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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「絆魔力」と「神と呼ばれし獣達」
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「魔神皇帝」ベルゼブブ

本当は一話で終わるつもりが思ったよりも長くなったので二話に分けました。

短くなった分読みやすくなっていれば良いのですが……

「まず我々との違いを教えておきます」

 マリーはそう言って本を開き、遊真達に本のイラストを見せた。

「下半身が魚なのが我々 人魚(マーメイド)

 そして下半身が馬なのが人馬(ケンタウロス)

 あと姿はあなた方と同じですが牙を持つ吸血鬼(ヴァンパイア)。 口元を見れば分かります」

 マリーは本を閉じ、話を続けた。

「しかしこの姿に当てはまらない者がこの大陸には一人います。 その者が……」



(こいつがベルゼブブか……!)

 遊真もみんなと同じ様にいつでも戦えるように心の準備をした。

「この大陸にはいない種族だな……」

 ベルゼブブはそう言った。

「まぁ……向こうの大陸から来たものでして」

 ミカエルはそう答えた。

「なるほど。 ならば納得出来るな。 しかし一つ気になる点がある。 何故お前達はこの大陸に来たんだ? サタンが倒せなくて援軍でも求めにきたのか?」

(魔神王(サタン)を知っているのか……?)

 遊真は少し驚いた。 まさかこちらの大陸の魔神族が知っているとは思っていなかったからである。

「いや、サタンはもう倒した」

 遊真はそう答えた。

 遊真の答えにベルゼブブは驚いた様な反応を見せると、その後 下を向き、舌打ちした。

「やれやれ……女神族にでも殺られたか?」

「いや……。 俺が倒した」

 遊真の答えにベルゼブブは再び驚いた。 そして大きなため息を吐いた。

「全く……あいつは……」

「知り合いなのか?」

「あぁ……まぁ少しな」

 そう言ってベルゼブブは右手に何やらエネルギーを溜め始めた。

 遊真達はいつでも戦闘が開始出来る様に心構えは出来ていた。

「まぁ別に(かたき)討ちって訳じゃねぇけど……。 サタンを倒せるレベルの奴なら邪魔になるからな……。 消させてもらうぜ!」

 ベルゼブブは何かを呟き、右手を前に出して、闇の玉を放った。 闇の玉が一番前にいたウリエルに襲いかかるが突如闇の玉が跳ね返り、ベルゼブブは咄嗟に防御した。

全反射(リフレクション)

 ウリエルの横でミカエルが手を前に出していた。

 ベルゼブブが一瞬怯んだ隙に遊真達は事前に話していた形体に移行した。

 まずあまり肉弾戦が得意ではないウリエルがサポートに回る為に一番後ろへ回り、翔一がウリエルを守るようにウリエルの前に立つ。

 そしてミカエルが一番肉弾戦が得意な遊真のサポートに回る。

「いくぞミカエル!」

「オーケー。 「覚醒魔力」はまだ使うなよ?」

「分かってるよ!」

 遊真は右手にあらかじめ溜めておいた雷を胸に押し付けた。

 遊真の体を雷が包み込んでいく。

「いくぞ。 「奥義・雷華(らいか)」!!」

 凄まじい風を放ちながら遊真がベルゼブブに突っ込んで行った。

(これが遊真の「雷華(らいか)」……。 なんてスピードだ……。 最初に戦った時より遥かに速い。 移動の時の風がこれ程とは……)

 ミカエルは初めて見た遊真の「雷華(らいか)」に少し驚きながらも盾を一つに纏めた。

(一つに神経を集中できるなら遊真のスピード戦にも邪魔にならないはずだ)

 ミカエルも遊真に続いた。 既に遊真の拳とベルゼブブの拳がぶつかり合っている。

 翔一とウリエルもミカエルの後に続いた。 サポートに回ると言っても全く戦闘に参戦しない訳ではない。 翔一とウリエルは二人が危なくなったら援護攻撃や翔一は「瞬間移動(テレポート)」で助ける事が出来る。

 そう他の三人が距離を詰めている内に二人の攻防は続いていた。


 遊真の拳がベルゼブブの顔に向けて放たれるが、ベルゼブブは回避しながら遊真の左腹に蹴りを放った。 しかし遊真も左腕でベルゼブブの一撃を防いだ。

 次の瞬間ベルゼブブの右から槍が襲いかかった。 ベルゼブブは避け、飛んできた方向を見た。

 ベルゼブブの視線の先にはミカエルが立っていた。

 ベルゼブブはミカエルに闇の玉を放つがミカエルが両手を前に出すと闇の玉は上に跳ね返った。

(何故上に?)

