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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
31/96

傷だらけの双星

 真っ二つにされたサタンが地面に崩れ落ちた。

 遊真も地面に着地した。

(死んだ……のか……?)

 そう思い、心の中で喜びを感じ始めたその時倒れていたサタンが立ち上がった。

「な……!?」

 サタンの切断面が徐々にくっついていく。

「くっそ……!」

 遊真はサタンに殴りかかったが、

炎爆発(エクスプロージョン)

 サタンの周りに爆炎が発生した為、遊真は吹き飛ばされた。

「中々いい攻撃だったぞ……」

 爆炎の中から声が聞こえ、やがてサタンの姿が見えてきた。 切断面は全て治り、何もなかったかのようだ。

「これは再生の魔力なんでな。 俺を殺したかったら細胞も一つ残らず消滅させないとな」

 翔一が遊真に駆け寄った。

「遊真!」

「悪い翔一……。 仕留められなかった」

「気にしないで。 まだ大技は出せる?」

「……一分位力を溜めれるなら「最強技」が出せそうだけどな……」

 そう悔しそうに遊真は言った。 しかし翔一は

「じゃあ僕が時間を稼ぐよ。 遊真はその間に魔力を溜めて」

 と言った。

「本気か!? 相手は魔神王(サタン)だぞ!?」

 遊真がそう言った瞬間にサタンが飛びかかってきた。

「おしゃべりは終わりだ!!」

 二人はサタンの一撃を避けた。

「さぁ遊真! 魔力を!」

「な……! 翔一!?」

 翔一の判断と行動に遊真は戸惑っていた。

 しかし翔一の迷い無い表情を見ると遊真の覚悟も自然と固まった。

「悪い……ただ無理はするなよ……翔一!」

「……出来るだけね」

 遊真はそう言って後ろに下がり、翔一はサタンへ襲いかかった。

(頼む……翔一……!)

 願うような思いを抱きながら遊真は「雷華(らいか)」に使う莫大な(サンダー)の魔力を使い巨大な雷を作り上げていく。

(もっと……もっとだ……!)

 遊真は雷を巨大化させていった。


風刃(ウィンドカッター)!」

 翔一が風の刃を飛ばすがサタンは片手でなんなく防いでしまう。

「非力だな」

 そうサタンは呟くと右手を振りかざした。

破壊衝撃波(デストロイインパクト)

 翔一に衝撃波が襲いかかるが翔一も華麗に回避した。

「もう一人は魔力溜め(チャージ)か? お前一人では足止めにもならんぞ」

「わかってるさ!」

 翔一はひるむことなく両手を広げた。

炎玉(フレイムボール)

 翔一の周りに二つの炎の炎が出来上がる。

 翔一は二つの炎の玉をサタンに放つがサタンにはダメージは無さそうだった。

「無駄だ……。 「超・身体強化(フィジカルブースト)」を使用している限り俺には中途半端な攻撃は効かん」

 翔一は一瞬黙りこんだが再び手を合わせた。

樹木束縛(プラントロック)!」

 サタンの足元に樹木が現れた。

 サタンはため息をつき、

炎爆発(エクスプロージョン)

 爆炎で樹木も焼き払った。

(弱いわけではない。 むしろ強い方だと言えるが……やはり話にならないな……

「人類」ではなく「女神族」として生まれたならば良い相手になっただろうに……)

水玉(ウオーターボール)!」

 水の玉が放たれた。

(……(ウオーター)?)

 (ウオーター)の魔力には攻撃力はあまりなく、攻撃の魔力としてはまず使われない魔力である。

 サタンの顔の大きさ程の水の玉がゆっくりとサタンに近づいていく。

 サタンは翔一がこちらに突っ込んで来ていないのを確認し、それから水玉(ウオーターボール)を回避した。

(……こいつ何を……?)

 攻撃スピードの遅い技を使った翔一にサタンは疑問を感じていたがすぐに答えは出た。

 翔一は先程から反撃を絶対に回避出来るように最低限の攻撃しかしていなかった。

 そして今の様にゆっくりと回避してくれるなら好都合である。

「お前……時間稼ぎを……! それも自分自身も魔力を溜めれるようなやり方で……!」

「ありゃ……バレたか」

 まいったなとでも言うように翔一は自分の頭をかいた。

 サタンが遊真の方に目をやると遊真の姿がなかった。

(……どこへ行った?)

