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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
24/96

雷華

少し長くなりました。

読んでいただけるとありがたいです。

 場面は変わり……⑦番トンネル。


 バチバチと迸る雷を遊真は纏った。

 それを見てルシファーは思った。

 当然強そうとかさっきまでとは違う等は思ったが何よりも

「美しい」

 そう思った。

「貴様……それは……」

「……華の様に美しく、儚い(いかづち)。 この技の名は「奥義・雷華(らいか)」」

「奥義……だと……」

(馬鹿な……! どれ程の魔力の強さで「奥義」と呼ぶかはその女神族次第だ……。

 だがこいつの魔力の強さ……女神族上位の「奥義」にも劣らない……!)

 ルシファーはそこで気付き、ふっと笑い、

「……なるほど。 これが「奇跡の子」か」

 と言った。

「あぁ……これが今の俺の全力だ」

 バチバチ と遊真の体を纏う雷が音をたてる。

(遊真……)

 翔一は心の中で遊真を気をかけていた。

(やはり遊真は(サンダー)の魔力が得意だったんだな)

 翔一がそう確信した理由は三つ

 一つ目は自分と戦った時に二番目に使えたエレメントが雷だったから。

 二つ目はミカエルとの戦いで雷の肉体強化を行うことが出来たから。

(普通あんなことしないしね……)

 翔一は クスッ と笑うとそう思った。

 そして三つ目は今「奥義」として(サンダー)の魔力を使っていることである。

 雷華という技はミカエルとの一戦で使った雷の肉体強化と同じ物である。

 しかし決定的に違うのは圧倒的な(サンダー)の魔力の強さ。

 故に今遊真の体には莫大な負荷がかかっていた。

(長引くと心臓が止まる可能性もある危険な技……。 急いで勝負を決めないと……!)

 翔一は遊真の後ろで魔力を使うべく構えた。

「行くぞ!!」

 そう遊真が言ってルシファーに突っ込んだ。

(速……!)

 そうルシファーが思った時には遊真の拳がルシファーの頬をとらえていた。

 まともにパンチをくらい、ルシファーは後ろに吹っ飛んだ。

「この……!」

 ルシファーが前を向くと遊真が手を上げていた。

落雷(フォールサンダー)!!」

 巨大な雷がルシファーに迫った。

(先程とは威力と大きさがまるで違う……!)

 ルシファーは剣を手放し、両手を上にあげて遊真の放った雷を異空間に飛ばした。

 そしてルシファーが再び遊真の方を見たときには遊真は目の前にいた。

 ドン!! と遊真の拳が次はルシファーの腹部にめり込んだ。

「がっ……!」

 ルシファーはかろうじて剣を掴み、吹っ飛ばされた。

(危なかった……。 剣を手放すとあやつの雷の剣を異空間に飛ばすこと以外受けることが出来んからな……)

 ルシファー息をきらしながら立ち上がった。

「行くぞ!」

 次はルシファーが遊真に突っ込んだ。

 ルシファーが剣を振り下ろすが遊真は既に圧倒的なスピードでルシファーの後ろに回り込んでいた。

(そうくると思ったよ!)

 ルシファーは体をくるんと回転させながら剣を左手で持ち、右手を遊真に伸ばした。

 しかし触ろうとした瞬間に遊真はそこにいなかった。

「!?」

 ルシファーが上を向くと遊真が右手で雷の玉を作っていた。

(やはり速い……!)

雷大砲(サンダーキャノン)!」

 遊真の右手から巨大な雷が放たれた。

 ルシファーが手を上げようとした時、横から炎が襲いかかった。

「な……!?」

 炎が向かってきた方向には翔一がいた。

「く……!」

 ルシファーは右手で炎を 左手で雷を消そうとした。

 しかし威力がルシファーの想像を越えていた。

(雷が消しきれない!?)

