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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「祖の魔力」と「究極魔力」
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魔力測定

読んで頂けるとありがたいです。

 ウリエルは黙ってメイを抱きしめた。

「ありがとうお姉ちゃん。 また助けてくれて」

 メイは笑顔でそう言った。 横ではガブリエルが嬉しそうに笑っていた。

「お姉ちゃん泣きすぎだよ」

 メイはウリエルの頭を撫でた。 まだウリエルは涙が止まらないらしく、メイを抱きしめている。

「良かったわ。上手くいって」

 ガブリエルがそう言うとウリエルはようやく顔を上げ、

「流石はお姉ちゃんだね」

 と言った。

「貴女が音楽でメイを癒やし続けたからよ。 私一人じゃ出来なかった」

「でも私だけでも出来なかった。 本当にありがとうお姉ちゃん」

 ウリエルはそう言ってメイから離れるとガブリエルに甘える様にくっついた。

「目が覚めたのか」

 そう声がして三人が目を向けるとドアの前にミカエルが立っていた。

「お兄ちゃん遅い~。 どこ行ってたの」

「ちょっと用事があってな」

 ミカエルはそう言って壁にもたれ掛かった。

「まぁこれで一安心ってところだな」

「ええ。 私もちょっと休むわ。 ミカエル達は学校に行くんでしょ?」

「学校……?」

 メイは首をかしげながら不思議そうに呟いた。

「そう、学校。 メイは行ったことないの?」

「うん」

 ウリエルの問いにメイは頷いた。 ウリエルはメイの頭を撫でながら言った。

「じゃあ連れてってあげる」

「本当!?」

 メイは目を輝かせてそう言った。

「連れて行くのは多分構わないけど、あんまり疲れさせちゃ駄目よ」

「うん。 分かった」

 ウリエルはそう言って大輝に許可を取るために走り去った。

「ミカエル。 さっきどこに行ってたの?」

「まぁ……ちょっと調べたい事があったから」

「調べたい事? 図書室にでも行ってたの?」

「うん……調べたい事は調べられたよ」

「ふぅん……。 なら良いけど」

 ガブリエルはそう言って立ち上がるとミカエルにメイを任せて部屋を後にした。

「それにしても本当に生き返るとはな」

 ミカエルは笑いながらそう言った。

「お姉ちゃんのお陰だよ」

 メイも笑いながらそう言った。 すると足音がしてウリエルが戻ってきた。

「メイ!大輝様が見学位なら良いけど人魚(マーメイド)はこの大陸にはいないから超注目されると思うから授業とかは止めといた方が良いって」

「分かった。 学校には行けるんだね」

「うん。 まぁでも明日は入学試験だけかな」

「入学……試験……?」

 メイは再び首をかしげながら不思議そうに呟いた。

「まぁ色々と話したい事もあるだろ。 ゆっくり話しな」

 ミカエルはそう言って部屋を後にした。

(姉ちゃんに怪しまれたけど……。 まぁ手に入ればこっちのもんだ)

 そう言ってミカエルは自分の懐に入っている真っ赤な果実を見て特に表情を変える事は無く、再び果実をしまった。



「入学試験ね……。 全員入学するのに試験っているのか?」

「大輝様曰くクラスを分けるらしいよ。 一応魔力が強い者には魔力の授業が多めのカリキュラムにするらしい」

「じゃあ俺達はそこなのか……それとももっと優遇されるのか……」

 ミカエルはあくびをしながらそう呟いた。

「ここか」

 遊真はそう言って足を止めた。

 目の前には三階建ての建物が三つ程並んでいる。 広いグラウンドには生徒達が集まっていた。 友達としゃべっている者。 本を読んでいる者。 特に何もせずに突っ立っている者もいた。

「何かあそこ人が群がってない?」

 翔一が指を指した方向には確かに人だかりが出来ていた。複数の男子が何かを取り囲んでいるようだ。

「何か不良っぽいな」

「いじめじゃなければいいけど」

 翔一は少し心配そうに人だかりを見つめている。 遊真は特に興味が無く、目をそらそうとした時、人だかりの中に赤い髪が見えた気がした。

 遊真はもう一度よく見ると人だかりの中にいるのは間違いなくウリエルとメイだった。 先程見えたのはウリエルの髪だった様だ。

「初日からナンパされてんぞ」

「確かに美少女だけどあんな奴等に渡したくないね」

「翔一……?」

 翔一は一人で人だかりに近づいていき、人を掻き分けてウリエルの手を掴むと瞬間移動で戻ってきた。

「ありがとう翔一。 何かすっごい誘われたんだけど……今度の学校が休みの日とか色々と」

「本当に人魚(マーメイド)って注目されるね。 私も色々と誘われたよ」

「まぁ全部無視でいいだろ」

 遊真は笑いながらそう言った。

「おい。 君……翔一だな?」

 後ろから声をかけられ、翔一が振り替えると一人の男が立っていた。 見た目からして人類だろうと遊真は思った。

「そうだけど……」

「そうか……いっておくが今回はほぼ差はつかない。 いや、僕が勝たせて貰うよ」

 そう言って男は去っていった。

「誰だ?」

「う~ん……誰だっけ……」

 翔一は腕を組んで思いだそうとしているが中々思い出せないらしく少し唸っている。

 結局翔一が思い出せないまま召集がかかり、遊真達は他の生徒と同じ一ヶ所に集まった。 台の上には大輝が立っていた。

「みんなおはよう。 私は人類王・大輝という者だ。 これから君たちにはこの装置を使って魔力測定をして頂く。 やり方は装置の前で魔力を最大まで高めてもらう。 ただ技を出す必要はない。 技を出す直前の魔力の強さを数値として表す。 これを参考にしてクラス分けを行う」

