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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「絆魔力」と「神と呼ばれし獣達」
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宣戦布告

読んでいただけるとありがたいです。

「遊真」

 レノーラは優しく遊真を抱き寄せた。

「レノーラ?」

「私から離れないで。 貴方はまだ昨日の傷が癒えてない」

 レノーラは遊真を抱きしめながら後ろに下がった。 入れ替わる様にデュークとロケスが一歩前に出た。

「何故お前が結界内(ここ)にいる?」

 ロケスがそう言うとベルゼブブは笑いながら言った。

「何でだろうな?」

 ベルゼブブがそう言った次の瞬間、ロケスの剣とデュークの腕。 そしてマリーの水の槍がベルゼブブを貫いた。

「まぁ……焦るなよ……」

 そう言うとベルゼブブは木に変わった。

「分身……!」

「大丈夫だ翔一。 分かってたから。 でも分身でも危険なのは変わりはないからな」

 そう言ってロケスは木から剣を抜いた。

「しかし本体は近くにいるだろう……」

 デュークはそう呟くと部屋の少し端の方にある水晶玉に目を向けた。

「結界内にはいない……。 なら上だろうな」

 デュークがそう言うとマリーが窓側のドアを開けるとバルコニーに出て、上を見た。

「居たわ」

 マリーの言葉にみんな焦るようにバルコニーに出た。 遊真もバルコニーに出て上空を見た。

 上空では背中に真っ赤な翼を生やしたベルゼブブが飛んでいる。

「ゴーレム殿。 行けるか?」

「ゴーーー!」

 ゴーレムは頷くと地面に手をついた。

 地面が盛り上がり始め、バルコニーの前に半径十メートル程の大きな円柱型の地面が出来上がった。

  ロケス達はそれに飛び移った。 ゴーレムもそれに乗ると再び手を地面に置くと円柱型の地面が高くなり始めた。 どんどん高くなり、高さは五十メートル程までになった。 今、少し上にベルゼブブが飛んでいる状態だった。

「ベルゼブブ……!」

 遊真は拳を握りしめるが手を重ねられた。

「レノーラ?」

 レノーラは首を横に振った。

「悔しいだろうけど今の貴方では勝てない。 大丈夫。 多分戦闘にはならないから」

「……分かった」

 遊真は拳を緩め、レノーラの横に立った。 ベルゼブブは口を開いた。

「どうした「想像」の子供(ガキ)? かかってこないのか?」

 挑発する様な口調でベルゼブブが言うが遊真はその場でぐっと我慢した。 レノーラの言う通り今やっても勝てない事は分かっている。 ゴーレムの力を使ったところで実力差は埋まらないだろう。

