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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「絆魔力」と「神と呼ばれし獣達」
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新たなる力

読んでいただけるとありがたいです。

 アイモデウスとレヴィアタンの拳がロケスとデュークに向かって突き出される。

 ロケスは二人の拳を剣で防ぎ、後ろでデュークが飛び上がり、二人に爪による斬撃を加えた。

 二人はガードしながら後ろに下がるがあまり効いている様子はない。

「こいつらパワー半端無いぞ……」

「防御力もな」

 デュークはロケスの横に着地しながらそう言った。

 再びアイモデウスとレヴィアタンがロケスとデュークに向かって来た。 二人は回避しようと左右に避けたがデュークは後ろに何かを感じ、後ろを向いた。

「俺を忘れてもらっては困るな」

 背後に回り込んでいたベルゼブブがデュークを殴り飛ばした。

「デューク!」

 ロケスは叫んだがロケスも吹っ飛ばされた。

「二度目ね」

 ロケスを吹っ飛ばしたのはクラーケンだった。

「くそ……!」

「頭数でも不利だな」

 ベルゼブブは笑いながら巨大な炎を作り出し、ロケスとデュークに放った。

 二人は左右に別れて回避したが、既にアイモデウスとレヴィアタンが回り込んでいた。 二人は吹っ飛ばされ、クラーケンとマリーの追い打ちをくらった。

「次はどうする?」

 ベルゼブブは再び巨大な炎の玉をロケスとデュークに放った。

「どうする……!?」

「打ち消すしか無いだろ!」

 ロケスは剣を振り、斬撃を飛ばし、デュークは闇の玉を放ち、炎の玉を相殺した。 しかしまたしても既にアイモデウスとレヴィアタンはロケスとデュークの隣にいた。

(またか……!)

 ロケスとデュークは防御しようと手を前で組んだ。 しかし吹っ飛んだのはアイモデウスとレヴィアタンだった。

「え……!?」

 一瞬起きた事が理解できなかったがマリーはクラーケンと共にロケスとデュークに一撃をくわえようと攻撃を放ったが攻撃はロケスとデュークには届かなかった。

「……来たか」

 ベルゼブブはそう呟いてロケスとデュークの方を見た。 ロケスとデュークの横にはレノーラと翔一が。 少しだけ離れた所にウリエルとミカエルが立っていた。

「大丈夫か?」

 そう言いながら遊真は二人に駆け寄った。

「良かったよ。 皆を途中でひろえて」

 そう言って翔一は笑顔をうかべた。

「遊真。 翔一。 ミカエル。 ウリエル。 そしてレノーラ。 中々のタイミングだ!」

「反撃と行こう」

 遊真は頷きながらペンダントに触れ、デュークとロケスの肩に手を置いた。 次の瞬間にはデュークとロケスのキズは全て消えていた。

「やれやれ……。 あれだけ圧倒的な力を見せつけたにも関わらずまた挑んで来るとはな……」

 ベルゼブブはため息をつき、右手を上げた。 そしてニヤリと笑い、指を パチン と鳴らした。

「来い。 竜神(ドラゴン)

 上空に巨大な影が現れ、地面に着地した。

 一匹は鱗は赤く、体に比べ翼は大きい。 明らかに見た目は強そうには見えないがあの「竜神(ドラゴン)族」には違いない。

 もう一匹は青色の鱗でこちらは体が大きく、翼が小さい。 飛べそうにない翼である。

「何故 竜神(ドラゴン)が……」

 ベルゼブブは笑いながら答えた。

「何、頑張って生き残りを見つけたのさ。 この二匹の竜神(ドラゴン)の場所に目星をつけたからお前達に宣戦布告でもしに行こうかと思ったらその子供(ガキ)どもに会ったわけだ」

