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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「絆魔力」と「神と呼ばれし獣達」
46/96

竜神族

読んでいただけるとありがたいです。

「じゃあ行ってくる」

 ミカエルは水を飲み干し、ロケスにそう言った。

 今、ロケスの馬車に遊真とレノーラとミカエルが乗っていた。

 場所は草原の都市の結界内ギリギリの場所である。

「遊真の場合はゴーレムの山の近くにも綺麗な川はある。 飲み水には困らないだろう」

「じゃあ俺は無いのか?」

 ミカエルはそう聞いた。

「ミカエルは結界外だからな……。 しかし湖等も無いわけじゃ無い」

「でも俺よりはこの都市に近い場所なんじゃないかな?」

 遊真がそう言ったが

「いや、飽くまで方角が分かるだけだ。 距離はとても遠い可能性がある」

 とロケスが言った。

「いや、問題無いな。 別に喉が渇いたら(ウオーター)の魔力を使えばいいしな」

「まぁそうだな」

 ミカエルは遊真に拳を出した。

「じゃあな遊真。 また今度な」

「あぁ。 じゃあな」

 ミカエルは矢印が指している方角へ向かって行った。

「じゃあ行くぞ」

 ロケスは再び走り始めた。 リズミカルに少し馬車が揺れる。

「そういやロケスは何か獣と契約したのか?」

「俺はしてるぜ。 内容はトップシークレットだ」

 ロケスは笑いながら言った。

「レノーラは?」

「私はまだしてないわ。 いつか出来ると良いけどね」

「そうだな」

 遊真は笑顔をうかべながら言った。 レノーラも笑顔で返した。

「着いたぞ」

 ロケスがそう言うとゴーレムの山に到着した。

「じゃあ俺も行ってくる」

 遊真はそう言って馬車から下りた。 するとレノーラも馬車から下りた。

「私も行く」

「一緒に来てくれるのか?」

「うん。 いいよねロケス?」

 レノーラの問いにロケスは頷いた。

「あぁ。 別に構わない。 腕を鈍らせないならな」

「勿論分かってるわ。 遊真は任せて」

「分かった。 じゃあな遊真。 強くなれよ!」

「勿論!」

 遊真は走り去っていくロケスに手を振り、ロケスの姿が見えなくなるまで続けた。

「じゃあ行こう遊真」

「うん」

 遊真はレノーラと共にゴーレムの山の洞窟に入って行った。 中は暗いが、天井は高いので頭を打つ事は無さそうだ。 今 遊真とレノーラは炎の玉の灯りを頼りに進んでいた。

「ねぇ遊真。 先に部屋に入るの? それとも先に契約できる獣を探しに行くの?」

「うーん とりあえずゴーレムにこの山にいる獣の種類を聞こうかなって思ってる。 弱そうな獣の力ならベルゼブブには勝てないだろうし」

「なるほどね。 でも、ゴーレムは「幻神獣」と「神獣」の居場所は知らないと思う。 私も知らないし……」

「やっぱり神と呼ばれし獣達は格が違うか……でも話はその空間で聞こうかな。 時間を温存出来るし……」

 遊真はそう言って歩き続けた。 レノーラも後からついてくる。

「でも確かその空間に入れるのは回数に制限があったはずだからあんまり無駄遣いは出来ないわ」

「あ、そうなのか……。 じゃああんまりそういう事には使うのは良くないな……」

 話している内に広い場所に出た。 何故か光が射し込んでおり、中にはゴーレムが沢山いた。 大きいものや小さいもの。 体の大きさは様々だ。

「ゴーレムって沢山いるんだな……」

「まぁ一族だしね」

 遊真は上を見上げると空が見えた。 どうやら山の一部をくりぬいた様だ。 そこからの光が射し込んでいた。

「ゴーーー」

 ゴーレムが一人遊真達に近寄ってきた。 遊真は一目でそのゴーレムが自分と契約したゴーレムだと分かった。

「ゴーレム。 少しの間世話になるけどよろしくな」

「ゴーーー」

 ゴーレムは頷いた。 そして手招きをし、歩き出した。 遊真とレノーラは後をついて行った。 ある部屋のドアを開けると遊真とルシファーが「空間(スパーティオラオム)」を使った時に現れる空間の歪みの様な物があった。

