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最近更新回数が少なくなってしまい申し訳ございません。m(._.)m
重ねてもうすぐテストなのでまだこれくらいの更新頻度になります。
夏休みはもう少し頑張ろうと思っております。
あと文章中に「あれ?誤字じゃね?」となる部分があるかと思いますが後書きに詳細(?)を書いてありますのでスルーしていただけるとありがたいです。
辺りを見渡すと周りの家は隕石の爆風では壊れていなかったが、主に衝撃波等で壊れた物があった。
遊真は「想像」で家や建物を直そうとしたが、突如ペンダントの輝きが失われた。
「遊真!?」
翔一が遊真に駆け寄り、遊真をゆっくりと地面に座らせた。
「悪い翔一。 体力の限界みたいだ」
遊真は息は切らしてはいないが疲れている様だった。
「あれだけ強力な覚醒魔力だ。 体力消耗は激しいだろうね」
その時遠くから遊真と翔一の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
遠くから走ってこちらに向かってくるゼウスと数人の女神族がいた。
後ろからはウリエルを背負ったガブリエル。
その後ろからは人類と大輝が歩いてきた。
「大輝様!」
翔一は歩いてくる大輝に嬉しそうに目を輝かせた。
「遊真~! 翔一~!」
ウリエルがガブリエルの背で手を振っている。
ガブリエル達よりも前でこちらに駆け寄ってくるゼウスを見て遊真は少し戸惑いを感じていた。
今までは最強の味方として接していたが姉弟と分かった今、今まで通り接した方がいいのか。 それとも家族として親しく接していいのか。
(まぁとりあえず相手の反応を見てからかな)
遊真はそう決めて翔一の肩をかりながら立ち上がった。
「遊真!」
そう言ってゼウスはいきなり遊真を抱きしめた。
「え!? ちょ……!」
遊真はいきなり抱きしめられ焦ってゼウスから離れようとしたが体が疲れており上手く動けなかった。
横にいる翔一も驚いており、ウリエルもガブリエルの背で唖然としている。 ポカンと開いた口がウリエルの驚きを物語っている。
ガブリエルも少し呆然としていたが我にかえると申し訳なさそうに
「あの……ゼウス様……?」
と言ったがゼウスは聞いておらず
「良かった……無事で……」
とゼウスは遊真を抱きしめたままである。
「あの……ゼウス様……?」
もう一度ガブリエルが話しかけるとゼウスは我にかえり周りを見渡し、顔を少し赤らめながら遊真を離した。
そしてわざとらしく咳払いをすると、
「ご無事で何よりです。 遊真。 翔一」
といつもの口調で言った。
あまりの変わりようにまたしても遊真や翔一達は首をかしげた。
そして首をかしげた時に大輝達の後方に天使族と女神族がこちらに向かってくるのが見えた。
天使族は誰かをベットに乗せている様だった。
「ミカエル……!」
遊真は駆け寄ろうとしたが足がもつれた様にその場に倒れた。
「遊真!」
翔一が遊真に駆け寄り、肩をかそうとしたが遊真は少しぐったりとしている。
(あれ……? 何か……意識が……)
横にいる翔一がぐるぐると回って見えるのを感じながら遊真の目の前は真っ暗になっていった。
最初に見えたのは白い天井だった。
(ここは……?)
遊真は周りを見渡そうと体を起こそうとした時
「起きたか?」
と声をかけられた。
遊真が声が聞こえてきた方向を見ると、そこには薄い緑色の髪をした男がいた。
「ミカエル……!?」
「まさか俺の方が先に目覚めるとは思ってなかったけど」
ミカエルは少し笑いながら、遊真が寝ているベットの近くに置いてあるイスに腰を掛けた。
「聞いたよ。 魔神王を倒したんだろ?」
「あぁ。 それより怪我は……?」
「もう大丈夫だ。 心配かけたな」
「本当だよ。 ウリエルなんて泣いたんだからな」
ミカエルは笑うと
「あいつは昔からそうだよ」
と言った。
遊真とミカエルが会話をしているとドアが開き、入り口には翔一とウリエルが立っていた。
「遊真! 起きたの!?」
「おはよ♪ 遊真。 あ、お兄ちゃんもここにいたの?」
遊真は少し微笑むと
「あぁ、そういえば俺はどれくらい寝てたんだ?」
と三人を見て言った。
「丸三日だね」
と翔一が言った。
「割りと寝てたんだな……」
「ゼウス様が言うには精神面が非常に消耗していたらしいよ。 回復魔力でも精神は流石に回復出来ないからね」
遊真が翔一達と話しているとドアが開き、ゼウスが立っていた。
「ゼウス様……」
ゼウスが部屋に入ると翔一とミカエルは顔を見合わせて頷き、ウリエルを連れて部屋を後にした。