「何をしに来たベルゼブブ? いくらお前でも我々が全員でかかれば無傷(ただ)ではすまんぞ」

「どうだかな。 まぁ今日来たのはただの「宣戦布告」だ。 一週間後にとある湖でこの大陸の終わらせる」

「どうやるかは知らんがそんな事を我々が簡単にやらせると思うのか?」

 デュークがそう言うとベルゼブブは笑いながら

「まぁ止めれるもんなら止めてみなってことだ。 じゃあな」

 ベルゼブブはそう言って最後に遊真を見てから飛び去った。 ゴーレムは地面をゆっくりと元に戻した。

「一週間後か」

「まず遊真達に「どの獣と契約出来るか」を分かる物を使おう。 遊真達の力も必要になるだろう」

 ロケスがそう言うとデュークとマリーは頷き、マリーが部下に何かを言うと人魚(マーメイド)が部屋から出ていった。

「どういう物なんですか? その例の物は」

「正確に言うと「契約出来る獣の方角」が分かる代物だ」

 ロケスがそう言うと人魚(マーメイド)が戻ってきた。 手には何やら液体が入ったビンとスポイトを持っている。 マリーがそれを受けとると説明を始めた。

「まずこれを三滴程ブレスレットの透明の部分に垂らします。 すると透明の部分に矢印が現れます。 その矢印が指す方向にあなた方が契約出来る獣が居ます」

「つまりその方向に向かって移動すればいいんですね」

 遊真がそう言うとマリーは頷き、話を続けた。

「しかしこの矢印は三日で消えます。 もう一度この液体を使うことは出来ません。 そして勿論矢印が指す方向が結界外ということも十分にあります」

「じゃあそこでベルゼブブに会っちゃったら……」

「全力で逃げるか死ぬかです」

 マリーの容赦ない一言にウリエルは ぶるっ と震えた。 前回の様に四人だったら逃げ切れる可能性もあるが一人で遭遇してしまった場合 逃げ切れる可能性は低いだろう。

「あともう一つ」

 デュークはそう言って手を上げた。

「我々の都市には時間がこちらの世界より十倍のスピードで進む空間がある。 そこで「絆魔力(リンク)」を極めるといい。 つまり出来るだけ早く獣を見つけ、長い時間鍛えられるのが理想だがな」

「じゃあ私はメイの所でやりたいな」

「いや、まず獣の方角を確認してから近いところでいいんじゃないか?」

 ミカエルがそう言うとみんなは納得し、液体を使うことにした。

「何かドキドキする……」

「同感」

「「幻神獣」だったらかっこいいよね」

「ゴーレムと誰になるかね……」

 そしてウリエルには二ヶ所、他の三人には一ヶ所に液体がかけられた。

「あ、私水の都市(アクアタウン)の方だ」

「俺は……ロケスの所の方角だ」

「僕は暗闇の都市(シャドウタウン)の方だ」

「俺は……あれ、またゴーレムの方角だ」

 メイ、ロケス、マリー、デュークもそれぞれ遊真達のブレスレットを見た。

「じゃあウリエルが来てくれるんだね♪」

「ミカエルが草原の都市(ステップタウン)だな。 昨日泊まったばっかだけどな」

 そうロケスは笑った。

「翔一が私の所だな。 まず最初に街を案内しよう」

「ゴーーー」

 遊真がゴーレムの方を見るとゴーレムが任せろという感じで右手を上げた。

「大丈夫よ遊真。 ゴーレムの山にもその空間はあるわ」

 レノーラがそう言った。

「じゃあみんな……しばらく会えないけど」

 遊真は拳を前に出した。

「みんなも頑張ってね」

「ベルゼブブに殺されるなよ」

「お兄ちゃん怖いこと言わないで」

 四人は拳を合わせた。

「また……一週間後!」

 四人は頷き、それぞれの方角へ向かった。



 水の都市(アクアタウン)

「よーし、頑張るぞ!」

「頑張ってねウリエル♪」

 メイは笑顔でそう言った。

(頑張ってね……お姉ちゃん)

 そう思いながら……



 草原の都市(ステップタウン)

「休憩してから行くか? ミカエルは一種類だろ? 遊真も後一種類だし」

「ちょっと水を貰おうかな。 でもすぐに出発するよ。 今のままじゃベルゼブブには勝てないから」

「俺もミカエルと同意見だ」

 ロケスは笑顔をうかべると

「そのいきだ!」

 と言った。



 暗闇の都市(シャドウタウン)

(暗いな……)

 翔一はそう感じた。 しかし翔一がそう感じる通り、薄暗い森の中にあるので日光はあまり通っていない。 建物は一軒家の物も多いが、ビル等も多かった。

「翔一。 今すぐ出発するのか?」

「はい。 そうしようかと……」

「君が素晴らしい獣に出会えることを祈っているよ」

「ありがとうデューク様」

 デュークは少し笑うと

「様など着けなくていい。 さん 位で呼んでくれ」

 と言った。

「同じ吸血鬼(ヴァンパイア)には何て呼ばれてるんですか?」

(ロード)。 そう呼ばれてるな」

「じゃあ僕もそうします」

 翔一は笑いながらそう言った。



 とある湖。

「さてと……。 こんくらいでいいか……全く疲れるぜ」

 ベルゼブブはそう言って木にかけているハンモックに寝転がった。

 湖の底には巨大な穴が空いていた。

「こんだけ大きければ、クラーケンも来れるだろう」

今回は短めになりました。

長かったり短かったりとすみませんm(._.)m

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