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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
37/96

遠征

10000アクセス突破しました。

この作品を読んでくれている方、本当にありがとうございます。

これからも誤字脱字に気をつけながら頑張っていきます。

「何だ……? こいつ……」

「どうしたの遊真……? うわっ!!」

 遊真の声でいつの間にか寝ていた翔一が起き、前にいる生物を見て驚いている。

「人魚……!?」

「人魚……? あ! 確かに何か本で見たことがあるような気が……」

 人魚と呼ばれる種族の女の子は

「帰ってこれた~!」

 と大きな声で叫んだ。

 その声でミカエルとウリエルが目を覚ました。

「うるさいなウリエル……」

「私じゃないよお兄ちゃん……」

 そして二人は同時に人魚の方を見た。

「「!?」」

(まぁ予想通りのリアクションだな)

 遊真は笑いながらそう思った。

「ん? あれ……? 可笑しいな……」

 人魚は周りを見渡している。

「あの……」

 と翔一が人魚に話しかけた。

「貴女が帰るべき場所って……向こうなんじゃ……」

 と翔一は見知らぬ大地(イリュージョンランド)を指差した。

「…………あ!!」

 遊真達は迷子の人魚と遭遇した。




「人魚か……。 確かに我々の大陸には存在しないはずの種族だな」

「つまり向こうの大陸から来たんですね?」

「はい! そうです!」

 と人魚は元気よく答えた。

「ちなみに貴女名前は?」

 とガブリエルがきいた。

「メイです」

 と人魚(メイ)は答えた。

「そして貴女は向こうの大陸に帰りたいと」

 ゼウスの問いにメイは頷いた。

「しかし我々からしたら向こうの大陸の生命体を見つけたことは非常に大きな事だ」

「出来ることなら我々も向こうの大陸に行きたいものですね」

 ちなみにメイは円柱状の風呂のような物に入っていた。

「でも正直びっくりしました。 前に来た時にこの大陸は魔神族しかいないと思ってましたから」

 とメイが言うとゼウスは

「その言い方だと貴女は前にもこの大陸に来たことがあるのですか?」

 と言った。 メイは頷いた。

「はい。 二年ほど前に」

「なるほど。 その時はおそらく結界外に着いたのでしょう」

 ゼウスはそう言った。

「まぁ当然貴女は向こうの大陸に送るとして……。 出来ることなら我々も行きたいものだが……」

 そう大輝は言いながら腕を組み色々と考えている様だった。

「まぁ別に私は一人で帰れますけど……。 島に行きたいなら連れていきますよ」

 メイの言葉に

(一人で帰れなかったからここにいるんじゃ……)

 と遊真は思いながら

「僕たちが行きましょうか?」

 と言った。

「遊真達の部隊(チーム)ということか?」

 大輝の質問に遊真は頷いた。

「魔神族との戦いでは部隊(チーム)らしい事はしてませんし……」

「ふむ……。 確かに我々は今住民達の救済の事があるので手が離せないな」

「みんなは?」

 と遊真はミカエル、翔一、ウリエルの方を見た。

「俺も妖精王だからやること結構あるんだが……」

「僕は別に手が離せないレベルじゃないけど」

「私は新しい大陸に行きたい♪」

 と三人は答えた。

「ミカエルはトップだからやっぱ忙しいか……」

 遊真がそう呟くと

「私達に任せといて」

 とガブリエルが言った。

「みすみすこんなチャンスを逃すことは無いわ。 私達にこの街は任せといて」

「いや、でもおね…………ガブリエル様だけに押し付ける訳には……」

(言い直したな……)

 遊真は必死に笑いを堪えた。

 ラファエルと翔一はまるで微笑ましい光景でもみたかの様に にやにや と笑っていた。

「大丈夫。 ミカエルここ最近ずっと働いてたからそんなに仕事は残ってないでしょ?」

(だから疲れてたんだな……)