「魔力測定装置なんてあったのか」

「どこからか出してきたのか前々から作っていたのか。 どちらかだね。 中学校の時は試験官が肌で感じ取っていたからね」

 翔一は遊真の問いにそう答えた。 周りでは魔力測定という事に嬉しそうにしている者や少し憂鬱そうな者もいる。

「それでは始めてくれ」

 大輝がそう言うと四台用意された装置の前に生徒達はならび始めた。

 遊真は生徒達の数字を見た。

(48、62、55、70……数値の基準がよく分からないな……)

「おはよう」

 声をかけられ遊真が振り向くと大輝がこちらに向かって来ていた。

「おはようございます。 大輝様」

 四人は頭を下げた。 メイも少し遅れて頭を下げた。

「君たちは最後に測ってくれないか? 万が一装置が壊れては困るのでね」

「分かりました」

「大輝様、数値の基準って大体どんな感じなんですか?」

 ミカエルがそう聞くと大輝は 少し細かいが と言って話始めた

「人類の子供が大体10前後

 大人は100に届くかどうかと言ったところだ。 あくまで平均的な人はだが。

 サタンとの戦いに連れていかなかった人類は大体500~600。

 そして妖精族の子供が30前後。

 大人は500~600。 天使族なら大体1200程。

 女神族の子供が100前後。

 大人は1000程になる」

「確かに随分と細かいですね」

「ちなみに平均的な魔神族は1000になる」

「なるほど……確かにサタンとの戦いに連れていけない訳ですね。 1000に50やそこらで戦うなんて無駄死になる」

 遊真がそう言うと大輝は苦笑いをしながら頷いた。

「残念ながらこれが人と神の違いだ」

 大輝がそう言うと遠くがざわめき始めた。 遊真がそちらを見ると先程翔一に話しかけていた男が測定していた。 数値は200と出ている。

「あ、思い出した! あの子今期人類二位の子だ!」

「200か。 確かに少しはざわめく数値だな。 正直このまま見届けたいが私は城に戻る。 後は一哉の指示にしたがってくれ」

「了解です」

 翔一達がそう言うと大輝は学校を後にした。

「それにしても100を越える人はほとんどいないんだな。」

「妖精族は割りと……」

 ミカエルがそう言おうとした時、再び生徒達がざわめき始めた。

「見ろよ! あいつ400だって!」

「すっげえ……俺の五倍じゃん! あいつがトップだろ!」

 生徒は口々にあの妖精族がトップだの次元が違うだのと話をしている。

「妖精族は割りと100オーバーもいて、400なんて言うのもいるのか」

 ミカエルはそう言った。 遊真は先程の人類の男を見つけた。 少し悔しそうだがまだ二位なので割りと満足げだった。

 生徒達がどんどん測り終わり、遊真達の順番が回ってきた。

「俺先いくわ」

 そう言ってミカエルが先に装置の前に立った。

(魔力を……高めるんだったな)

 ミカエルが魔力を解放し、少し空気が震え始めた。

 数値が表示され、遊真は周りの生徒達を見て思わず吹き出した。 全員見事に口が開いている。

「7000……!? 何だよあいつ……」

「化け物じゃねえか……」

 生徒達はすっかり萎縮してしまっている。

「次は僕が行くね」

 翔一が装置の前で魔力を解放した。 再び装置の数字がどんどん上がっていく。

「5000……! あいつも化け物だ!」

「何だよあの二人!?」

 遊真は生徒達の驚きの声を聞きながら先程の男を探した。 遊真は男を見つけたが、男はかける言葉が無いほどにぐったりしていた。

(鬱病にならなきゃいいが……)

 遊真はそう思った。

「次は私~」

 ウリエルが楽しそうに装置の前に立つと後ろから歓声が聞こえてきた。 おそらく中心は先程の人だかりの者達だろう。

「あの子いくつだろうな……」

「低いんじゃないの? か弱そうだし」

 そう生徒達は呟いている。

(そんな訳ないだろう)

 遊真がそう思った矢先、ウリエルの魔力測定が終わり、数値が表示された。

「8000……」

「嘘だろ……」

 すっかり歓声が止み、変わりに先程よりも大きく口が開いていた。 遊真は笑いながら装置の前に立った。

(俺は多分サタンとかと戦う前だったら100もいかなかっただろうな)

 そう思いながら遊真は魔力を解放した。 装置が魔力を測定し、数値が表示された。

「12000……」

「五桁……」

 生徒達は連続で驚き過ぎて唖然としている。

「遊真が一位か」

「流石だね」

「私お兄ちゃんに勝った!」

「うるさい」

 ミカエルはおもしろくなさそうにウリエルに向かって呟いた。

「まぁ……明日から俺達はどういう目で見られるんだろうな」

 遊真は翔一達と笑いながらそう言った。

数値のところが読みにくかったかと思います。

申し訳ございません。


今まで漢数字で統一するようにしていたのですが今回の数値は漢数字では読みにくいと思ったので数字にしております。


最後にテストが近づいて来たので来週は更新が出来ないかもしれません……


これからもよろしくお願いいたします。

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