 ベルゼブブがそう疑問に感じた瞬間に遊真がベルゼブブの懐に入っていた。

 遊真の拳が腹部に当たり、ベルゼブブは後ろに吹っ飛んだ。

(なるほど……。 ただ単にこいつの邪魔になるからか……)

 ベルゼブブはそう理解した。 実際にミカエルの思惑はベルゼブブの考えと一致していた。

(下手に跳ね返すより遊真が叩き込んだ方がダメージもでかいだろ……!)

 木に激突したベルゼブブに遊真はすぐさま追い討ちをかける様に殴りかかるが突然ベルゼブブの体が爆炎に包まれた。

「っ……!?」

 遊真は既に跳んでいたため止まる事が出来なかった。

(くっそ……!)

 遊真が手を前で身を守る様に組んだ時、遊真は巨大な盾にぶつかった。

「いてっ」

 それはミカエルの盾だった。

 ミカエルの盾に乗せられて遊真はミカエルの横に移動した。 ベルゼブブがすぐに反撃してくる様子はない。

 ベルゼブブはゆっくりと立ち上がった。 口の中でも切れたのか、血の混じったつばを地面に吐き、首を回した。

「なるほどな……。 サタンを倒したっていうのは嘘じゃあ無いようだな。 でもこいつらに普通負けるか……?」

 ベルゼブブはそう最後は少し不思議そうに言って遊真達の方を見た。 そして遊真に視線を止めた。

「いや……お前まだ力を出しきってないな……」

 ベルゼブブはそう遊真を見ながら言った。

「まぁいい。 とりあえず俺も少しは本気でやらせてもらう」

 ベルゼブブがそう言うと突如ベルゼブブの体が少し光に包まれた。

(身体強化(フィジカルブースト)じゃない……?)

 身体強化(フィジカルブースト)の時は黄色っぽい強い光に包まれるのに対して今ベルゼブブを包んでいる光は白っぽい光だった。

 疑問に感じながら遊真はベルゼブブを見ていると光が消えたのと同時にベルゼブブが少し姿が変わったことに気づいた。

 ベルゼブブの腕は純白な羽毛が少しあり、側頭部にも生えている。 爪はさっきよりも少しだけ伸びている様に感じられた。 しかし何よりも遊真達が感じたのは 猛獣の様な獰猛さが感じられた。

「さて……と……」

 そう言ってベルゼブブは少し腰を下げた。

 遊真達も同じ様に構えた。

 しかしその時には既にベルゼブブの拳がウリエルを捕らえていた。

「「「え!!?」」」

 遊真達は何が起きたか理解できていなかった。 ただ構えている間に「一番後ろにいた」ウリエルが吹っ飛ばされていた。

 ウリエルは木に激突し、その場に崩れた。

「この……!」

 遊真はベルゼブブに飛び掛かった。

 否。

 飛びかかる瞬間に、地面から少し、ほんの数センチ浮いた時にはベルゼブブの蹴りが遊真の腹部を捕らえていた。

 遊真は凄まじい勢いで吹っ飛び、木を何本も貫通した。

「遊真!?」

 翔一がそう叫んだ時にはベルゼブブは既に少し足を曲げていた。 ベルゼブブの視線の先にはウリエルが立ち上がろうとしていた。 距離にして約十五メートルといったところだろうか。

(ウリエルが狙いか……!)

