0章 懐かしき日常
『忍ちゃーん、聞いて、きいて~~~~』
『うん??何、どうかしたの?また、知らないおじさんからパンツプレゼントされたの?』
『ちがうよーぅ、いくらあたしでもそんなことばっかりじゃないんだからぁ。あのね、昨日教えてもらったんだけど、アインシュタインの相対性理論ってあるでしょう。』
『・・・・あんたからそんな単語が聞けるとは、お母さんうれしいわっ!!じゃなくって、それがどうしたの』
『うん、実はねぇ、今一番最新の物理学だと、相対性理論で宇宙の成り立ちを計算していくと説明が付かなくなっちゃったんだって』
『・・・・・物理学・・・ねぇ、熱あるの?寒気は?今日は大事を取って早退したらどう?』
『もーう、大丈夫だよぉ、ちゃんとお話聞いてよねぇ!』
『ごめん、ごめんね。あんまり今まで聞いたことない言葉ばかりだから。で、説明が付かないの?』
『うん。あたしも詳しいことはぜーんぶ忘れちゃったんだけど、相対性理論って質量があること?うーん重さなの?があることが前提なんでしょ?』
『いや、あたし文系だから全く解らん。ま、取り敢えず続けて続けて。』
『えっとね、っでね質量があると前提すると、矛盾がどうしてもでちゃって説明がつかなくなっちゃうんだって。で、ノーベル賞を狙えちゃうぐらい偉い学者さんが1つの仮説を立ていて、学会に出るために列車に乗ったの。そしたら、同じ列車にやっぱりもんのすごーく偉い学者さんも乗っててね、その疑問と自分の仮説を話したのよ。』
『うんうん、それから?』
『そしたら!!なーんとそのもんのすごーく偉い学者さんも同じ疑問と仮説を立てていたのよー』
『・・・・なーんかご都合主義っぽいけど・・・で、仮説って何?』
『うん!それはね、質量の無いものの存在を認めるの。いわゆる魂の存在を肯定するの?そうすると矛盾が全てかいけーつ!』
『どんな矛盾があったのかは・・・聞かない方がいい?』
『うん!解からないから聞かないでぇ』
『わかった・・・で、それでお仕舞い?』
『ううん、まだ続きがあってね、なんでも質量が無いものの存在を認めるためには十六次元の世界があるって事を想定しなくっちゃいけないんだって』
『また、段々荒唐無稽な話になってきましたが、四次元ポケットでさえ解からんのにどんな世界なの?』
『あたしが解かると思うのかなぁ?』
『すみません、馬鹿なこと言いました。』
『解かれば宜しいっ!でね、十六次元っていうのはこの世界を取り巻いている大きな空間なんだって。その十六次元の中に1つ1つ膜に包まれたあたし達が居るような三次元空間が無数に存在していて、しかもその三次元空間はそれぞれ平行世界なの。だからある世界の中では女王様になった忍ちゃんが居るかもしれないけれど、事故死しちゃった忍ちゃんも居るかもしれないんだって。で、それぞれの次元の膜は隣接しているんだけど、質量のあるものは決してこの膜を越えることは出来ないの。それが出来るのは質量の無い存在、いわゆる魂だけなんだって。だから、心霊現象とかっていうのはこの膜を越えて自分の逢いたい人やまだ生きている自分自身に会いに来た為に起きる現象かもしれないんだってぇ』
『何だかもう、なんでもありだねぇ・・・』
『でね、この次元の膜ってね、何しろ十六次元内に存在しているものでしょう?どんな空間なのか全く想像もつかないからね、もしかしたら、忍ちゃんの隣にあるかもしれないのよー』
『・・・ほほーーーーう、よーく解かった。で、君にこんなアホな事を吹き込んでくれた昨日教えてくれた人ってどんな人なのかなぁ?』
『うん、見てみてーぇ!こんな可愛いブラくれた人なのぉ。これを身につけた君を想像してるからってね言って買ってくれたの。ほんとにいい人だよねぇ』
『良いわけあるかーーーー!!!!この馬鹿ーーーーーー!!!』
『何で怒るのぉ、もう、忍ちゃんったら妬いちゃって。大丈夫、あたしは忍ちゃん一筋だから安心して、ね!』
『その前に、あんた男だろうがーー!!女物の下着を貰って喜ぶなと何回言わせればいいんじゃーー』
『ああ~~ん、怒り震える忍ちゃんも素敵・・・』
『寄るな!!触るな!!!胸を揉むなーーーー!!!』
『あっ忍ちゃーん、待ってよーぅ。あたしを置いて行かないでぇ!』