母との会話
更新が遅くなってしまい申し訳ございません。
中々執筆の時間がとれずにいます……
読んでいただけるとありがたいです。
「この人が……遊真の……?」
「母親……」
「綺麗な人……」
ウリエルが最後にそう呟くとガブリエルが一歩前に出た。
「では貴女が 元人類女王の結菜様ですか?」
「えぇ、その通りよ。 まぁ話は中でしましょう」
そう言って女性は城の中に入って行き、後から大輝とゼウスがついて行った。
「遊真。 何で親だって分かった?」
ミカエルが小声で遊真に尋ねた。
「何となく初めて会った気がしなかったからかな」
「かなり風格があるよね……。 ガブリエル様も元人類女王って言ってたし」
「綺麗な人だったね~」
ウリエルは楽しそうに後を走ってついて行った。
「気軽なもんだな」
遊真は少し笑いながらみんなの後をついて行った。
遊真達は 王達の会議 によく使われる部屋の席に着いた。
「結菜様、何故出てきてしまわれたのですか」
「気分転換よ」
「確かにお気持ちは分かりますが……」
大輝は結菜の対応に困っている様だった。
「何か困る事でもあるんですか?」
翔一がそう聞くと大輝は頷いた。
「結菜様が部屋から出てこられると結界の力が弱まってしまうのだ」
「え……それは何故……?」
「結菜様が特殊な部屋から結界の安定性を増す為に魔力を送って貰っていたんだ。
だから今は少し結界が不安定な状態にある」
「そうは言っても大輝君、私だっていつまでも魔力を送り続けるのはしんどいのよ?」
結菜がそう少し頬を膨らませて言った。
「まぁ分かりますが……」
「それに一回成長した子どもの姿を見たいものよ。 母親は」
そう言って結菜は遊真に視線を移した。
「本当に大きくなったわね。 遊真」
そう言って結菜は微笑んだ。そして席から立ち上がると
「遊真、ゼウス。 ちょっと話しましょう」
そう結菜は言うと大輝は話を進めておきます。 と言って遊真の方を見て頷いたので、遊真はゼウスと一緒に結菜の後をついて行った。
「本当に気分転換だけで出てきたの?」
「それと子どもと会うためね」
ゼウスの問いに答えながら結菜は庭に生えている大きな木の下のベンチに腰をかけた。
「でも流石は私の子どもね。 随分と強い魔力を感じる」
そう言って結菜は再び遊真に視線を移した。
「まぁ……色々あったし……」
遊真はぼそぼそとそう言うと目線をそらした。
「遊真、そんなに固くならないの。 私もいるんだし」
そう言ってゼウスは笑いながら遊真の横に立った。
「心配なんてしなくても私は貴方の産みの親よ。 育ての親とは言えないけどね」
そう言って結菜は少し悲しそうに微笑んだ。
「遊真、ゼウス。 私が眠っている間に何が起こっていたのか教えてくれる? 向こうの大陸にも行っていたみたいだけど」
「分かった」
そう言ってゼウスは遊真の手を握り、一緒にベンチに腰をかけた。
ゼウスはまだ遊真が中学校にいた頃の話を始めた。 ゼウスは自分が女王になって間もない頃はまだまだ皆に頼りっぱなしだった事や、セレスやアテナという女神族にずっと助けて貰っていた事等、遊真自信も知らない様な話だった。
そしてゼウスが遊真がミカエルとの模擬戦を行った時の話を始めた。
「その時に弟かと思ったけど悪魔族に拐われたと聞いてたから淡い希望程度にしか考えていなかったけどね」
「それで実際に弟の遊真だった訳ね」
「えぇ。 遊真から何となく女神族の魔力を感じたから。 それで遊真だと確信したわ。」
そう言ってゼウスは少し微笑みながら遊真に視線を移した。
「俺も姉ちゃんに会った時に初めて会った気がしなかったよ」
「今回もそんな気がした?」
「割りとね」
そう言って遊真は結菜に視線を向けた。
「いつはぐれたの?」
「遊真がまだ三歳だった頃よ。 私はヘラと共に結界の準備や戦闘の最前線で戦っていたから貴方の側にいてあげる事が出来なかった」
「その後は結界を安定させる為に魔力を使って自らを眠りにつかせ、余った魔力を結界に送り続けた」
結菜の話を継ぐ様にしてゼウスが言った。
「でも出てきちゃったのか……?」
「遊真までそんな事言わないでよ。 気分転換だってば」
そう言って結菜は少し頬を膨らませて向こうの大陸の話を聞きたがった。
