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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「祖の魔力」と「究極魔力」
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幼なじみ

読んでいただけるとありがたいです。

 遊真は真優が親の名前を知ってる事に疑問に思いながら結菜の姿を探した。

(本当にうろうろするなぁ……)

 遊真は城内を小走りで探し回った。 すると廊下で一人で夜空を見上げている女性がいた。

「母さん」

 遊真はようやく親の姿を見つけると駆け寄りながら声をかけた。

「どうしたの遊真?」

「聞きたい事があるんだ」

「部屋で聞くわ」

 結菜は少し笑いながら遊真とゼウスの部屋に向かった。


「あら、母さん。 どうしたの?」

 ドアを開けるとベッドでゼウスが横になっていた。

「遊真が私に聞きたい事があるんだって」

「なるほどね。 確かにゆっくり出来る方が良いわ」

 ゼウスはそう言って奥からソファーを持ってくると結菜の前に置いた。

 結菜は ありがとう と言ってソファーに座り、遊真はベッドに腰をかけた。 ゼウスも遊真の横に座った。

「今クラスに真優って女子がいてさ……。 その子は母さんの名前を知っていたんだ」

「それが不思議?」

「普通親の名前は知らないでしょ。 まだ会ってからそれほど時間はたってない」

 結菜は少し考え込んでから答えた。

「女の子の名前が真優っていうなら思い当たる事が一つあるわ」

「母さんは心当たりがあるの?」

「確か私の友達の娘が真優って名前だった気が……」

 遊真はその答えを聞いて少しがっかりした。

「それあんまり関係無いよね……」

「そう? 貴方は小さい頃よく真優と遊んでたわよ」

「懐かしいわね。 私の事をお姉ちゃんって呼んで、遊真の事をお兄ちゃんって呼んでたわ」

 ゼウスはその事を知っているらしく、そう呟いた。

「それって何歳の時?」

「大体三歳位じゃなかったかしら。 封印が破壊されて魔神族に遊真が城から拐われるより前だから」

「それなら真優は何歳の時になるんだ……?」

「えっと……遊真の二歳下だったはずだから一歳か。 まぁその割りには随分と喋る子だったわね」

「その時の記憶があるなら母さんの名前を知っていてもおかしくは無いのか」

 遊真はそう言ってベッドから立ち上がった。

「ありがとう二人とも。 翔一にも聞いてみるよ」

「出来たら明日その子を連れてきてくれない?」

 遊真は頷くと、軽く手を振って、部屋を後にした。



「そう言うと思ってもう調べといたよ。 大輝様から書類を貸してもらってね」

 翔一はそう言って机から書類を取り出した。

「あの真優って子は遊真と幼い頃に会っている」

「母さんに聞いたけど俺が三歳の頃によく会ってたらしい」

 遊真がそう言うと翔一は頷いた。

「あと遊真が一人暮らしを始めた時の近所に住んでいたらしい。 それと僕らが中学校三年生の時に中学校一年生として同じ中学校に入学してる」

 翔一はそう言ってニヤニヤと笑いながら

「遊真に特別な感情を抱いたのはその頃かな~」

 と言った。

「う、うるさいな」

 そう言って遊真は照れながら翔一の手を握り、書類を置かせた。

「そう言えば翔一、最近ミカエルと特訓してるけど……何の特訓だ?」

「まぁ……色々と」

「色々?」

「そうだよ。 ちょうど良いから遊真もミカエル達の部屋に行こうよ。 相談したい事もあるから」

「分かった」

 遊真は翔一についていき、ミカエル達の部屋に着いた。

 ドアを開けると大天使達はトランプをしていた。

