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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「絆魔力」と「神と呼ばれし獣達」
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究極魔力

遅くなりましたが投稿致します!


読んでいただけるとありがたいです!

 ウリエルはゆっくりと立ち上がった。そしてメイの唇にそっとキスをした。

(もう少し待ってて)

 そしてウリエルは再び立ち上がるとゴーレムの横に立った。

「ゴーレム、壁を解除して。 後は私がやるから」

「ゴーーー……?」

「何を言ってるウリエル?君はまだ……」

 デュークはそう言いかけてある事に気づき、言葉を止めた。

(ふらついていない……?)

 そうデュークが感じた通り、ウリエルの足どりはしっかりとしていた。

「私は大丈夫」

 そう言ってウリエルは懐から笛を取り出した。

「ゴーレム、解除を」

 ロケスがそう言うとゴーレムは頷き、自分達を守っていた岩を元に戻した。 ゴーレムが壁を解除したのと同時にウリエルは笛を吹き始めた。

「出てきたか……!」

 マーメイド達は攻撃をウリエル達に向けて放った。 しかし攻撃はウリエル達に当たることは無く、全て軌道を変え、周りの地面に当たった。

 マリー達は驚いたが攻撃を続行するが結果が変わることはなかった。

「一体何を……」

 ただウリエルが笛を吹いているだけでマリー達の攻撃は一切届かなかった。

 ウリエルが吹く曲を変えた。 するとウリエルの周りに中に黒い音符の形をした物が入っている小さな透明の玉が周りにでき始めた。

「あれで攻撃するつもり……?」

 マリーが身構えた瞬間に一人のマーメイドの目の前に玉が一瞬で移動し、目の前で弾けた。 するとそのマーメイドは地面に向かって落ちていった。

「は……!?」

 次々とウリエルの周りの音符の玉が放たれ、マーメイド達の前で爆発する。 マリーは目の前に来た瞬間に玉から離れた。

(爆発に殺られているんじゃない……一体何が……?)

 また次々とマーメイド達が地面に落下していく。 その時にマリーは「音楽」が聞こえた気がした。

(あの玉の中に音を閉じ込めて爆発させる事によって玉の中の音楽を流すってこと……?)

 既にマリー以外のマーメイドは全てやられていた。 浮いているマーメイドはマリーだけであった。


「……何あれ? あんな魔力始めて見たぞ……ウリエルの「覚醒魔力」って「魅了(プリティチャーム)」じゃ無いの!?」

「俺だって始めて見る……。 でもあれは「魅了(プリティチャーム)」じゃ無い……」

 ミカエルと翔一は少しパニックになっていた。 ロケスとデュークもウリエルの強さに唖然としている。 ただレノーラだけは皆と少し違う反応をしていた。 レノーラはミカエルの方を見ると言った。

「ねぇ、ミカエル。 あれはウリエルの「覚醒魔力」では無いの?」

「うん。 ウリエルの「覚醒魔力」は笛の音色で自分を可愛く魅せる幻術の類いの魔力だ。 最強の技でも笛の音色を聴いた者の命を直接奪う事が出来たがあんな風には……」

「凄い……初めて見たわ。 覚醒魔力を真に引き出した子を」

「真に……?」

 翔一は不思議そうな顔をしてレノーラに聞いた。 レノーラは頷くと説明を始めた。

「簡単に言うと貴方達の普通魔力の強化以外の「覚醒魔力」は不完全なの。

 勿論目覚めるだけでも強力なのは確かよ。 でもその魔力を百パーセント発揮は出来ないの」

「じゃあ翔一の瞬間移動(テレポート)も俺の絶対防御(パーフェクトシールド)も完璧じゃないのか?」

「少なくともウリエルの様な大幅な「覚醒魔力」の変化が無い限りはまだだと思うわ。 私は貴方達の「覚醒魔力」を良く知らないから確信は持てないけど……

 私が生きてきた中で真の覚醒魔力。 「究極魔力」を使える者は本当に初めて見たわ」

「「究極魔力」……」

 ミカエルはそう呟いた。


 ウリエルが笛を吹きながら戻ってくる。 不思議と音は聴こえない。 変わりにウリエルの周りに音符の玉が生まれていく。 ウリエルは笛を吹くのを止め、笑顔でミカエルに抱きついた。

「ちょ……! てかお前なんだあの魔力!?」

「えへへ~。 凄いでしょ♪ 正直自分でも驚いてるけどね♪」

「本当に凄いわウリエル」

 レノーラは感心した様に頷きながらそう言った。 しかしいきなり後ろから爆音と共に爆発が起こった。 湖がある方角である。

「遊真……」

 翔一は立ち上がろうとしたがふらつきロケスが翔一を支えた。 ロケスが支えていなかったら倒れていただろう。

「みんな私が回復させるね」

 ウリエルがそう言って再び笛を吹き始めた。 不思議と心が落ち着き、疲れがとれていく様だった。 体の傷も段々と癒えていく。

 途中マリーが攻撃を仕掛けてきたが疲労のためか海洋邪神(クラーケン)の「絆魔力(リンク)」を使っていなかった為、簡単に音符の玉がマリーの攻撃を防いでいた。 みんなの体力が回復したところでウリエルは笛を吹くのを止めた。

