遊真vsウリエル
読んでいただけるとありがたいです。
「なぁ姉ちゃん。 姉ちゃんはベルゼブブはどのくらい苦戦したんだ?」
遊真は朝食であるパンを口に運びながら尋ねた。
「ほぼ相討ちだったわよ。 だから今回も貴方のサポートにはあまり行けないわね」
「そろそろ作戦を考えた方がいいかもね」
遊真はそう言って立ち上がった。
「いってらっしゃい」
「行ってきます」
遊真は城の外でミカエル達と合流し、学校に向かった。
初日の戦闘訓練から三日がたった。
「樹木束縛!」
弘行が床から樹木を生み出し、樹木が遊真に襲いかかった。
「いい感じじゃん」
そう言って遊真は飛び上がり、全て樹木を回避していく。
「今だ!」
弘行の合図で全員が手を遊真に向けた。
「光雷!」
六人が同時に雷を遊真に放った。
(流石に避けれないか)
遊真はシールドを作り出し、生徒達の攻撃を防いだ。 遊真は床に着地した。
「シールドとかありかよ……」
「反撃が無い分ましだろ?」
「そうだな……。 転がされるよりは」
そう言って弘行は遊真に向かっていく。
「自棄になるなよ?」
「分かってるよ!」
弘行が拳を振りかざし、遊真に拳を振り下ろすが遊真は簡単に弘行の攻撃を回避した。
すかさず周りの生徒達も遊真に遠距離から攻撃を仕掛けていく。
「連携もいい感じだな」
遊真は弘行の拳を受け止めると弘行を投げ飛ばした。 弘行は空中で体勢を整えて上手く着地した。
「まぁまぁ動きは良くなったな。 ちょっと休憩しよう」
そう言って遊真は他のメンバーを見に行く事にした。
遊真は翔一達の訓練室に目を向けると翔一達はそこにはおらず、ミカエル達のところにいた。 遊真はミカエル達のところへ向かった。
「合同練習か?」
「あ、遊真。 うん、一応生徒達をぶつけるのもありかなって」
「なるほどね」
そう言って遊真は今戦っている者達に目を向けた。
人類二位の平太とアポロンが戦っていた。 お互いに攻めと防御を繰り返しているがアポロンの方が優勢だった。
「アポロンは覚醒したら生徒達同士でやらすのは危険かもな」
「確かにそうだね。 天使族になるわけだからまだ生徒達じゃ相手は務まらない」
三人で話していると後ろから声をかけられた。
「遊真、続きやろうぜ」
「あぁ、今いくよ。 弘行」
遊真は翔一達と別れ、再び自分が担当している生徒達の元に戻った。
「あの……遊真君」
「ん?あ、真優。 どうかした?」
遊真はそう言った瞬間に真優の変化に気がついた。
(魔力が上昇してる……?)
「覚醒……したのか?」
「分からないけど……何だか凄く魔力が溢れ出る感じ……」
真優はそう言って笑顔をうかべた。
「なるほどな。 多分それは覚醒だ。 今までとは違う魔力も使えるようになってるかも」
「すぐ変化に気づくよ」
そう翔一が言った。
「翔一」
「気になったから来てみた」
そう言って翔一は真優以外のメンバーを見つめた。
「多分真優がこの中で一番乗りだね。 この中で一番魔力が高い」
「良かったじゃん」
そう遊真が言うと真優は嬉しそうに微笑んだ。
(どっかで見たことが……ある様な……)
遊真は真優の事をそう思いながら弘行達の訓練に戻った。
それから更に三日がたった。
「じゃあ任せるよ」
そう言って翔一とミカエルは外に出ていった。
「お兄ちゃん達最近みんなの訓練見ないよね」
ウリエルはそう言って遊真の横に立った。
「まぁアポロンも覚醒したし、人類も全員覚醒したしな」
「モモとルナも もう実戦でもちゃんと戦えると思うよ」
「確かにもうあんまり面倒見ることは無いんだよな」
遊真はそう言ってメンバー達に目を向けた。 生徒達はそれぞれ四人ずつに分かれてチーム戦をしている。
「そういえば遊真は真優ちゃんと仲良いの?」
「え……? 俺?」
「よくしゃべってるじゃん」
「そうかな……」
遊真はそう言って逃げるように訓練室に入った。
ちょうど弘行が平太に向かっていくところだった。
弘行が拳を振りかざし、平太は手を前に出した。
平太が風の刃を放つが、風の刃は向きを変え、弘行には当たらず、弘行は平太を殴り飛ばした。
「一本だな。 その辺にしときな」
遊真はそう言った。
「随分とものにしたな 弘行。 その身体強化」
「おう、最初は力のコントロール全然出来なかったからな。 でも流石は覚醒魔力。 力は段違いだな」
弘行はそう満足そうに言った。
「真優も大分慣れてきたな」
「うん。 ちゃんと狙い通りに出来る様になってきたよ」
「それにしても便利だよな。 真優の覚醒魔力」
弘行はそう言って小さくため息をついた。
「大幅な身体強化も悪くないだろ」
遊真はそう言うと、ウリエルが訓練室に入ってきた。
「ウリエル?」
「お兄ちゃん達二人で訓練室に入って特訓してたよ」
「マジかよ……。 俺だって特訓したいのに」
「ねえ……遊真。 私と一戦やろうよ」
ウリエルの一言に遊真は驚いた。 横にいた弘行と真優も驚いている。
「ウリエルちゃんと遊真君が戦うの……?」
「確かに見てみたいな……」
二人の意見に少し笑いながらも遊真は真剣な表情に戻り、ウリエルを見て言った。
「実力試しか?」
「うん。 今の私の究極魔力と遊真の想像世界。どっちが強いのかなって」
そう言ってウリエルは不敵な笑みをうかべている。
(確かにウリエルとはやった事無いよな……)
遊真はそう思って笑った。
「……いいぜ。 やろうか」
そう言って遊真は違う訓練室に向かった。 ウリエルも後をついてくる。
「二人とも大丈夫かな……」
「とりあえず同じ訓練室に入ったら死ぬな……」
弘行と真優は違う訓練室から遊真とウリエルの戦いを見ることにした。
「どちらかがまともに攻撃を食らったら終わりね」
「了解」
そう言って遊真はペンダントに触れた。
ペンダントが輝き始め、遊真も戦闘体勢に入る。
ウリエルは笛を取りだし口につけた。
「なんだか……私まで緊張してきた」
「同感だ」
真優と弘行以外の生徒達も全員が遊真とウリエルを見ていた。
「行くぞ」
遊真がウリエルに攻撃を仕掛けた。
一月三日までに後二話位更新します。
ブックマーク登録、ポイント評価等をしていただけるととても嬉しいです!お願いいたします。