我先にと出口に向かっていく。

「やれやれ……うるさい奴等だ」

 そう言ってベルゼブブは手を生徒達が逃げていく方向に手を向けた。

「燃え尽きろ」

 ベルゼブブから巨大な炎の玉が放たれ、出口で詰まっていた人間達を呑み込んだ。

 思わず耳を塞ぎたくなる様な悲鳴が上がり、炎が少し収まった時には既に立っている人は居なかった。

「な……!」

「酷い……」

 弘行は唖然とし、真優はベルゼブブを睨み付けた。 他のクラス生徒達は更にパニックになり、違う出口を探している。

 弘行と真優と同じ 魔力科 のクラスメート達は校庭に出てきた。

「さて……次はお前らだ」

 ベルゼブブが手を上げると周りの魔神族が同時に襲いかかった。



 遊真達はすぐに学校へ向かおうとしていた。

「さっき学校に誰かが降りた! 速く行かないと!」

「遂に攻めてきたか……!」

 ミカエルは盾を作り出し、ウリエルは懐から笛を取り出した。 ウリエルとミカエルは既に学校に行こうとしている。

「待って」

 結菜が小さく呟いた。

「速く行かないと皆が!」

「分かってるわ。 ウリエルちゃん。 でもちょっとだけ待って」

 そう言うと結菜は懐からペンダントを取り出した。 それぞれ色が違い、

 赤、桃、青、緑、黄、紫

 の六色だった。

「ここ最近でちょっと うろうろ して適合者を探してた」

 そして結菜はペンダントをミカエル達に差し出した。

「メフィストが決着をつけに来たのなら、そしてあの力を既に見つけているのなら、この力が必要になる」

「それ……は……?」

「残念だけど教えているとウリエルちゃんの言う通り時間が無いわ。 使い方は「彼」が教えてくれる」

 そう言って結菜は

 ミカエルに緑色に輝くエメラルドのペンダントを。

 ウリエルに桃色に輝くピンクダイヤモンドのペンダントを。

 翔一に紫色に輝くアメジストのペンダントを。

 ラファエルに赤色に輝くルビーのペンダントを。

 ガブリエルに青色に輝くサファイアのペンダントを。

 そして最後にゼウスの首もとに黄色に輝くトパーズのペンダントをつけた。

「そして遊真」

 結菜は遊真のペンダントに触れると目を閉じた。

 三秒程して結菜は目を開けた。 結菜はペンダントから手を離た。

「貴方には私の力を渡した。 これでメフィストに勝つことは難しいと思うけど……」

 結菜は涙目になりながら遊真も抱き締めた。

「生きて帰ってきて……」

 遊真は結菜を抱き締め、

「分かってる」

 と力強く言った。 結菜は遊真から離れると笑顔をうかべた。

「行ってきて! そして必ず帰ってきて」

「行ってくる」

 遊真はそう答えると、周りを見た。

 ミカエル、ウリエル、翔一。 全員が笑顔をうかべていた。

「私も行く!」

 メイはウリエルの前に立って言った。

「危険だって事分かってる?」

 ウリエルがそう聞くとメイは頷いた。

「危なくなったらすぐ逃げるんだよ」

 そう言ってメイを抱きしめるとミカエルの盾にメイを乗せた。

「行くぞ!」

 五人は同時に学校の方向へ向かった。

 追いかける様にラファエルとガブリエルも学校に向かっていく。

「私が部屋に戻ればこんな事にはならなかった。 なんて思ってる?」

 ゼウスは振り向かずに結菜に聞いた。 横にはレノーラが黙って立っている。

「えぇ……本当にそう思うわ」

 結菜はそう今にも消えそうな声で呟いた。

「別に母さんが気にすることは無いわ」

 そう言うとゼウスは振り返り、母を真っ直ぐに見つめた。

「今までずっと結界を維持させる為に魔力を注いできた。 その反動で魔力が上手く扱えなくなり、結界を維持させる事が困難になった。 そうでしょう?」

 結菜は驚くような素振りを見せ、微笑みながら

「流石は娘ね」

 と言った。

 大輝は知らなかったらしく、驚きを隠せないでいた。

「母さんは十分頑張ったよ。 だから後は私達に任せて」

 ゼウスはそう言って結菜に微笑みかえした。

「お願い。 皆を守ってあげて」

「私は今回はお役に立てそうも無い。 全て任せる事になってしまい申し訳ない」

「あら大輝君、他にも魔神族は紛れ込んでるわよ。 貴方にはその指揮が残ってるわ」

 結菜は軽く大輝の背中を叩きながらそう言った。

「そうですね」

 大輝は笑みをうかべながらそう言った。

女王(クイーン)、レノーラ。 御武運を」

「行ってきます」

 ゼウスとレノーラも皆の後を追うようにして、学校に向かった。



炎玉(フレイムボール)!」

 生徒の一人が炎の玉を放つがルシファーが手を出すと、炎の玉は一瞬で消え去った。

貫通拳(パネトレーション)

