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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
28/96

戦場への瞬間移動

更新不定期で本当に申し訳ございません……

読んでいただけるとありがたいです。

(ゼウス様……)

 そう遊真はゼウスのことを気にかけていた。

(いや、今はこいつを倒さないと……!)

 そう思いながら遊真はべリアルに攻撃を仕掛けようとするがウリエルをおんぶしている為動きがいつもの様なスピードでは移動出来なかった。

「ゼウスが心配か?」

 そうべリアルが言った。

「いや、ゼウス様なら問題ないさ」

 そう遊真は冷静に答えた。

 本当は真逆のことを考えていたがその事でべリアルに動揺を誘われると考えたからである。

 その時反対側の入口からある男の子が入ってきた。

「遊真! ウリエル!」

「翔一!」

(チャンスだ!)

 そう遊真は思った。

 べリアルは遊真と距離をとるために遊真とは対角線上の位置にいた。

 つまりサタンの方へ向かう出口の近くにいる遊真と距離をとるために入口近くにべリアルはいたのである。 つまり今べリアルの真横に翔一がいるのである。

 翔一は一瞬で状況を理解し、べリアルに飛びかかった。

(流石だな……!)

 遊真もべリアルとの距離を詰めようと走り出した。

怒神鉄槌(ブレイクハンマー)!」

 翔一の拳がべリアルに放たれたがべリアルは壁に叩きつけられただけでそれほどダメージは無さそうだった。

(あれ……? さっきはサタンでも吹っ飛ばせたのに……。 まぁさっきは遊真がいたけど……)

 べリアルはすぐに反撃の構えをとった。

貫通拳(パネトレーション)!」

 べリアルは拳を翔一に向かって突き出したが翔一の姿がそこにはなかった。

(な……!?)

 翔一は既にべリアルの拳が届かない距離へ瞬間移動していた。

 遊真はウリエルをお姫様だっこ状態で抱きかかえてベリアルに向かって行く。

「ごめんなウリエル」

「大丈夫。 でもキャッチしてよ?」

 遊真はウリエルを上に投げた。

(馬鹿が……! 俺は一人でも減らせれば万歳なんだよ……!)

 べリアルは既に 生き延びる という意思はなかった。

 自分でこの負傷では助からないと悟ったからである。

 べリアルが右手を振り上げた時、遊真の体が雷に包まれた。

雷華(らいか)!!」

 遊真はべリアルが拳を降り下ろす前にべリアルの懐に入っていた。

「な……!」

「ウリエルには攻撃させねぇよ」

 遊真は右手に雷を集中させていた。

 べリアルは回避を試みたが足が樹木に縛られていた。

 遊真と空中のウリエルの後ろでは翔一が手を合わせていた。

雷神鉄槌(トールハンマー)!」

 遊真の一撃がべリアルに放たれ、べリアルは地面に倒れた。

 遊真は「雷華(らいか)」を解除し、落下してきたウリエルを受け止めた。

「大丈夫かウリエル?」

「うん。 ありがと遊真♪」

 翔一が二人に駆け寄った。

「大丈夫二人とも?」

「あぁ、俺は体がもう痺れまくりだけど……」

「私もう動けない~」

(二人とも体力消耗が激しいな……)