 遊真はミカエルがさっき寝ていた事をふとを思い出した。

「ま、心配するな」

 ラファエルもガブリエルと同じ意見だった。

「……分かりました」

 ミカエルはそう言った。

 ガブリエルはメイの方を見ると

「メイちゃんは急いで帰る必要はあるの?」

 と言った。

「別にそんなに急ぐことはないと思いますよ」

 メイの言葉を聞き、

「じゃあ出発は明日にしましょうか」

 とゼウスは言った。

「そうだな。 ミカエルも今日ゆっくり休んでから出発したらいい」

 大輝もゼウスの意見に賛成した。

「分かりました」

 みんなはぞろぞろとイスから立ち上がり自分の部屋に戻り始めた。

「あの……私は……?」

 メイはキョロキョロと周りを見渡している。

「私達の部屋に来たらいいよ!」

 とウリエルが颯爽とメイを連れていった。

 その光景がおかしく、遊真は少し笑いながらゼウスと共に部屋に戻った。


「危険かも知れないよ?」

 ゼウスは遊真を見て言った。

「大丈夫だよ。 翔一もミカエルもウリエルもいる。 俺にはペンダントもあるし」

 そう言って遊真はペンダントをゼウスに見せた。

「危険だったら無理せずに戻ってくるのよ。 貴方に居なくなられると残りの魔神族の掃討も楽じゃなくなるわ」

「正直姉ちゃん一人で十分だろ?」

 遊真は笑いながら言った。

「例えそうだとしても貴方は私の弟でただ一人の家族なんだから。 死んじゃ駄目だからね」

「分かってるよ。 あとそこまで危険でもないと思うけどなぁ」

 遊真がそう言うとゼウスは軽く少し痛いくらいに遊真の腕をつねった。

「油断禁物」

「分かったよ……。 痛いから離して」

 ゼウスは少し笑うと遊真から手を離し、横になった。

 遊真も同じようにベットに ゴロン と寝転がった。

「そうだ。 すっかり忘れてた ペンダントには連絡機能もつけないと」

 ゼウスは机から何かを取ってくると遊真に近寄り、遊真のペンダントに取ってきた物をペンダント貼った。

「これで連絡機能が付いたはずだよ」

「え? これで?」

 遊真はペンダントを見たが何ら変わりはなかった。

「うん。 みんなそれぞれ通信手段は用意すると思うよ。 ペンダントに語りかけると私に話しかけられるよ」

「姉ちゃん何を貼ったんだ? 全く違いが分からないんだけど……」

「まぁもうペンダントの中に吸収されただろうからね。 貼ったのは離れていても通信が出来るようになる魔力が込められた物よ」

「そんなのがあるのか……」

 遊真はもう一度ペンダントを見てベットの上に置いた。

「おやすみ遊真」

「おやすみ姉ちゃん」

 遊真はゆっくりと目を閉じた。



 遊真は目を開けた。

 窓の方を見ると太陽が昇っていた。

 明るさからして大体七時位といったところか。

 遊真は伸びをしてからあくびをし、ベットから起き上がった。

 横ではまだゼウスが すやすや と寝ている。

(朝割りと姉ちゃん起きるの遅いんだよな……。

 最強のゼウスの弱点は朝ですか)

 遊真は笑いながらそう思った。


 遊真は着替えを済ませ、ペンダントを首に下げ、コートを持った。

(向こうは寒いかもしれないしな……)

 部屋を出ようとした時にゼウスが目を覚まし、遊真を呼び止めた。

「何 姉ちゃん?」

「どこ行くの~?」

 まだ眠いのか何となくゼウスはぼんやりとしている。

「翔一のところに行こうかなって」

「私も行く」

 ゼウスはベットから降り、女神族を二名呼び、いつものドレスに着替えた。

 ゼウスは二人にお礼を言い、周りを見渡すと遊真がいなかった。 ゼウスは部屋のドアを開けた。

 ドアを開けた前のところで遊真が暇そうに待っていた。

「あ、遊真ここにいたの?」

「着替え中の女性と同じ部屋にいるのはまずいだろ。 姉ちゃんもいきなり着替え始めるのそろそろ止めてくれ」

「別に私は姉なんだから着替えを見られて弟にどうこう言われてもなぁ……」

「……あと「ゼウス様」と「姉ちゃん」のキャラのギャップも何とかしてくれ」



 王達と遊真達は海の前に集まっていた。

 ウリエルとメイは既に仲良く話している。

(もう打ち解けたのか……早いな……)

 そう遊真が思っていると

「では。 頼むぞ遊真」

 と大輝が遊真を見て言った。

「はい。 色々と調べてきます」

「無理はしないで下さいね」

 ゼウスはいつもの口調でそう言った。

(ここではあの言葉使いじゃないんだな……)

 そう思い、遊真は

「分かりました」

 と答えた。

「それじゃあ行きますよ!」

 そうメイが指をくわえ、笛をふいた。

 笛の高い音が海に響き渡った。

 それから三十秒程たっただろうか。

 特に変化はない。

 全員ただ海を見つめている。

 すると突然海から何やら山の大きな様な盛り上がりが見えた。

(凶暴な魚か……?)

 遊真は少し警戒心を持ち、戦える心の準備をした。

 少しずつ山の様な物が近づいてくる。

「ねぇ……あれは……?」

 ウリエルが我慢出来なくなったのかメイに質問した。

「私のパートナーだよ。 ウリエル達にはあの子に乗ってもらうね」

 メイがそう言った後に突然山の様な物が持ち上がった。

 現れたのはとても大きな魚だった。

 水しぶきをたてながら巨大な魚は陸に体を半分ほど乗り上げた。

「さぁ、乗って!」

 メイはそう言って自分は海へ入っていく。

 巨大な魚が右手を伸ばした。

 乗れということなのだろう。

 遊真達は魚のヒレから背中によじ登った。

 背中からの景色は中々良いものだった。

 下を見ると大輝達が手を振っていた。 遊真達も手を振り返すと魚が海へ戻り始めた。

「ん……? これ沈まないよな?」

 魚は少し進んだ所で確実に下に沈んでいる。

 背中と海面が二メートル程になった所でメイが背中に飛び乗ってきた。

 メイは魚の背中を ポンポン と軽く叩き、お願いと言うと魚はゆっくりと進み始めた。

 少しずつ始まりの大地(ガイアランド)が遠ざかっていく。

 遊真は前を見た。 これからいく島を。

 こちらの大陸からは誰も行った事が無いと言われる未知の大陸。

 遊真は少し楽しみに感じていた。

来週からテストです……

土曜日に終わるので日曜日は次の話が投稿出来ると思います。

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