「みんなは遊真の方に行ってあげて。 ここは私がやるから」

「俺も残る」

 そうミカエルは言った。 ウリエルは少し頬を膨らませたが安心した様に笑うと

「心配性なんだから」

 と言った。

「僕は遊真の方に行くよ。 行っても何も出来ないかも知れないけど……それでも行くよ」

「私も行く」

 翔一とレノーラはそう言った。 デュークとロケスは目を合わせたがデュークはため息をついて言った。

「止めても無駄そうだな……。 だが死ぬなよ……。

 私とロケスは自分達の都市へ向かう。 増援が来るのが遅いのは既にマーメイド達に襲われている可能性があるからな」

「危なくなったら飛んで戻ってこいよ翔一」

 翔一は頷くとレノーラに手を差し伸べた。 レノーラは翔一の手を握った。

「待って翔一!」

 ウリエルがそう言って翔一の胸元に手を押し当てた。

「お兄ちゃんも!」

 そう言われミカエルも翔一の横に立った。 ウリエルはもう片方の手をミカエルの胸元に押し当てた。

「私の力でお兄ちゃんと翔一の「覚醒魔力」の力を百パーセント引き出す!」

「「えっ……!」」

 特にミカエルと翔一の答えというか反応などを見ることも聞くこともなくウリエルは翔一のミカエルの体に魔力を流し始めた。

(なんだ……なんか変な感じだ。)

(自分の中で扉の鍵が外れる様な感じだ……)

 そんな事を感じている内にウリエルは手を離した。

「これで使えるはずだよ。 でも使えるのは一回だけ!」

「え!? 一回!?」

「一回使ったらもう使えないの!?」

 二人の反論にウリエルは頬を膨らませた。

「使えるだけ凄いじゃんか~!」

 そう言ってぽかぽかと翔一とミカエルを叩いた。

「ごめんごめん。 ありがとうウリエル」

「まぁ……使えるならいいか……」

 ウリエルは後ろを向くと髪の毛を弄りながら申し訳なさそうに呟いた。

「……効果は私にも分かんないけど……」

「「ぶっつけ本番かよ!?」」




 爆風が巻き起こり周りの木々がなぎ倒されていく。山は崩れ、湖の水は全て蒸発し、クラーケンの死体などまるでなかったかの様に足の部分が少しあるだけだった。

「はぁ……はぁ……」

「はぁ……この……!」

 ベルゼブブと遊真は息を切らし、お互いに少しふらふらしている。

 遊真の体力は限界を越えていた。 もはや気力でなんとか繋ぎ止めている状態であった。 そして「想像世界(イマジネーション)」はタイムリミットを過ぎており、いつ切れてもおかしくない状態である。

 ベルゼブブも「絆魔力(リンク)」を使いすぎており、体力の消耗が激しい。 絆魔力(リンク)は今 不死鳥(フェニックス)を使っており、「言霊(ことだま)」の力は全て攻撃に回していた。

 二人は再び睨みあうとお互い攻撃を放ち、相殺し、肉弾戦が始まる。

 遊真とベルゼブブの戦いは遠距離の攻撃は一瞬で消されてしまう為、遠距離で攻撃を続けても体力を無駄に消耗してしまうので肉弾戦になる事が多いのである。

 遊真の拳がベルゼブブをとらえ、ベルゼブブの蹴りが遊真をとらえ、二人はお互いに吹っ飛んだ。 だがすぐにお互い立ち上がり再び肉弾戦に戻る。

 しかしここでベルゼブブがふらついた。 ベルゼブブが一瞬光に包まれたかと思えば、ベルゼブブはもとの姿に戻っていた。

(「絆魔力(リンク)」が……!)

 遊真はこの一瞬を逃さなかった。

神の衝撃(ゴットインパクト)!!」

 遊真の拳がベルゼブブの腹部をとらえ、ベルゼブブは吹っ飛んだ。

「終わりだ!」

 遊真はベルゼブブに飛びかかろうとしたが目の前にレヴィアタンが現れた。

(な……! いや、こいつは一旦無視だ!)

 遊真はレヴィアタンをかわし、ベルゼブブに向けて巨大な炎の玉を放った。 だが炎の玉はベルゼブブの目の前に立ちはだかったアイモデウスに相殺された。

(こいつら……魔力を溜めていたのか……!)

 レヴィアタンが遊真に襲いかかるが遊真は目の前に溶岩を作り出した。

万物融解(メルト)!」

 溶岩がレヴィアタンを包み込み、溶岩が消えた時にはレヴィアタンの姿も消えていた。

「お前……! やってくれたな!」

 既にベルゼブブは自分の体の傷を治していた。

「貫け!」

 巨大な槍が現れ、遊真に襲いかかった。

 遊真は槍を消そうとした。 消えるイメージをした。 しかし槍は消えなかった。

(何で……!?)

 槍の向こう側でベルゼブブが笑っているのが一瞬だけ見え、遊真は自分の胸元を見た。

 ペンダントはもう……輝いていなかった。

 槍が地面をえぐり爆風を放ち、遊真は地面を転がった。 立ち上がろうとするが体に激痛が走り、地面に吐血した。

「時間切れだ。 遊真」

 ベルゼブブは息を切らしアイモデウスに支えられながら立ち上がった。

「く……そ……!」

「あぁ、時間切れってお前の「想像」の魔力がきれたのもそうだが……。

 あいつも魔力が溜まりきったって意味だぜ?」

 ベルゼブブは笑いながらそう言った。

 遊真は まさか と思ったがその まさか であった。 遊真の視線の先には光が消え、メフィストが地面に降り立っていた。 遊真はそれを見て、一つの事を悟った。

(……マジで死ぬな……こりゃ……)

このサブタイトルはもしかしたら変えるかも……

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