「ここが時間が十倍で進む空間か……」

「入ろう遊真」

 レノーラはそう言うと遊真の手を優しく掴み、空間に向かって歩き出した。

「えぇ!? ちょっとストップレノーラ! さっきと話が噛み合って無いじゃん!?」

「良いの良いの。 やりたいことがあるから」

「じゃあ……良いけど」

「ゴーーー?」

 ゴーレムは自分を指差し、首をかしげている。

「一緒に来てくれよ。 ゴーレム」

「ゴーーー」

 ゴーレムは頷くと、先に空間に入って行った。

 レノーラも遊真の手を引き、空間に入って行く。 遊真も空間に入った。


 目の前には真っ白な世界が広がっていた。 そして何一つとして物体がなかった。 何も。 動物や虫等も一切いない。 岩や石といった物もなかった。

「ここで……特訓するのか……」

 遊真は周りを見渡した。 ゴーレムとレノーラ以外は誰も見当たらず、何もなかった。

「じゃあ遊真。 まず言っておきたい事があるの」

「言っておきたいこと?」

「そう。 七人の魔神族についてよ。 その七人の魔神族は強いから一応名前くらいは覚えておいて貰わないと」

 遊真は首をかしげた。

「七人……? 俺たち向こうの大陸で強い魔神族七人倒したけどな……」

「じゃあその内四人は違うわね。 多分そっちの大陸の七人の魔神族に入る者はルシファー、べリアル、そしてサタンだと思うわ」

「……俺二人倒してるじゃん……」

 レノーラは笑うと

「凄いじゃん遊真♪」

 と言って微笑んだ。

「そしてこっちの大陸にいるのがまずベルゼブブ。 そしてあと二人 アイモデウスとレヴィアタンはこの大陸にいるでしょう……」

「でもマリーはこちらの大陸にはベルゼブブしかいないって言ってたな」

「確かに姿は見たことはないわ。 でも強さはベルゼブブ程じゃないから遊真なら問題無いと思うわ」

 レノーラはそう言って微笑んだ。

「じゃあ次はこのゴーレムの山にいると言われている獣について説明するわ」

「言われている……? いないかも知れないのか?」

 遊真の問いにレノーラは頷いた。

「うん。 寧ろいない可能性の方が高いわ。 彼等の種族名は「竜神(ドラゴン)族」。 この大陸……いや、全ての種族の頂点に立つ種族よ」

「まだそんな種族がいたのか……」

「えぇ。 でもただの種族ではない。 ロケスが話していた神と悪魔の話に関係する種族よ。

 女神族と魔神族は大陸。 そしてとある女神族と魔神族の力を持つクラーケンが海。 じゃあもう一つまだ紹介していない場所があると思わない?」

 レノーラは笑顔で遊真に尋ねた。 遊真は一瞬考え、答えた。

「空?」

「正解。 でも竜神(ドラゴン)族は神でも悪魔でもない。 空の帝王というべき存在なのよ。 海の神と悪魔は女神族と魔神族が関わっていたけど竜神(ドラゴン)族は女神族 魔神族が現れる前から存在した」

「でも今は……いないのか……?」

 遊真がそう聞くと、レノーラは少し悲しそうな表情になった。

「とある魔神族に追い詰められてどこかに逃亡したと言われているわ。 ゴーレムの山がその逃げたと言われる場所の一つよ」

「つまり可能性は低いけど契約する獣が竜神(ドラゴン)族ってこともあるのか……」

「まぁ遊真のいう通り可能性は低いけどね」

 そう言ってレノーラは少し笑ったあと話を続けた。

「そしてドラゴンは色が違うと強さが違うの。 赤や青、緑といった色のドラゴンは竜神(ドラゴン)族の中ではそれほど強くない。 そして黄金や銀色に輝くドラゴンはさっき言った色のドラゴンよりも遥かに強い」

