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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
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イマジネーション

読んでいただけるとありがたいです。

「想像したことが……現実になる!?」

 翔一あまり意味を理解できていなかった。

「まぁ何でも出来るって訳じゃ無さそうだ」

(流石に全ては想像通りにはならないのか……)

「じゃあ今までは……」

「あぁ、巨大な炎や雷を想像した。 今はサタンが重力によって押し潰されているというイメージだ」

 そう遊真は言った瞬間にサタンが立ち上がり、闇の玉を放った。

 翔一は思わず身構えたが闇の玉は遊真と翔一に届くことは無く、遊真が前に出した右手の前で消えてなくなった。

(「空間(スパーツィオラオム)」まで……!)

 翔一は遊真の横にいたが、すぐに理解した。

 既に遊真と自分は レベルが違う と。

「遊真。 僕は城の上にいるよ。 そこで援護が出来そうだったら援護するよ」

「分かった。 気をつけてな。 そっちに攻撃が流れる可能性が無い訳じゃ無いからな」

 翔一は頷くと遊真の背中を軽く叩き、城の屋根へ移動した。

 遊真は右手をサタンに向け、まるで挑発するように手招きをした。

「さぁ……来いよ。 魔神王(サタン)

 サタンは歯ぎしりをし、叫んだ。

「調子に乗るな!!」

 サタンは樹木を全力(フルパワー)で引きちぎり、遊真に右手を振りかざして殴りかかった。

貫通拳(パネトレーション)!!」

 遊真にサタンの拳が振り下ろされるが遊真は軽々と片手で受け止めた。

「え……!?」

 サタンは一瞬何が起こったのか分からなかった。

 遊真はサタンの拳を持ったままサタンを地面に叩きつける様に右手を下げるとサタンは地面に叩きつけられた。

(くそ……!)

 サタンは再び右手を振り上げようとした。

 しかし右手が動かない。

(な……?)

 遊真はサタンの右手を押さえていた。

 ただ遊真はサタン右手に自分の右手を置いているだけ。

 たったそれだけでサタンの右手は動かなかった。

(ふざけるな!!)

混沌暗闇(カオスダークネス)!!」

 サタンは心の中で憤り、左手から遊真に向けて巨大な闇の玉を放った。

(別に右手は再生する。 右手ごと吹っ飛ばしてやる!!)

 至近距離から放たれた巨大な闇の玉は遊真を後退させるには十分ではなかった。

 闇の玉が遊真に当たる瞬間に闇の玉は消えていた。

「な……!?」

「さっき言ったのを聞いていただろう。 言ったはずだ。 「想像通り」になると」

 遊真がサタンの右手を持ったまま右手を振り上げた。

 サタンの体が宙に浮いた。

「返すよ」

 そう言って遊真が右手をサタンに向けると先程と同じ巨大な闇の玉を放った。

(異空間からか……!)

 サタンは体を鋼鉄鎧(アーマー)で覆った。

 自分の攻撃が直撃し、サタンは吹っ飛んだ。

 サタンは倒れる様に着地した。

(こいつ……何か弱点はないのか……!?)

 サタンは息をきらしながら遊真を見た。

 城の上で翔一は考えていた。

(遊真の「想像世界(イマジネーション)」は確かに強力だ。 でも同時に複数のことを想像するのは難しいはずだ……)

 サタンは翔一と同じことを考えていた。

(あいつは想像することで攻撃と防御を行っている。 つまりあいつの魔力は精神面(メンタル)も重要なはずだ……。

 あいつを動揺させ、想像が追い付かない程の手数で攻撃を仕掛ければ勝機はある)

 サタンはそう考え、遊真に話しかけた。

「なぁ……何故お前たちは俺たち魔神族を殲滅しようとするんだ?」

 遊真は少し驚いたが

「お前たちが俺たちの平和を脅かすからだ」

 と答えた。

「それを言うならお前たちは俺たち魔神族の平和を脅かしているぞ」

「それは……」

 遊真は返す言葉が無く、下を向いてしまった。

「どちらが始めたのか分からないこの戦い。 無駄な戦いだとは思わないか? 共存出来ればこの戦いは全くの無意味だ」

(ヤバイ!)

 翔一は息を思い切り吸い、

「遊真! 耳を貸しちゃ駄目だ!」

 と大声で叫んだ。

 しかし遊真はうつ向いたまま顔を上げようとする気配はなかった。

 サタンは遊真に歩みよりながら話を続けた。

「どちらが正義で どちらが悪なのか……。 考えても答えは出ないぞ遊真。 戦いはもう止めよう。 これ以上は誰も傷つけたくないだろう」

 サタンは遊真に手を差し出した。

「さぁ、これで休戦。 いや、共に生きようじゃないか遊真」

 遊真はゆっくりと顔を上げ、手をゆっくりとサタンの手へ伸ばしていく。

「遊真!!」

 翔一は叫んだが翔一の声は遊真には届いていなかった。

 サタンはニヤリと笑い、遊真に差し出した手を握りしめた。

貫通拳(パネトレーション)!!」

 サタンの拳が遊真に襲いかかった。

 しかし遊真はそこにはいなかった。

「あれ……?」

 遊真はサタンの腹部へ移動していた。

 遊真の拳がサタンの腹部に叩き込まれた。

「ぐ……!」

 サタンはドサリと膝をついた。

「貴……様……!」

 遊真はゆっくりと息を吐き、言った。

「どちらが正義か悪か。 確かにこれは俺には魔神族の意見を聞いたらどちらが正しいかなんて分からない。

 魔神族が俺たちに反撃をしているって理由は理解できるからな。

 でも俺たちだって魔神族に反撃をしているって理由があるさ。

 やられたらやり返す。 そうやってこの戦争は始まったんだろう。

 ……でもどちらの目線で見るかで景色は違う。 だから」

 遊真は再びサタンを見て、話を続けた。

「何が正しいかは自分で決める。

 そして俺はお前を倒す。

 これが俺が皆を守るためにやるべき「正しい」ことだと思うから」

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