「また負けた~。 お兄ちゃん最後にそんな強いカード持ってるなんてずるい……」

「切り札は最後までとっとくもんだろ」

「むぅ……」

 ウリエルは拗ねるように頬をふくらませた。 そこで翔一と遊真に気付き、駆け寄って来た。

「聞いてよ! お兄ちゃん最後まで強いカード取っといて、それで最後に逆転するんだよ!」

「まぁ立派な戦術だと思うけど……」

「むぅ……」

 ウリエルは拗ねるようにミカエル達の元に戻り、遊真と翔一はガブリエルとラファエルに一礼してからソファーに腰をおろした。

「翔一、相談って言うのは?」

「新たな魔力についてさ」

 翔一はそう答え、話を続けた。

「前に遊真には教えたけど、エレメントの魔力を組み合わせる事覚えてる?」

「水を風で凍らせて氷にするとかか?」

「そう。 それを応用して新たな技を作り出す。 二人で魔力を合わせるんだ。 レノーラ曰く出来ない事は無いらしいから」

 翔一がそう言うと、ウリエルは首をかしげた。

「何かいいことあるの?」

 ウリエルの問いに翔一は頷いた。

「完璧にタイミングと魔力量が合えば威力が格段に上昇する。 会得しておいて損はないよ」

「何だか難しそうだなぁ……」

 ウリエルはそう言ってゴロンと横になった。

「明日学校で試してみよう。 他のクラスメートのみんなは僕達から基本的な事は聞いたはずだし」

「一応他のみんなにも話しておいた方がいいんじゃない?」

「そうですね。 一応話します」

 ガブリエルの提案に翔一は賛同すると、自分は一礼して部屋に戻って行った。

 ウリエルとガブリエルも城内を散歩しに行ったメイを探しに行った。

「遊真。 唐突だが君はメフィストの事をどう思ってる?」

 遊真も部屋から出ようとした時にラファエルに呼び止められた。

「どう……とは?」

「いや……すまない。 変なことを聞いたな。 今日はもう休んでくれ」

 そう言われ、遊真は一礼し、部屋から出ていった。

「どうした兄ちゃん?」

 ラファエルは少し黙った後、口を開いた。

「親を失った時に覚醒したって話はしたか?」

「その後兄ちゃんが親を殺した魔神族を瞬殺した事は姉ちゃんから聞いた」

 ミカエルはそう答えた。

「更にその後友達と会ってな。 そいつの言葉を思い出したんだ。

「何かを無くしてしまったことで、手に入れた物なんだろ?」

 って。 確かに極限状態やショックで覚醒する人はそこそこいるらしいがな」

「それがメフィストにも当てはまるって?」

「分からん」

 そう言ってラファエルはソファーから立ち上がるとカーテンを開け、夜空を見上げた。

「ただ……メフィストという魔神族も何かを捨てる気で勝負を仕掛けてきたら……厄介だな。 そう思っただけだ」



 翌日、遊真達はクラスメート達とは違う訓練室で夜に話した合わせ技の練習をしていた。

「思ってたより合わないな……」

「タイミングが合っても魔力の強さが合わないと意味が無いからね……」

「でも出来たら確かに威力は高いな」

「もう一回ペア作って練習しよ!」

 そう言ってウリエルは学校に連れてきたメイと再び練習を始めた。

 隣の訓練室では四人vs四人で試合を行っていた。真優は弘行の後ろに回り込みながら味方の援護を行い、弘行は真優の護衛 兼 接近戦の要になっていた。

「随分とチームワークを良くなったね」

 翔一もそう思ったらしく関心した様に言った。

「今日は早めに終わろう。明日の事もあるからな」

「分かった」

 ミカエルがそう言うと翔一は訓練室から出ると、クラスメート達の元に向かった。 ミカエルはウリエルとメイ達に帰る事を伝えている。

(明日結界を再び作り直す……か……)

 遊真は自分の親が出てきてしまったせいで結界が弱まっている事を思い出して額に手を当てた。

(母さんが戻れば問題解決な気がするんだけどな……)