 ルシファーはとっさに剣で身を守るように構えた。

 落雷の爆音と共にルシファーが煙に包まれた。

 遊真は軽やかに地面に着地した。

 そして煙が突如消え、ルシファーがゆっくりと立ち上がった。

「まさか……空間をねじ曲げられないとはな……」

「思ったより威力が高かったかい?」

 遊真はニヤリと笑いながら言った。

「あぁ……そのようだ」

 そう言うとルシファーの剣が消えた。

「!?」

 遊真と翔一は驚いた。

「今更何を驚いている? 剣を異空間に飛ばしただけだ」

「いや、剣はもう要らないのかと思ってさ」

「要らない という訳ではないが お前相手には両手が空いている方がいいと思ってな」

「確かに飛ばしやすいかもな」

 そう言って二人は再び構えた。

 そして次に突っ込んだのは遊真だった。

 しかし、ルシファーは読んでいた。

 遊真はスピードをまだ完全にコントロールすることが出来ておらず、直線的な動きがメインになると。

(くるところが分かっているなら触れるのは難しくない!)

 実際に遊真はルシファーに真正面から拳を突き出していた。 ルシファーは左手で遊真の拳を、右手を遊真の体に伸ばした。

 しかし突如ルシファーの両側に炎の玉が現れた。

 翔一の炎玉(フレイムボール)である。

 翔一には正直 遊真の超スピードにあわせてエレメントの魔力を使って援護していくのは無理があった。

 しかし翔一は諦めずにずっとルシファーの隙をうかがい続けた。

 その結果。 今放った一撃はルシファーに判断を迷わせる物だった。

(ご丁寧に両側から……片手では同時に消せぬ様に!)

 ルシファーは一瞬迷ってしまった。

 遊真の一撃に耐え、翔一の炎を消すか。

 翔一の攻撃を耐え、遊真に触れて異空間に飛ばすか。

 そしてルシファーは後者に決めた。 しかし明らかに考えてしまったその時。

「考えてしまった」からこそ遊真の動きに反応が遅れた。

(!?)

 ルシファーが気づいた時には拳に雷を集中させた遊真が懐に入っていた。

(こいつ……!)

 ルシファーが手を伸ばしたタイミングは完璧だった。

 ルシファーは最初に殴り飛ばされた時に遊真のスピードを把握した。

 そのスピードに合わせて手を伸ばせたのは流石は魔神族の二強の一人と言えるだろう。

 しかし、最初の一撃は遊真の「最速」ではなかった。

(ワープを……!)

 ルシファーはそう思った瞬間に断念した。

 翔一の様な「瞬間」移動なら可能だったかも知れないがルシファーのワープは一旦自分を異空間に飛ばす必要がある。

 しかしルシファーには自分を飛ばす為だけの時間は残されていなかった。

 遊真は全ての雷を右手に集中させていた。

雷神鉄槌(トールハンマー)!!!」

 遊真の拳がルシファーの腹部に放たれた。

 バリバリと凄まじい雷がルシファーの体を駆け巡り、ルシファーは吹っ飛ばされた。

「まだだ!!」

 ルシファーは意識を保っていた。

「な!?」

(何で!?)

 これは遊真の正直な気持ちだった。 何故ルシファーは命を落とすどころか意識を保てているのか。

 遊真はルシファーの左手が酷く損傷している事に気づいた。

(まさかあいつ……! 左手をとっさに俺の拳と自分の体の間に入れて……雷を少しだけ異空間に飛ばしてダメージを軽減した!?)

 遊真は拳を振り抜いたあと再び構えようとした。

(遅い!)

 ルシファーは右手を遊真に向けた。

(異空間から剣を飛ばす!あいつを貫いてやる!)

 その瞬間。 遊真がニコっと笑うと再び構えた。

 ルシファーは一瞬意味がわからなかった。

 しかし瞬時に理解し、後ろをみた。

 後ろには身体強化(フィジカルブースト)の光を右足に集中させた翔一がいた。

(瞬間移動か……!)

怒神脚撃(レッグブレイク)!!」

 翔一の蹴りがルシファーの背中をとらえた。

「が……!」

 ルシファーは再び吹っ飛ばされた。

 しかし蹴飛ばされた方向に遊真がさっきと同じように構えている。

(あいつの……肩に触れる! そうすれば……!)

 そうルシファーは思い、手を動かそうとした。

 しかしまだ動くはずの右手が動かない。

「!?」

 ルシファーは自分の右手を見た。

 ルシファーの右手は自分の右足に樹木で縛られていた。

樹木束縛(プラントロック)

 と翔一が呟いた。

(あ……い……つ……!)

 ルシファーが翔一のことを思った時にはルシファーはもう、遊真の目の前だった。

雷神鉄槌(トールハンマー)!!!」

 再び遊真の拳がルシファーをとらえた。

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