「まぁ色を宝石とかに置き換えて……。 値段が高いと強いって感じか……」

「まぁ簡単に考えたらそうなるね」

 レノーラは少し笑ったあと少し悲しそうな表情になり竜神(ドラゴン)の話を続けた。

「そして竜神(ドラゴン)族の中で頂点に立つのが金剛竜神(ダイヤモンド ドラゴン)。 光を反射するとても美しい鱗を持っているわ」

「そのドラゴンが王になるのか……。 レノーラは何でこんなに詳しいんだ?」

 レノーラは一瞬言葉につまり、

「いえ、その竜神(ドラゴン)は王ではなかったわ。 まだ幼竜だったらしいから。 昔に本で読んだのよ」

 と言って立ち上がった。

「遊真いきなりだけどお願い。 私と戦ってほしいの」

「…………え?」

 遊真は驚き変な声が出てしまい、レノーラは笑った。 ゴーレムも面白がる様な動作をしている。

「遊真ったらそんなに驚かないでよ。 殺し合いまでするわけじゃ無いからさ」

 遊真もゆっくり立ち上がった。

「いや、まぁそりゃそうだけど……」

 遊真はそう言いながら疑問に感じていた。

(何でレノーラが俺と戦いたがるんだ? 俺がベルゼブブを追い詰めたら凄いって言ってたじゃん……)

「あ、でも遊真。 「祖の魔力」は使わないでね」

「レノーラは「祖の魔力」を知っているのか!?」

 遊真は驚きレノーラに聞いた。

「うん。 あれ遊真知らないの!? 使えるのに!?」

「あぁ……聞いたこともなかった」

「分かった。 後で教えてあげる」

「ありがとう。 じゃあつまり俺は「想像世界(イマジネーション)」。 想像の力を使わなかったらいいんだな?」

 遊真の問いにレノーラは頷いた。

「うん。 遊真に「祖の魔力」を使われると流石に手こずると思うから」

「……分かった」

(手こずる……? まるで勝てるみたいな言い方だな……。 実は強かったりするのか……?)

「どこからでもおいで遊真」

「じゃあ……遠慮なく!!」

 遊真は自分の体を雷で包み、レノーラに勢い良く向かって行った。




 デュークはカーテンを開け、外を見た。 空は既に一番星が見えている。

(夜か……。 まぁ我々からしたら今からが一日の始まりの様な者が多いがな……)

 デュークは少し鼻で笑うとカーテンを閉じ、再びイスにゆっくりと座った。 そして王の仕事である書類に書き込み始めようとしたときにドアをノックする音が聞こえた。 そして数秒後に失礼しますとの声と共にドアが開いた。

(ロード)。 結界外からこちらに向かってくる者が見えるとの報告が……」

「……ベルゼブブか?」

「いえ……。 先程結界内に普通に侵入した為ベルゼブブではないかと。 そして偵察の者によればおそらく少し前に出発された翔一殿とのことです」

「翔一……? 人違いではないのか? 翔一は約三時間前に出ていったばかりだ。 まさかベルゼブブに襲われて怪我でもしたのか?」

 デュークはそう呟いているともう一人吸血鬼(ヴァンパイア)が部屋に入ってきた。

「失礼します (ロード)。 翔一殿がお戻りになりました」

「む、そうか。 ここに連れてきてくれ。 ちなみに怪我をしている様子はあるか?」

「いえ……。 少し疲れてはいるようですが怪我等は全く負っておりません……」

「そうか。 ならいいんだが……じゃあ何故……」

 そしてドアが再び開き、一人の「人類」が入ってきた。

「ただいま帰りました。 (ロード)

 翔一は笑顔を浮かべながら言った。

「無事の帰りは嬉しいが……何故こんなに早く帰ってきたんだ? 何かトラブルでもあったのか?」

 翔一は再び笑うと言った。

「いえ、「幻神獣」と既に契約しましたから。 戻って来ました」

少し書き貯めが出来たので明日も投稿出来ると思います。

時間は未定ですが……

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