「大天使・ウリエル」vs「四天王」
明日も電車の中で酔わなければ更新出来そうです。
読んでいただけるとありがたいです。
二人の決着が着く前。 ③番トンネル。
「炎玉(フレイムボール!)」
ウリエルはアスタロトに炎の玉を放った。
「あらあら、乱暴なお嬢ちゃんね」
アスタロトは簡単に炎の玉を避けてしまった。
(速い……)
ウリエルはそう感じた。
「これが私の魔力 予知。 相手の動きを少し先読み出来るの」
「へぇ……凄いじゃん!」
そう言いながらウリエルは手をアスタロトに向けた。
「光雷!」
ウリエルが放った雷がアスタロトに襲いかかる。 しかしまたアスタロトはヒラリと避けてしまった。
(むぅ……当たんないじゃん!)
ウリエルは少し頬を膨らませた。
「まぁまぁ。 そんな怒らないでよお嬢ちゃん」
「だって当たんないんだもん……」
「いや、だからそれが私の魔力なの」
アスタロトは少し返答に困りながらそう答えた。
「じゃあ次は私の番ね!」
アスタロトはウリエルに向かっていった。
「身体強化」
ウリエルは身体強化を行い、続いて、
「水鞭!」
と、ウリエルはアスタロトの動きを止めようとしたがアスタロトは水の鞭を避け、懐から取り出したナイフでウリエルを切りつけた。
「いった~い!」
ウリエルは傷口を押さえ、後ろに跳び距離をとった。
ウリエルは傷口を回復魔力で治した。
「あら、回復魔力が上手いのね。 それがお嬢ちゃんの使う「覚醒魔力」かしら?」
「……そうだよ」
ウリエルは少し拗ねた様に答えた。
「攻撃は当たらない。 「覚醒魔力」は回復魔力。 お嬢ちゃんには勝ち目は無いわね」
「そんなことないもん!」
ウリエルは右手を上げた。
「落雷!」
アスタロトに雷が落ちるが、アスタロトはまたしてもヒラリと避けてしまった。
アスタロトはそのまま距離を詰めてくる。
「シールド!」
ウリエルは周りにシールドを張った。
(攻撃系の魔力は無さそうだから、シールド使っちゃえば攻撃はくらわないよね)
「あら、そういう作戦?」
アスタロトは一旦下がると違う武器を取り出した。
大きな銃の形をしている。
ダダダダダダダダとアスタロトは発砲してきた。
「キャッ!」
ウリエルは銃弾の威力が想像より強く、シールドを前に集中させた。
(多分自分の魔力を何らかのエネルギーに変えて、銃を使って銃弾として撃ち出してる……。 普通の銃弾じゃこんなに威力は高くないもんね……)
アスタロトは笑いながら
「さぁ、お嬢ちゃん。 そのまま受けてても体力が尽きるだけよ。 どうする?」
と言った。
(あいつのいう通りだ……。 このままじゃ体力なくなっちゃう……)
当然銃弾を撃ち続けているアスタロトも体力は消耗し続けている。
しかし、ウリエルは元々体力があまりある方ではなかった。
何よりアスタロトの使っている銃のエネルギー効率も良かった。
「そろそろ終わらせて貰おうかしら!」
アスタロトは銃を撃ちながらウリエルに距離を詰めていく。
「あー、もう。 しょうがないな!」
ウリエルはシールドを一旦解き、ジャンプでアスタロトを飛び越えながら懐から笛を取り出した。
(……笛?)
アスタロトは不思議に思った。
(笛……明らかに攻撃する武器ではない。 いったい何を……?)
ウリエルは着地すると笛を吹き始めた。
綺麗で可愛い音色が流れてくる。
「笛を吹いて何になるの?」
アスタロトはウリエルをもう一度切りつけようとナイフを手に持ち、飛び掛かった。
しかし、ウリエルまで後三メートル程の所でアスタロトの動きが止まった。
(……!?)
アスタロトは一旦後ろに跳び、距離をとった。
(何……今の……? あの子に……攻撃を仕掛ける事が出来なかった……?)
アスタロトは困惑した。
(何故……? それはあの子が……か、……可愛いかった……から……?)
「いったい何を!?」
アスタロトはウリエルの方を見ながら言った。
ウリエルは一旦笛から口を離し、答えた。
「「覚醒魔力」魅了」