 そんな事を思っている内に翔一は事情を話終えたらしく、クラスメート達は訓練室を後にしていく。 全員連日の訓練の疲れもたまっているらしくすぐ家に帰ると言っていた。

「遊真、城に戻るよ」

「あぁ……先に行っててくれ」

 ウリエルは首をかしげたが、翔一は察したらしくミカエルと共にウリエルを連れて訓練室から出ていった。

 遊真はまだ荷物を纏めている一人の女子生徒に声をかけた。

「真優」

 そう呼ばれて真優は振り返った。

「遊真君? どうしたの?」

「母さんが真優に会いたいって。 城まで来てくれるか?」

「うん……分かった」

 真優はそう言って鞄を持つと、遊真と一緒に歩き始めた。



「なぁ……ちょっと調べたんだけどさ」

 学校を出た所で遊真はそう話を始めた。 真優は不思議そうな顔をしている。

「真優と俺って小さい頃に会ってるのか?」

 遊真の言葉に真優は びくん と震えた。 そして小さくため息をついた。

「バレちゃった……? でも遊真君は確か記憶喪失じゃ……」

「そうだよ。 だから真優と小さい頃に遊んだ記憶は無いんだ。 まぁ三歳位の頃だから記憶喪失じゃ無くても覚えてるか怪しいところだが」

「私も正直言うと覚えてないよ。 だけど小学生の時に家の近くの公園で何回か遊んでくれた。 覚えてない?」

 遊真は少し考えたが首を横に振って、覚えてないと言った。

「その後遊真君は一人暮らしを始めてから会えなくなったけど、確か家は近くなったと思うよ。 中学生の時に帰り道で見つけたから」

「なにかと縁があるんだな」

 遊真はそう言ってちらりと真優の方を見た。

(特別な感情か……)

 遊真は翔一が言っていた事を思い出した。

「あ、あのね……」

 真優は再び少しもじもじとしながら話し始めた。

「私……小学生の頃に遊真君の事を遊真お兄ちゃんって呼んでた……みたいなんだ」

「へえ……歳上だったからか?」

「多分ね……。 あの……私もっと皆と仲良くなりたいから……またお兄ちゃんって呼んでいい?」

 真優の予想外の提案に遊真は驚いたが

「任せるよ」

 と答えた。

「ありがとう……お兄ちゃん」

 真優は少し照れながらそう言った。



 そして少し話して大分打ち解けた頃に城に到着した。 遊真は真優を連れて自分の部屋のドアを開けた。

「ただいま」

 中には結菜が一人で本を読んでいた。

「お帰り。 あら、その可愛い子が真優ちゃん?」

「うん。 連れてきたよ」

 遊真がそう言って真優は結菜に頭を下げた。

「あら、お帰り遊真」

 後ろから声がして遊真が振り返ると後ろにゼウスが立っていた。更にゼウスの後ろにはセレスがついている。

「えっと……お久しぶり……になるのかな?」

「そうね。 久しぶり真優」

 そう言ってゼウスは笑みをうかべながら真優の頭を軽く撫でた。

 セレスはゼウスに頭を下げると自分の部屋に戻って行き、ゼウスはベッドに腰をかけた。

「母さんが連れてきて って言ったんだっけ?」

「ええ」

 そう言って結菜は立ち上がると

「ちょっと二人で話をさせてくれる?」

 と言った。

 真優は頷くと結菜と共に部屋から出ていった。

 遊真はゼウスの近くに腰をおろした。

「何の話なんだろう」

「真優の親は母さんの友達だったからね。 その話だと思うけど」

「だった……?」

「亡くなってるのよ」

 ゼウスはそう答えた。

ヘラ(母さん)が結界を張った時の魔神族の攻撃でね」

「そうだったのか……」

 遊真は知らなかった事実に驚いたが同時にショックも受けた。

「そう言えば今日は随分と早い帰りだったわね」

「うん、皆疲れてたから。 俺はもうちょっと特訓してくるよ」

「明日は結界を張り直すからね。 疲れすぎないでよ」

「分かった」

 遊真はそう答えると部屋を出て庭に向かった。 庭では既に翔一が一人で突っ立っていた。

「翔一」

 遊真が声をかけると翔一は振り返り、そしてニヤニヤと笑い始めた。

「おや、真優の方はもう良いのかな?」

「今は母さんが話をしたいって母さんの部屋に行ったよ」

 遊真はそう答えると翔一の近くに向かった。

「今何をやってたんだ?」

「秘密」

 そう言って翔一は自分の口の前に人差し指をたてた。

「じゃあ僕は戻るよ」

 そう言って翔一は遊真が深追いする前にさっさと部屋に戻って行った。

(何か怪しいな……)

 遊真はそう思ったが今は気にしない事にした。

冬休みの課題に追われて中々執筆が出来ませんでした……


来年から受験生なので更に更新が遅くなるかも知れませんが

これからもよろしくお願いいたします。


ブックマーク登録が少し増えてました。ありがとうございます。m(._.)m


まだしてない方はぜひお願いいたします。

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