「そして一応体を休めてから宣戦布告に来たわけだ」

 遊真はそう言った。ベルゼブブは話を続けた。

「ご名答だ。 後はアイモデウスとレヴィアタンと共に竜神(ドラゴン)を弱らせてレヴィアタンの魔力で催眠をかけて俺らの仲間にしてついでに契約させて貰った」

「心を操ってんのか……相変わらず外道な奴だ。 まぁ俺が一番驚いてんのはマリー姫。 貴女がそちら側にいることだ」

 ミカエルはそう言ってマリーとメイの方を見た。 マリーはミカエルを睨み返すがメイは視線を泳がせている。

「別に前から決めていた事です。 今更どうこう言われようと立場を変える気はない」

「その怪物がクラーケンか?」

「見れば分かるでしょう」

 翔一の問いに冷たく答え、マリーはクラーケンの上に戻った。 横ではメイが下を向いている。

「さて。 役者も揃ってしまった様だし……こちらもこの二匹とこいつも使わせて貰うぜ。」

 ベルゼブブがそう言ってもう一度指を鳴らすと羽音を立てながら四十匹近くの虫が現れた。 そして横にはゴーレムの様な体型で岩ではなく肥大した肉で覆われた二匹の生物が現れた。

「このでかいのがオーガと言ってな。 ゴーレムの亜種みたいなもんだ。 そしてこいつらはそうだな……魔虫族とでも呼ぼうか。 力はお前達が向こうで戦った魔神族の幹部達にも劣らない。 オーガに至っては攻撃力だけならベリアルにすら匹敵する」

 ベルゼブブはそう言ってニヤリと笑った。

「あいつらを全て倒すとなると……難しいな」

 ロケスはそう言って剣を構えたが遊真がロケスの腕に手を置き、ロケスの手をゆっくりと下げた。

「俺がやる。 皆は少し下がってて」

 そう言って遊真は前に出た。

「遊真……!? 相手の数を分かってるのか?」

 ロケスはそう言って遊真へ近づこうとしたがミカエルはロケスの前に手を出して止めた。

「今の遊真(おまえ)がそう言うなら大丈夫なんだろう。 ただ危ないと感じたらすぐに援護するぞ」

 ミカエルの言葉に遊真は微笑むと、親指を立て、腕を横に出した。

「……行け」

 ベルゼブブがそう呟いた瞬間に四十匹近くの虫とオーガが一斉に襲いかかった。

 遊真は足を肩幅に開いた。 それ以外は特に構える様子はない。 既にペンダントはロケスとデュークの体を治すときから輝いている。

絶対死領域(デスゾーン)

 そう遊真が言うと遊真を中心に半径五メートル程にいた四十匹近くの虫が一匹残らず地面に落ちた。

「オ……!?」

 オーガは怯み、一瞬動きが止まった。 その時には既に遊真は二匹のオーガの懐に入っていた。 遊真はオーガの腹部に軽く手を置いた。 少し触れる程度である。

神の衝撃(ゴットインパクト)

 次の瞬間凄まじい爆風と共にオーガの姿は消えた。

 ベルゼブブは舌打ちをすると後ろを向いた。 後ろには三キロ程の距離に巨大な木が数本立っていた。 アイモデウスとレヴィアタンもベルゼブブの真似をするように後ろを見た瞬間、オーガがその巨大な木に打ち付けられた様に激突した。 そのまま木が倒れ、オーガの姿は見えなくなった。

