開戦
ただの説明回みたいになってしまいました……
読んでいただけるとありがたいです。
「光雷!」
洞窟内も魔神族が無限に出てくる様だった。
遊真達は主力である「魔神族の幹部に対抗できうる者」達を出来るだけ消耗させない様に女神族を中心に戦っていた。
「にしても多いね……」
翔一が少し疲れた声で呟いた。
「でもそろそろ……」
遊真の言う通り出発前に見た地図にあった通り 七本の分かれ道があった。
「どうします大輝様?」
「ここからは分かれて戦う事になる。
右から①番そして一番左を⑦番としよう。 一哉、頼むぞ」
「了解」
一哉と呼ばれた青年が手を額に当て目を閉じた。
(あの人は……確か人類二位の人だ……)
遊真はそう思った。
「……すみませんどこも大きな邪悪な魔力で満ちていて……四天王と幹部の区別がつきません……
しかし、④番。 真ん中に一番強い魔力を感じます」
「了解だ。 これより魔神王討伐作戦を開始する!
皆はこれより先に魔神族を侵入させない事に専念してくれ!」
そして大輝は遊真と翔一の方を向き、
「君達にも戦闘に参加してもらう」
と言った。
「え!?」
「了解です」
遊真は驚いたが翔一はもう覚悟を固めている様だった。
(そうだよな……ここまで来たんだ! やってやる……!)
遊真も心なかで覚悟を決めた。
そして大輝は また皆の方を向いて言った。
「これより我々は魔神族の最強クラスの戦闘を行う。
そして勝ち残った者達で魔神王を討つ」
大輝の言葉に皆が頷くと大輝は王達の方を向いた。
「私が①番、ミカエルが②番、ウリエルが③番、ラファエルが⑤番、ガブリエルが⑥番、遊真、翔一が⑦番だ。
そして女王。 貴女には④番をお願いしたい」
「了解!!」
皆は声を合わせてそう言った。
「皆の武運を祈る。 行くぞ!」
そしてそれぞれが別のトンネルに入っていく。 後ろでは既にトンネルに近づいてきた魔神族と十人程の女神族と人類が戦闘を開始していた。
「……行こう。 遊真」
「あぁ……」
遊真と翔一もトンネルへ向かった。
①番トンネル。
ガタイのでかい男が中央の大きい椅子にどっしりと座っている。 男は低い声で名乗った。
「我が名はバアル……貴殿は……?」
「「人類王」大輝だ」
大輝は帯刀していた剣を抜いた。
②番トンネル。
三メートルはあるだろう巨大な男が拳をならしながら低い声で名乗った。
「我が名はべリアル……。 お前は……?」
「「妖精王」ミカエル。 お前幹部だよね?」
ミカエルは少し笑いながら青い盾を出した。
③番トンネル。
髪の長い華奢な女が中央に立っている。
「あら、可愛らしいお嬢ちゃんね……。 私の名前はアスタロト お嬢ちゃんは?」
「「妖精族 大天使」ウリエル 甘く見ないでよ」
ウリエルは手を前に出した。
⑤番トンネル。
髪は金色で机の様な物に足をかけている男がいる。
「あーー! やーーっと来たか待ちくたびれたぜ。 俺はロキてめぇは?」
「「妖精族 大天使」ラファエル。 態度の悪い奴だな……」
「へっ……俺の勝手だろ!」
ロキがラファエルに突っ込み、ラファエルは迎え撃つべく構えた。
⑥番トンネル。
鎧を来ている者が中央で剣を地面に突き刺して立っている。
「我が名はアモン。 お主は?」
「「妖精族 大天使」ガブリエル」
アモンは地面から剣を抜いた。
少し戻り ④番トンネル。
そこはかなり広い所だった。 直径百メートルはあるだろう半円形でドーム状の場所だ。
そこの一番奥に巨人の様な男が巨大な椅子にどっしりと座っている。
男は立ち上がると十mはあるだろう巨体を軽く動かしながら腹に響く様な声で名乗った。
「俺がサタンだ……。 あんたは?」
「「女神族 女王」ゼウス。 良かったわ④番が当たりで」
二人は向かい合った。
そして……⑦番トンネル。
剣を持ち、翼の生えている長身の者が椅子足を組んで優雅に座っている。
「おやおや、もっと魔力の強いお方がくるかと思いましたが……。 私の名前はルシファー。 あなた方は?」
二人は ふう と息を吐くと言った。
「「今期人類一位」翔一」
「「奇跡の子」遊真だ」
ルシファーは興味深そうに
「ほう……「奇跡の子」……。
なるほど、確かに魔力の感じが「人類」だけではありませんね……」
と言った。
「遊真……こいつは「魔神王の両腕」の一人だよ……」
「分かってる……」
ルシファーは立ち上がり言った。
「さて……まぁこうしているのもなんですし……始めましょうか……」
「行くよ!遊真!」
「あぁ!」
「「身体強化!」」
二人はルシファーに向かっていった。