ゼウスはミカエルが先程まで座っていたイスに腰を掛けた。
「気分はどう? 遊真」
「悪くはないです」
と遊真は答え、
「ゼウス様。 貴女は俺が貴女と姉弟だと知っていたんですよね? だからこそあのペンダントを託した。 そうですよね?」
ときいた。
ゼウスは頷くと
「えぇ、その通りよ。 でも中々言い出せなくてね。 言っても遊真が信じてくれるとは限らなかったからね」
と言った。
遊真はゼウスの口調に少し違和感を覚え、
「ゼウス様は一回だけ今の口調で話しましたよね。 あの洞窟で」
と言った。
「親しい人にはこの口調よ。 母や友達にはいつもの様な堅苦しい感じには話さないからね」
「親しい人ですか……」
遊真は少し下を向きながら言った。
「貴方は私の弟だから」
ゼウスは微笑みながら言った。
そしてゼウスはイスから立ち上がり、
「本当に無事で良かった」
と言い、再び遊真を抱きしめた。
「ゼウス様……」
「様なんてつけなくて良いよ」
「いや……あの……」
「なに?」
「……貴女の事を家族して親しく接して良いの?」
既に敬語を使えていない遊真にゼウス少し笑いながら遊真の頭を撫でた。
「いいよ。 お姉ちゃんって呼んでも♪」
遊真が目を覚ましてから約一週間が過ぎた。
「さて。 問題は残りの魔神族達とはどの様に戦うかですね」
と大輝が言った。
ここは結界内 中央都市 王城
今日は久しぶりに王達の会談が開かれていた。
丸いテーブルを囲むように大輝とミカエルとゼウスが座っている。
大輝の後ろには三名の人類。 その内の一人が大輝の横に座っており、その人物は翔一である。
ミカエルの後ろには大天使の二人。 ウリエルがガブリエルに甘える様にぴったりとくっついて座っている。 ミカエルの横にはラファエルが座っている。
そしてゼウスの横には遊真が座っていた。
「あとは街の修復と亡くなった者達への追悼もですね。 我々女神族の住む 女神族の森 に避難した人はそれほど多くはありません。 しかし遺体が見つからないということは……」
「遊真が言ってたサタンの異空間で殺されたということになりますね」
と言いながらミカエルは遊真の方を見た。
「遊真。 遊真の覚醒魔力でサタンの異空間には行けないのか?」
「たぶん無理だ。 俺の覚醒魔力は サタンの異空間に行きたい と言う願望では発動しないからな……」
遊真の答えに そうか…… とミカエルと呟き、むむむと手を組んで下を向き、考えている。
「ミカエル殿。 残念な話、異空間で生きている者はおそらく0でしょう」
と大輝が言った。
ミカエルは顔を上げると言った。
「大輝様の言う通りだな。 すみません話を中断させてしまって。 異空間の話はまた今度にしましょう」
「では一番の問題は魔神族をどうするかですね。 魔神族を放置したままだと我々はまだこの狭い結界内で暮らすことになりますので」
「そうですね……結界内はこの大陸の約五十分の一。 今回で多くの者が亡くなってしまいましたがやはりこれからは人は増えていくでしょう。 そうなると住む場所が狭まってしまいますからね」
「しかしもうそれほど強力な魔神族はいないはずです。 少しずつ数を減らしていくのも有りかと思いますけど」
そう話をしている内に鐘がなり始めた。
「お昼ですか」
「ではまた午後。 もしくは明日にもう一度集まりましょう」
「大輝殿。 明日にしましょう。 貴方も少し休まれた方がいいでしょう。
戦いが終わってから街の修復作業にあたったり、はぐれてしまった家族の捜索をしたりとずっと働いている」
「……わかりました。 お言葉に甘えさせて頂きます。 では会談は明日にしましょう。 では」
そう言って大輝は会談の部屋を後にした。
翔一も大輝の後をついて行った。
「また後で会おうぜ。 遊真」
「あぁ、分かった」
遊真とお互いに手を振りながらミカエルは大天使達と共に会談の部屋を後にした。
遊真もゼウスの後について行った。
「どう遊真? 城の生活には慣れた?」
「まぁまぁかな。 未だに城に住んでるなんて信じられないけどね……」
「その内慣れるわよ」
ゼウスは笑いながら食事をする部屋のドアを開けた。 そこには数人の女神族が料理を並べていた。
「ゼウス様! 会談お疲れ様でした。 お食事が出来上がっております」
「ありがとう。 頂くわ」
そう言ってゼウスはイスに腰を掛けた。 遊真も横に座った。
「いただきます」と二人は手を合わせた後、料理を口に運んだ。
「遊真。 あ~んってしてあげようか?」
笑いながらゼウスが言った。
「やだよ。 恥ずかしいし」
遊真も笑いながら答えた。
