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疑い

千浪の母親、林育代はみどりの隣の部屋に入居している。

同じ建物でも階によって全く雰囲気が異なることがある。

余りぱっとしない雑居ビルでも、エレベーターから一歩踏み出した途端に足下に玉砂利が敷き詰められ、路地を演出し、その先に料亭の玄関が控えていたりする。

逆に、賑やかな屋台村のようなフロアも有るだろう。

住居用のマンションにも同じような事が言える。

フロアによって、類は友を呼ぶのか、どの玄関もスッキリと清潔に整然としている階が有れば雑然と生活臭の漂う階もある。

何故かいつも廊下には砂がこぼれ、どの玄関ドアの前にもベビーカーや子供の手押し車が放置され、手すりには掛けっぱなしの傘が威圧的に場所を取っている。

みどりの住む、ネオパークの12階もその状態に当てはまる。

廊下中に住人の主張の塊のような私物が溢れている。

新築入居開始の時からの入居者で、たまたま新婚家庭が集まったのが12階だった為、同じくして子供が出来、一斉に子育てに入った。

その為、ネオパークの中でも12階の主婦たちは団結しているように見えた。

皆、同じように私物を共有廊下に放り出し、マンション敷地内の公開空き地の公園でも自分たちの遊び場所やベンチを確保して他の親子を排斥していた。

その傍目には感心出来ない行動を率先し、いち早くボスとして頭角を現したのが林育代だった。

みどりはすぐに林育代に気に入られるように振る舞い、隣同士の親密さを演出しママ友の公園社会でもトラブル知らずでやっていける筈だった。



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