「な……!?」

「一瞬であそこまで吹っ飛ばした……?」

 アイモデウスとレヴィアタンは驚きの声を上げ、ベルゼブブは黙って遊真に向き直った。

「近くの敵ならば直接 死 を与えられる様になったか……。 そしてオーガを一瞬で約三キロ先まで吹っ飛ばす攻撃力を再現できる程に魔力が上昇している……」

 ベルゼブブはそう呟くと、レヴィアタンがベルゼブブの前に出た。 レヴィアタンはベルゼブブを見て

「オーガは私の大事な駒だってのに。 ベルゼブブ丁重に扱えって言っただろう……!」

 と言った。

「よせレヴィ。 ベルゼにも予想外だったんだろう。 あの子の強さは異常だ」

 アイモデウスがそう言うとレヴィアタンは少し悔しそうな顔をして、ベルゼブブの横に立った。 遊真は翔一達の元へ戻った。

「す……凄いね遊真……」

 翔一は無理矢理笑顔を作りながら遊真と手を合わせた。

「サンキュ。 翔一顔ひきつってないか?」

「そりゃあんなもん見せられたらビビるわ」

 ミカエルも横で少し笑っているがウリエルは暗い表情をしていた。

「ウリエル。 メイの事が気になるのは分かるが今は戦闘中だ」

「……分かってる」

 ミカエルの言葉に少し顔を上げてウリエルはそう答えた。

「にしても強いなあの子。 ベルゼ以外は無理だな。 いくら人魚姫が海洋邪神(クラーケン)の力を使おうがあそこまでは……」

「もちろん俺があいつとやるさ。 向こうもそれを希望しているはずだ。 リベンジってこともあるだろうがな」

 ベルゼブブはそう言ってアイモデウスとレヴィアタンを見て言った。

「お前達は「絆魔力(リンク)」を使ったままあの後から来た子供(ガキ)どもを殺れ。 竜神(ドラゴン)にはケンタウロスとヴァンパイアを殺らせる。 マリー、お前はどうする?」

 そう言ってベルゼブブはマリーの方を見た。

「私はあの赤髪の女の子をやるわ。 この子の友達だったらしいから相性はいいと思うわ。 銀髪の子も私が殺りましょうか?」

「あの女は俺も実力はわからん。 一応俺があの「想像」の奴と一緒に纏めて殺る」

「でもこちらにはクラーケンがいますからクラーケンに殺らせるのもありですが……」

 ベルゼブブは一瞬考えてから

「ならば軽く相手をする。 お互い援護をする形にしよう。 向こうもその作戦でくる可能性が高い。」

 と言った。

「私がメイとやる」

 ウリエルはそう呟いた。

「向こうにはクラーケンとマリー姫がいる。 最悪の場合三対一だぞ」

 ミカエルがそう言うと

「大丈夫」

 とウリエルは言い切った。 ミカエルはため息をついてからウリエルの頭に手を置き

「冷静に戦えよ」

 と言った。

「危なくなったら助けにいくよ」

 翔一も笑顔でそう言った。

「来るぞ」

 遊真がそう呟いた瞬間に目の前に巨大な炎の玉が放たれた。 遊真が手を前に出し、炎の玉を消した。 すぐさまベルゼブブが現れ、遊真を蹴飛ばした。 遊真はしっかり防御して木に着地した。 アイモデウスが翔一、レヴィアタンがミカエルに襲いかかった。 竜神(ドラゴン)もロケスとデュークに向かっていく。

水槍(アクアランス)

 マリーが水の槍を放ち、ウリエルに水の槍が襲いかかった。 ウリエルは防御魔力で防ぎ、ブレスレットに触れた。 ウリエルが光に包まれ、マリーはクラーケンの場所に戻った。 レノーラは一瞬ウリエルを見てから遊真とベルゼブブの元へ向かった。既に戦闘は始まっていた。

 光がはれ、ウリエルの体に少し黒い犬の様な毛が生え、黒い犬の尻尾が生えていた。 口元には吸血鬼(ヴァンパイア)の様な牙が見える。

「「絆魔力(リンク)地獄の番犬(ケルベロス)」!」

 ウリエルはマリーに飛びかかった。 下からクラーケンの足が迫るがうまくクラーケンの足を蹴り上がりマリーに接近した。

「こざかしい……!」

 マリーは再び水の槍を放つがウリエルは全てかわしていく。 ウリエルがマリーに拳を突き出すとマリーはメイを盾にした。

「っ……!」

 ウリエルは攻撃を止め、クラーケンの足を蹴り、陸地へ戻った。

「メイ……何で魔神族の味方に……」

「違うの…………私は嫌だけど……」

 メイがそう呟くとマリーがメイの腹に拳を叩き込んだ。 メイは咳き込みながらうずくまった。

「誰がうずくまって良いと言った? さっさと立ち上がって私の盾になりなさい」

 マリーはそれが当然だと言わんばかりの口調でメイの顔を蹴りながらそう言った。

「あいつ……!」

 遊真も一瞬マリー達の方を見て歯ぎしりをした。

「正に外道だね」

「妹にあんな事するとはな……しかも姉が……」

 翔一とミカエルも静かに怒りの炎を燃やしていた。 しかし誰よりもマリーに苛立っているのはウリエルであった。

「止めろこの外道女!!」

 ウリエルは再びマリーに殴りかかった。

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