 そう翔一は感じた。

 遊真は はっ と思い出した様に

「翔一! 大輝様は?」

 ときいた。

「大丈夫。 とは言えないけどまだ生きてる。 内臓へのダメージが大きいって女神族の人が言ってた」

「遊真! お兄ちゃんを……!」

 とウリエルは遊真の腕の中でじたばたしながら言った。

「ちょ、暴れるな……!」

 遊真は一旦ウリエルを下ろし、おんぶをして、ミカエルの元へ向かった。

「ミカエル……!」

 ミカエルは当然意識はなく、腹部から血を流し続けていた。

「出血がひどいな……。 とりあえず止血しないと」

 そう言って翔一はミカエルの腹部を回復魔力で治療し、止血した。

「とりあえずこれ以上血が出ることはないな」

 と遊真は言った。

「でもこれはただ止血しただけだよ。 怪我が治った訳ではないし、血は足りてないはずだ」

 と翔一はミカエルをおんぶしながら言った。

「お兄ちゃん…………」

 ウリエルは遊真の背で目に涙をためながら力無く小さく呟いた。

 少し走ると女神族と人類とガブリエルの姿が見えた。 周りに魔神族の姿は見えない。

 ガブリエルは遊真達の姿に気づくと駆け寄ってきた。

「ウリエル!」

「お姉ちゃん! 遊真おろして」

 ウリエルは遊真の背中から下りると倒れるようにガブリエルに抱きついた。

「ガブリエル様。 ラファエル様の様子は?」

「腹部をやられていたわ。 とりあえず止血はしたけれど……。 ミカエルは?」

「ミカエルも同じ感じですね」

 そう言って翔一はミカエルを下ろした。

「ミカエル……」

 そう悲しそうに呟きながらガブリエルはミカエルの頬を撫でた。

(ウリエルが妹みたいって言ってたな。 じゃあミカエルは弟になるのか……?)

 そう遊真はそんな事を考え、ガブリエルがどれ程傷ついているか理解した。

「皆さん! 洞窟の外にいる方々と合流しましょう!」

 と既に説明は済んでいるらしく、ガブリエルはそう言った。

 人類が大輝を背負い、今度は遊真がミカエルを背負い、翔一がラファエルを背負った。

「行きましょう!」

 そう言ってウリエルをおんぶしたガブリエルが出口に向かった。

 ウリエルはガブリエルの背中で寝息をたてている。

(相当疲れてんだな……。 まぁ普通寝ないけど)

 そう遊真は少し笑いながら思った。

 出口へ向かう途中、洞窟内にいる魔神族は全滅したのか一匹も見つからなかった。

 洞窟の外に出ると女神族と天使族が大半が休み、少しの者が戦っていた。

 大分数が減り休憩出来る余裕もできたのであろう。

「ガブリエル様! ウリエル様! よくぞ御無事で!」

 天使族と思われる二十人程がガブリエルの周りに集まった。

「ありがとう。 私は大丈夫よ。 ウリエルもかなり疲れてるけど特に怪我は無いわ。 けどミカエルとラファエルが重症ね……」

 遊真と翔一が天使族の人達にミカエルとラファエルを渡した。

「ミカエル様……ラファエル様……」

 天使族の人達がみんな悲しそうな表情になった。

 ミカエルがそれだけ皆から慕われているのだと遊真は感じた。

「二人は集中治療が必要です。 ですが今、街には魔神王(サタン)がいるので治療は出来ない」

 そのガブリエルの言葉に天使族は戸惑いガブリエルにそれぞれ質問を浴びせたがガブリエルは右手をあげ、

「質問は今は無しです。 これから翔一と遊真が魔神王(サタン)と応戦します。 私たちは負傷者の治療を行い、その後援護に向かいます。 これだけ人数がいれば護衛と治療を分担出来ますから」

 と皆の言葉を制した。

 皆質問はありそうな顔だったが黙って頷いた。

 そしてガブリエルは遊真と翔一の方を見た。

「遊真。 翔一。 お願い」

「「はい」」

 そう二人は静かに言った。

 すると女神族が

「遊真。 翔一。 すこしでも回復していって」

 と言い、遊真と翔一の体力を回復した。

「いいんですか? 体力回復って自分の体力を分け与えるから自分達の体力が消耗するんじゃ……」

 そう遊真が言うと女神族はまるで大丈夫と言う様に微笑んだ。

「遊真。 翔一。 私に手伝わさせてくれ」

 そう言って人類一人の男性が遊真達の前に歩いてきた。

「私の「覚醒魔力」は念動力(サイコキネシス)だ。 君達を上空へ持ち上げる。 そしたらここからでも街が見えるはずだ」

 翔一は頭を下げると

「お願いします」

 と言った。

「私達もすぐにむかうからね」

 そうガブリエルが言い、天使族・女神族・人類の全員が頷いた。 しかしその顔は不安気な表情だった。

「いくぞ!」

 遊真と翔一はくっつくと上空へ持ち上げられた。

 雲がすぐ横にある。

 思わず震えてしまうような寒さに少し驚きながらも街の方向へ目をやると街の一番大きな建物が見えた。

 翔一の瞬間移動(テレポート)は目に見える範囲ならばどこへでも移動出来る。

 二人は既に覚悟は出来ていた。

「行くよ! 遊真!」

「あぁ!」

 翔一は遊真ともに街へ瞬間移動した。

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