 翔一はミカエルと目を合わせ、お互いに頷いた。

 ミカエルが横に跳び、ベルゼブブとウリエルの間に入った。

 翔一はウリエルを見て、瞬間移動した。

「ウリエル大丈夫?」

 翔一が瞬間移動した時、翔一の目の前にいた人物は「二人」いた。

「な……!?」

「よぉ」

 ベルゼブブが既に翔一とウリエルの横にいた。

 ミカエルは後ろを振り返り、一瞬驚いたが、すぐに盾を槍状に変え、ベルゼブブ目掛けて飛ばすが、ベルゼブブは簡単に避けてしまった。

(速いなんてレベルじゃねぇ……! 全く反応できない……!)

 ベルゼブブが翔一に拳を降り下ろすが翔一はウリエルに触れ、ミカエルの横に移動した。

 拳が外れ、ベルゼブブは少し驚き、ニヤリと笑いながら立ち上がった。

 腹部に回復魔力を使いながらウリエルは

「遊真は……?」

 と聞いた。

「さっき吹っ飛ばされた。 流石に死んじゃいないはずだ」

「正直気になるけどこいつ相手じゃそんなこと言ってられないね」

 二人の返答を聞きながらウリエルはゆっくりと立ち上がった。

「私がやる。 私の魔力なら……」

「いや駄目だ。 あいつに笛の音が届くかどうか以前にお前が笛を吹ける隙を作れない」

「じゃあ吹き続けながら私も移動するよ。」

「あいつのスピードから逃げ切れると……?」

 ミカエルの言葉にウリエルは返す言葉が無くなり、少し下を向いた。

「話は終わったかい? 少しは楽しませろよ……」

 ベルゼブブが再びウリエルの後ろに回り込んでいた。

「「っ……!?」」

 二人は振り返るが、振り返った瞬間にベルゼブブの拳が翔一とミカエルを捕らえた。

 二人は吹っ飛び、木に激突した。

 ウリエルは後ろに下がり笛を懐から取り出した。

「「覚醒魔力・魅了(プリティチャーム)」」

 ウリエルが笛に口を軽くつけた時にベルゼブブは再びウリエルの後ろにいた。

 ベルゼブブの蹴りがウリエルの背中に当たり、ウリエルは地面に叩きつけられた。

「いっ……た……」

 ウリエルは即座に立ち上がったがベルゼブブの手刀が首の付け根辺りに叩き込まれた。

 ウリエルはその場に倒れた。

(う……目の前が ぼーっと する…………)

「「ウリエル!!」」

 ミカエルと翔一が同時にウリエルの元へ向かうがベルゼブブは片手を二人の方へ向けた。

 次の瞬間ミカエルと翔一は再び吹っ飛んだ。

(な……!? 風圧……?)

(スピードと言い この風圧の力と言い、明らかに魔力が上昇してる!)

 二人は再び木に激突した。 立て続けに空気を圧縮した玉が様な攻撃が続いた。

 空気の玉が木を抉り、地面を削り、ミカエルと翔一を叩きのめした。 二人は地面に崩れた。

「まずは一人」

 ベルゼブブは右手をウリエルに向けた。 右手に闇の玉が出来上がる。

「ウリ……エル……!」

 ミカエルは盾を飛ばそうとしたが距離がありすぎた。

(ダメだ……! 瞬間移動(テレポート)でも間に合わない……!)

 そう考えながらも翔一は無意識の内に瞬間移動を行っていた。

「おぉ。 またお前か」

 しかし移動した瞬間に「この辺に来るだろう」と予想していたベルゼブブに蹴飛ばされ、ミカエルの横に吹っ飛ばされた。

「纏めとくと後で楽だからな。 さてと。 少しばかり邪魔が入ったが……」

 ベルゼブブは再び闇の玉をウリエルに向けた。

「終わりだ」

 闇の玉がウリエルに向かって放たれた。

「っ……!」

 ウリエルは思わず目を瞑った。

 しかし闇の玉はウリエルに当たることなく、ウリエルはベルゼブブから少し離れた場所に倒れており、闇の玉はウリエルの目の前で消えた。

 ベルゼブブはため息をつき、

「……もうちょっとねてると思ったんだがな……」

 と言った。

 ウリエルの横には光輝くペンダントをつけた遊真が立っていた。

「第二ラウンドだ。 ベルゼブブ」

テスト返しも終わりました!

点数は悪くなかったので補習はほぼかからないので執筆に没頭出来そうです!


宿題にもよりますが……

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