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魔力大戦 ~magical world~  作者: アッキー
「覚醒魔力」と「魔神族」
23/96

「女神女王」vs「魔神王」

 女神族。 前回も書いたように彼女達はあまり実力差がない。 覚醒をしないため「覚醒魔力」と呼ばれる物がないからである。

 では、順位を決めるものは「何」なのか?

 それは「奥義」と呼ばれる物である。

「奥義」。 それは彼女達が極めたある魔力である。

 ある者は炎。 またある者は雷。

 これは女神族の者の「得意な魔力」を極めることによって「奥義」と呼ばれる物になりうる。

 つまり女神族は「覚醒魔力」がない変わりに「得意な魔力」を女神族特有の成長の早さによって脅威的に高める。

 これが「奥義」。

 しかし当然個人差はある。 「それはどれ程にその魔力を極めたか」によって異なったりする。

 そしてこの「奥義」と呼ばれる技が異常なまでに強いものが存在した。

 彼女達はその者を「全知全能」。

 その意味をこめてこう呼ぶ。

 ゼウスと……



 時は少し遡り、④番トンネル。

「ゼウス……か……。 強そうな名前だな」

 サタンがそう呟いた。

「そう思っていただけるとありがたいですね。 仲間達もそういう感じの意味で呼んでくれているので」

 とゼウスは少し微笑みながら言った。

女王(クイーン)ってことはあんたが一番強いのか?」

「えぇ。 私が私達の仲間達の中で「最強」です」

 ゼウスがそう答えるとサタンは笑い声をあげた。

「随分と自信があるようだな! まぁ楽しませてくれよ」

「ふふ。 そちらこそ「全知全能」の力をその身に刻んで下さいね」

 そう言って二人は構えた。

 そして二人とも体が光に包み込まれた。

 身体強化(フィジカルブースト)。 そう呼ばれる魔力である。

 そして最初に攻撃を仕掛けたのはサタンだった。

 サタンは右手を振り上げ、ニヤリと笑った。

破壊衝撃波(デストロイインパクト)

 サタンの右手から衝撃波が放たれた。

(衝撃波!?)

 ゼウスは予想外の攻撃だったが至って冷静だった。

 ゼウスは横に飛んで衝撃波を避けた。

炎大砲(フレイムキャノン)

 ゼウスの放った巨大な炎がサタンに直撃した。

 ドスンとサタンの巨体が地面に激突した。

 しかしメラメラと燃えていたはずの炎がまるで水をかけられて消えた様な音をたて消え、サタンはムクリと立ち上がった。

「一応貴方の十メートル程ある体を包めるように巨大な炎を強めに撃ったんですがね……」

 サタンはニヤリと笑うと

「残念だったな。 俺の魔力の前にはこの程度では俺を倒すことはできん」

 と言った。

「なるほど……。 ではもう少しだけ本気を出してみましょうか」

「あぁ、遠慮なく来てくれよ。 五年も命をかけて戦ってねぇからな。 久々にスリルってもんが欲しいもんだ」

 とサタンはニヤリと笑いながら言った。

「それにしてもさっきの衝撃波。 あれが貴方の魔力ですか?」

「フッ。 いや、これは俺の右腕 ベリアルの魔力だ。 俺の魔力は「細胞吸収(アブソープション)」。 血を舐めた相手の魔力を使えるようになる。 まぁ使えるようになるって言ってもいきなり本人よりは上手く使えねぇよ? でも「使える」。 これが強みだ」


 覚醒魔力や魔神族の魔力という物は本来はその本人しか使えない物である。

 つまりいくら修行を重ねたり、いくら練習したとしても「破壊衝撃波(デストロイインパクト)」は使えるようにはならない。 不可能なのである。

 理由は「衝撃波を出せる」魔力がないからである。

 逆にいうと「衝撃波を出せる」魔力があるものは威力に差はあれど、衝撃波系の魔力は使えるのである。

 この使えるか使えないかは才能や遺伝子の問題である。

 しかしサタンのこの魔力はその遺伝子を取り込むことが出来る魔力であった。

 つまり使える可能性が0ではないということである。


「なるほど。 それが貴方の魔力ですか」

(つまり五年前にサタンが私達 女神族 妖精族 人類の誰かの血を体に取り込んでいる場合……サタンは全ての魔力を使える可能性がある……)

 とゼウスは言いながらこのように考えていた。

(一番厄介なのは「覚醒魔力」をとられている場合ですね……)

 ゼウスはサッと左手を自分の右側に動かした。

風刃(ウィンドカッター)!」

 ゼウスは左手を振り、風の刃を飛ばした。

 サタンは右手でガードしたが右手が深いキズをおった。 しかしサタンの腕のキズがみるみるうちに治っていった。

「な……?」

「驚いたか? いい魔力だろ? 「再生(リバイブ)」っていう魔力だ」

(あの脅威的な回復力……おそらく「覚醒魔力」ですね)

「ベリアルの魔力を筆頭に魔神族上位の魔力。 貴様らと同じエレメントと呼ばれる魔力。 そしてこの再生可能な魔力。 これが俺の力だ」

 とサタンは 王 らしく全てを屈服させるように言った。

「確かに厄介な力ですね」

「……そう言うわりにはあまり焦りの色がないな」

「えぇ……別に危機(ピンチ)って訳でもないですからね」

「そうかい!」

 とサタンは再びゼウスに殴りかかった。

 ゼウスはサタンの一撃をサタンに近づきながら避けた。

怒神鉄槌(ブレイクハンマー)!」

 ゼウスの拳がサタンの腹にめり込み、サタンは後ろに吹っ飛び、壁に激突した。 しかしサタンはまるで何もなかった様に立ち上がった。

「無駄だ」

(再生の魔力……思ってたよりも回復力が高い……)

 とゼウスはサタンの方を見ながら思った。

「お。 少しは危機感が出てきたんじゃねぇか?」

「フ。 別にそうでもないですよ」

「そうか。 なら危機感を与えてやるよ。

 俺のもう一つの魔力は「分裂(ディビィジョン)」。 姿や形はもちろん力すらもそのまま二人まで分裂することが出来る。 今頃俺の片割れが手薄なお前らの街を襲っているだろう」

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