 サタンは遊真が気になったが翔一の方を見た。

「ここからは……俺が攻める!」

 サタンは一気に翔一との距離を詰め、拳を突きだした。

「ぐ……!」

 ボキボキと翔一は自分の骨が砕かれるのを感じながらその場に崩れた。

「超・身体強化(フィジカルブースト)」+「予知(フォーサイト)」の魔力で翔一は回避する事が出来なかった。 そして「超・身体強化(フィジカルブースト)」+「破壊(デストロイ)」の魔力でサタンの攻撃力は格段に上がっていた。

「残念だったな……!」

 そう言ってサタンが拳を振り上げた瞬間。

 サタンの頭部が水に包まれた。

(な……!?)

 サタンは一瞬ひるんだがすぐに冷静さを取り戻した。 しかしサタンの顔を包んでいる水の玉の内側から風の刃が飛び出した。

「ぐっ!」

 サタンは目を斬りつけられ目を押さえて一歩後ろへ跳んだ。

 サタンは目のキズが治ると周りを見渡した。

 すると目の前に翔一が二人いた。

 一人は後ろで倒れており、一人は普通に立っている。

水玉(ウオーターボール)イン風刃(ウィンドカッター)

 そう翔一は自慢気に言った。

「こいつ……!」

 サタンは怒りながら翔一を睨み付けたその瞬間に立っていた翔一が突如木に戻り、そのまま倒れた。

「何だ……そっちが分身だったのか」

 サタンは分身の後ろに倒れたままの翔一を見ながら言った。

「本当は入れ替わるつもりだったんだけどね……。 突っ込んで来るスピードが速すぎて失敗した」

 翔一は動こうとするが体が動きそうになかった。

 サタンは翔一に歩みより、再び拳を振り上げた。

貫通拳(パネトレーション)

 そう言ってサタンの拳が振り下ろされようとした瞬間。 雷がサタンの顔に当たった。

 サタンが攻撃が飛んできた方向を見ると遊真が立っていた。

 右手には小さな雷を纏っていた。

(あの光……)

 遊真の手を纏っている雷は小さい。 小さいがとてつもなく光輝いていた。

 遊真はその右手を後ろに下げ、腰を下げた。

 雷神鉄槌(トールハンマー)と同じ構えである。

「来い……!」

 そう言ってサタンは構えた。

 どんな技であろうと対応出来る様に……。

 次の瞬間、遊真が消えた。

(……!?)

 消えた瞬間サタンは自然と後ろを見た。

 後ろには翔一と遊真がいた。

 翔一の右手から樹木が伸び、遊真の右足に触れていた。

(あいつ……! 樹木を地下を通らせて遊真に触れ、瞬間移動をしたのか……!)

全てを切り裂く雷の虎(サンダービースト)!!!!」

 遊真の腕から十五メートル程の巨大な虎がサタンに襲いかかった。

「ぐ……あああぁぁぁぁ!!」

 虎がサタンに噛みつき、サタンが絶叫する。

「この技の速さは雷の速度。 避けられはしない。 そして雷が細胞を一つ残らず死滅させる」

「ぐああぁぁぁぁ!」

 そして雷の虎が膨大な雷を放電しながら爆発した。

 サタンの姿はそこには無かった。

「終わった……」

「うん……」

 そう言って遊真と翔一は倒れた。 翔一はもう疲労で喋れそうになかった。

 遊真は息を切らしながら言った。

「これで……。 魔神王(サタン)は……!」

「死んだな」

「「えっ……!?」」

 腹部に打撃をくらい、二人は吹っ飛んだ。

 前には死んだはずの魔神王(サタン)が立っている。

「死んだな……。 一回は」

 サタンは首を回しながら遊真たちに歩み寄る。

「何で……だよ……!」

「「命の復元(リセット)」っていう魔力だ。 簡単にいうと一生に一度だけ自分の死をなかったことに出来る。 つまり一回は俺は死んだ訳だ。

 まぁ何よりもこの魔力で便利なのは分裂したら分裂した二人とも一回ずつ使えるってことだな」

「く……そ……!」

 遊真はゆっくりと立ち上がるがフラフラな状態だった。

「大したものだ……。 流石は女神族といったところか。 まぁ男っていうのが少し気になるがな」

 そう言ってサタンは右手を遊真に突き出した。

貫通拳(パネトレーション)

 サタンの拳が遊真の腹部を貫いた。

「ごふっ……!」

 と遊真は吐血する。

 サタンは腕を振り、遊真は城に飛んでいった。

 壁を突き破り、遊真は倒れた。

(もう……力が……)

 遊真は意識が遠くなるのを感じた。

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