 次の瞬間にべリアルの拳が生徒の体を貫いた。

「貴様!」

 平太がべリアルに向かって行き、風の刃を放った。

「この威力……覚醒魔力か」

「関係無いだろ」

「あぁ、問題ない」

 再びルシファーが手を前に出すと風の刃はルシファーとべリアルに届く事は無く、消えていった。

「おい! あまり孤立するな!」

「弘行! 前!」

 真優が叫んだときには既にベルゼブブが弘行の前で拳を振りかざしていた。

「余所見とは余裕だな」

 ベルゼブブは弘行を殴り飛ばした。 弘行は吹っ飛び校舎に激突し、瓦礫の山の中に消えた。

 横では一人の男の魔神族に三人が違う方向から向かっていく。

「死ね!」

 三人は同時に殴りかかったが、魔神族は何一つ動く事無く、三人は吹っ飛ばされた。

「…………」

 魔神族は無言のまま吹っ飛んだ三人を見つめた。 そして何か頷いたかと思えば瞬間的に樹木の槍が現れ、三人の体を貫いた。

「美しくない……」

 一人の女性の魔神族はそう言いながら女子のクラスメートの首を転がしている。

「ただいま」

 そう言ってレヴィアタンがグラウンドに戻ってきた。 後ろには数十人の人影が見える。

「あれは……生徒……?」

「正解」

 真優が思った通り、レヴィアタンの後ろにいるのは学校の生徒だった。 違うクラスの生徒の様だが既に目は虚ろである。

「さぁ……戦いなさい!」

 レヴィアタンがそう叫ぶと生徒達は真優達に襲いかかってきた。

「操られてるの……?」

「厄介だな……!」

 平太が操られている生徒を樹木で縛り上げた。

「よし……!」

 平太が拳を握りしめた瞬間に腹部を誰かの手が貫いた。

「気をとられ過ぎだ」

 サタンは手を抜くと、平太を蹴り飛ばした。 平太は校舎に激突し、瓦礫と共に崩れ落ちた。

「後半分」

 ベルゼブブはニヤリと笑いながらそう言った。

「ヤバイってヤバイって! これは逃げた方が!」

 そう言いながら一人の生徒が出口に向かって走り出した。

 しかし目の前に黒い円が出来たかと思えば、ルシファーが姿を現した。

「なっ……!」

「いい表情だ」

 ルシファーの剣が生徒の左胸を貫いた。 ルシファーは女性の魔神族の元に生徒を投げた。

「どうです? ペルセポネ」

「ほう……いい表情じゃ。 妾の好みじゃな」

 女性の魔神族(ペルセポネ)はそう言いながら笑みをうかべた。

「お主はどう思うベルフェゴール?」

 男の魔神族(ベルフェゴール)はちらりとペルセポネの方を見たが、すぐに視線を戻した。

「相変わらず喋らんな」

 ペルセポネは面白くなさそうに生徒の死体を捨てた。

「さて後四人……いや、五人か」

 ベルゼブブがそう言うと瓦礫の山が動き、中から弘行が姿を現した。

「身体強化か。 当たる直前に発動させるとは」

「何だよ……! これ……?」

 弘行は周りの状況に唖然とした。 ほとんどの仲間は倒れ、立っているのは妖精族の三人と真優だけだった。

「お前ら……!」

「止めて弘行!」

 真優の言葉も届かず弘行はベルゼブブに向かって行く。

 周りに倒れている仲間達は既に息絶えており、戦闘中の妖精族三人も弄ばれている。 弘行も全力でベルゼブブに向かっているがベルゼブブは余所見をしながら攻撃を難なく回避している。

「おい、そろそろ遊びは終わらせろ」

 ベルゼブブがそう言うとべリアルはアポロンを蹴り飛ばした。 ルナとモモもこちらに投げ飛ばされた。 真優は三人に駆け寄り、弘行も再び殴り飛ばされた。

「燃え尽きろ」

 纏まった所にベルゼブブは炎の玉放った。

「やらせない!」

 真優が手を前に出すとベルゼブブが放った炎の玉は横にそれて行った。

「ほう……覚醒魔力か」

「面白いな」

 べリアルが衝撃波を放つが再び真優が手を出すと横にそれ、校舎が崩れた。

「攻撃の軌道を変える魔力か。 だが」

 ベルゼブブは手を再び真優に向けた。

「いつまでもつかな?」

 ベルゼブブが連続で攻撃を放ち、真優は攻撃をそらしていくが明らかに余裕なのはベルゼブブだった。

「きゃっ!」

 攻撃の一つが足に当たり、真優は地面に倒れた。

「兄貴が一番遊んでるな」

「まぁそう言うなサタン。 これで終わりだ」

 そう言ってベルゼブブは炎の玉を放った。

 炎の玉はそれる事無く真っ直ぐに五人の元に向かって行く。

「助けて……お兄ちゃん……!」

 次の場所に向かうためベルゼブブが真優達と真逆の方向を向いた瞬間に炎の玉が消えた。

 ベルゼブブはニヤリと笑いながら真優達の 否。 「最も待っていた敵」の方に振り返った。

 真優の前に立っていたのは胸元でペンダントを光らせている青年だった。

「遅かったな。 遊真」

「ベルゼブブ……!」

唐突な話ですが自分が通ってる高校は中高一貫校なんで入試関係でこの時期は休みが多いのです(笑)


勉強の合間にちまちま更新していきます。


ブックマーク、ポイント評価等していただけると凄く励みになります。

よろしくお願いいたします。m(._.)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