楽しく食事を終え、城の部屋でゆっくりしているとコンコン とノックの音が聞こえた。
「遊真様。 ミカエル様がお呼びです」
「分かった。 今行くよ」
遊真はベットから起き上がり、靴を履いた。
「どっか行くの?」
さっきまで横で寝息をたてていたゼウスが眠そうな目をしながら言った。
「うん。 ミカエル達に会ってくるよ。」
ゼウスも起き上がり、遊真を抱きしめた。
「いってらっしゃい」
「抱きしめられると行けないんだけど……。 もしかして寝ぼけてるの?」
と遊真が言った時には既にゼウスは再び寝息をたてていた。
遊真はゼウスをベットに寝かし、布団を被せた。
「行ってきます。 姉ちゃん」
遊真はドアを開けた。
城の前にはミカエル、ウリエル、翔一が立っていた。
「ごめん待ったか?」
「いや、みんな今集まったとこだ」
「ところで……集まったはいいけどどうするの? 今から」
ミカエルは腕を組み、下を向いて考えている。 特に何も決めていなかったらしい。
「じゃあさ! じゃあさ!」
とウリエルが手をあげた。
「海に行こうよ!」
潮の香りが遊真達を包み込む。
(初めて来たな……)
遊真の目の前には青色の果てしなく大きく、広い湖が広がっている。
「でかい湖だな」
「遊真、これは湖じゃなくて海だよ」
翔一が笑いながら言った。
湖改め海はとても広く、果てしなくどこまでも続いている様だった。
「この海には魚はいるのか?」
遊真の素朴な質問だった。
翔一は少し困ったような顔をして言った。
「いると言えばいるんだけど……凶暴な魚でさ。 ほら向こうに大陸が見えるだろう?」
翔一が指差した方向に目を凝らすと確かに島が見えた。
「あそこに何かがいるって話なんだけどその魚のせいで船が沈められるから確認の仕様がないんだよね……」
「厄介な魚だな。 確かにあの距離は翔一の瞬間移動でも無理か……」
「うん。 流石に遠すぎるね。 向こうに着いた瞬間にエネルギー使い果たして死ぬなんて笑えない死に方だよ」
それを聞き、笑いながら遊真は近くにある木の影に腰を下ろした。
その木の影でミカエルは既に すやすや と眠っていた。 ウリエルもミカエルに甘える様に抱きつきながら寝息をたてていた。
「何だかんだでミカエルも疲れてたんだな」
翔一も遊真の横に座ると
「妖精王だからね……色々やることもあるんだろう。 息抜きがしたかったのかもね」
と言った。
「そうかもな」
そう言って遊真はミカエルとウリエルの方を見た。
「仲良い兄妹だな。 この二人」
「そうだね」
翔一は少し笑いながら言った。
「でもウリエルみたいな可愛い妹がいるなんて正直羨ましい……」
「……翔一嫉妬してんの?」
しばらく会話をした後、遊真はふと思った事を翔一に聞いてみた。
「なぁ翔一。 この世界ってどういう風にできてんだ?」
翔一は う~ん と少し考えた後、
「答えになるかは分からないけど世界の構造みたいな物だったら分かるよ」
と言った。
遊真は教えてもらうことにした。
「まず僕らが夜に見える星があるでしょ? そしてそれは大抵形は丸なのはそういえばって感じ?」
遊真は少し記憶を辿った。
「そうだな……確かに丸だ」
「そして僕らが今いるこの星も丸型なんだ。 正確には球だけどね」
「俺たちがいるこの星も球体なのか」
「そう。 名前は「地星」。 そして地星には二つ大陸があると言われてる。
一つは僕らがいるこの大陸「始まりの大地」。
もう一つがさっき言った「見知らぬ大地」」
「つまり俺たちはまだ一つの大陸にしか行ったことがないのか……。 正確にはまだここ以外の大陸には行ってないのか」
「そういうことになるね」
「向こうに生命体はいるのか?」
遊真は見知らぬ大地を指差した。
「たまにとても巨大な鳥が飛んでるっていう情報はあるけどね。 まぁ本当なのかははっきりとはしてない」
「そうか……」
そう言って遊真はあくびをした。
横を見ると翔一も うとうと としており、ミカエルとウリエルはまだ目を覚ましていなかった。
「ねむ……」
もう一度遊真はあくびをした。
(寝ようかな……)
そう思い、遊真は目を閉じようとしたその時、水面から何かが飛び出した。
(凶暴な魚か!?)
遊真は水面から飛び出したものの正体を確認しようとした。
その水面から飛び出したものは地面に着地した。
「な……!?」
水面から飛び出してきたものは顔と上半身は自分達の種族の女性の様な顔立ちと体つき。 そして下半身は魚という遊真の見たことのない生物だった。
異世界ということで「地球」ではなく「地星」にしました。
誤字ではありません。 意図的なものでございます。