遊真とゼウスはまずサタンとの戦いの話をした。 サタンが分裂して片方はゼウスが倒し、もう片方は遊真が「想像世界」の魔力に目覚め、サタンを倒した事。
この話は結菜は嬉しそうに聞いていた。
そしてその後 人魚のメイと出会い、向こうの大陸に行くことになり、巨大な魚に乗り向こうの大陸に行った事。 その魚は海洋神だった事。 これには結菜も驚いた様だった。
そして遊真はベルゼブブと戦った事を話した。
「正直あそこまで歯が立たないとは思いもしなかったよ……」
「ベルゼブブか……。 確かにあいつは一筋縄では行かないわね。 私も何回か戦った事はあるけど「言霊」の力を完璧に使いこなしてるし、それにヘラが使っていた「絆魔力」まで……」
「しかも使う獣の力が幻神獣っていう伝説の獣の力を使うからね」
「なるほどね……随分と厄介な存在ね。 それで遊真はどうしたの?」
遊真はその後ミカエル達の力も借りて撤退するとケンタウロスのロケスに助けて貰い、特殊な空間で特訓したこと等を話した。
ゼウスは納得した様に
「だから遊真が想像世界の力を使いこなせる様になってた訳ね」
と言った。
「俺は主に想像世界の力を使いこなせる様に特訓したからね」
その後再びベルゼブブと戦った事。 そして翔一の体からメフィストが出てきた事を話すと結菜は立ち上がった。
「メフィスト!?」
「やっぱり知ってるんだな」
結菜はため息をつきながら再びベンチに腰を下ろした。
「復活したのか……。 随分と厄介な いや、一番厄介な奴が復活したわね……」
「あんな奴がいるとは思いもしなかったよ。 「祖の魔力」を全て使える奴がいるなんて」
遊真の言葉を聞いて結菜は頷いた。
「私もあいつと初めて会った時は本当にそう思ったわ。 反則みたいな物よ」
「でも俺と姉ちゃんの親のヘラって女神族も……」
遊真がそう言うと結菜は笑いながら言った。
「確かにあの人も化け物ね。 歳をとってブランクもあって「祖の魔力」を失った状態でベルゼブブを退けるんだから」
「それは……かなりの化け物だね……」
「遊真とゼウスはその血をひいているのよ?」
結菜は再び笑いながらそう言った。
「あと今のメフィストは金色竜神の絆魔力も使ってくるわ」
ゼウスがそう言うと結菜は驚いた様に声を上げると再びため息をついた。
「じゃあ今太刀打ち出来る人はいるの?」
「私でも足止め程度、遊真が絆魔力を使用してもまだ及ばないわ」
「二人がかりで五分五分ってところかしらね……。 よりによってメフィストが出てくるとは……」
結菜はそう言いながらゆっくりと立ち上がった。
「部屋に戻りましょう。 この事は大輝君達にも伝えないと」
そう言って結菜はゆっくりと部屋に向かって歩き始めた。
遊真とゼウスは親の後を追って歩き出した。
「遊真とゼウスでも敵わない?」
「冗談みたいな魔神族がいたのね……」
大輝とガブリエルはため息混じり呟いた。
「そいつらはこの街に攻めてくるのか?」
ラファエルが聞くとレノーラが頷いた。
「この街に攻めてくるかどうかは分からないけどこちらの大陸に攻撃を仕掛けてくるのは確実です」
「根拠はあるのか?」
「メフィストは女神族を強く恨んでいる。 必ず復讐に来るはず。 それに遊真を野放しにしておいて良いことは無い」
「だから両方潰せるこちらに来ると……」
「さすがにいつ来るのかまでは分かりませんが……。 メフィストも女神族がいる事が分かっているならこちらの戦力が大きい事は分かっているはずです。 準備をしてから仕掛けてくるでしょう」
大輝はその話を紙に書き留めると懐にしまい、話を始めた。
「とりあえずこの件は保留にしておこう。 今住民にこの話をするのはパニックを引き起こす事になりかねない」
「それもそうですね。 変にパニックになるよりはまだ黙っていた方が良い」
大輝とゼウスの言葉に全員が頷くと、大輝が また明日の夕方に と言って部屋を後にした。
「じゃあ私達も自分の部屋に戻りましょう」
そうゼウスが言って遊真が立ち上がって歩き出そうとした時にミカエルに呼び止められた。 同様にして結菜の横ではレノーラが翔一に呼び止められていた。
二人は全く同じことを遊真とレノーラに聞いた。
「「一つ聞きたいことがある」」
先日修学旅行から帰って来ました。
その疲れもあってか中々執筆が進まず……と言った感じです……
出来る限り執筆して最低でも二週間に一回は更新していきます……!