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―――第5.5話 ファイム

(ファイム視点)


小さい頃から

魔法に憧れていた。

せっかく龍族に生まれて。

四属性の適性もある。

なのに。

どうして

魔法が使えないんだろう。

悔しかった。

だから

自分に出来ることをやろうとした。

それは――

魔法の理や歴史を

後世に残すこと。

ありとあらゆる勉強をした。

魔法省にある魔術書。

その内容は

全部覚えた。

でも。

やっぱり。

私は。

魔法を使ってみたかった。

どうして

世界のマナは減っているんだろう。

街の外に出て調べたい。

でも。

子供の体では

モンスターと戦えない。

魔法が使えたらな。

マナが無くても

魔法を使う方法はないか。

私は研究した。

何年も。

結果。

成果は

何も出なかった。

錬金術師のクロエさんに、

いつまで続けるか、

聞いてみた。

「一生やるわ」

「好きなのよ」

「それだけじゃだめ?」

クロエさんはすごい。

人の目を

まったく気にしない。

「好き」

それだけで

続けられる。

私は違う。

私は弱い。

誰かに言われた。

「後世に残すのも立派な役目」

そうかもしれない。

けど。

誰もいない魔法省。

私は一人で

泣いた。

そして。

ある日。

グレンは

突然やってきた。

「すみません」

「魔法省の人ですか?」

来客なんて

久しぶりすぎて。

完全に油断していた。

びっくりして

本を落としそうになる。

「そ、そうです!」

慌てた。

椅子から降りて

ぺこりと頭を下げる。

「私は」

「魔法学教授兼、宮廷魔道士」

「ファイムと申します」

その出会いが

私の運命を変えた。

魔法が

使えるかもしれない。

それどころか。

魔法を

復活させられるかもしれない。

ある日の夜。

私は言った。

「グレン」

「話があります」

グレンは

夕食後におにぎりを食べていた。

「なんだよ改まって」

私は深呼吸する。

「私は、その……」

「魔法を復活させたいんです」

グレンは

もぐもぐしながら言う。

「ふーん」

軽い。

私は続ける。

「どうして世界のマナが減っているのか」

「調べていました」

「昔は」

「世界各地にいる精霊が」

「マナを供給していました。」

「しかし」

「今はいません。」

グレンが聞く。

「精霊?」

「はい」

「おとぎ話で聞いたことあるけど」

「本当にいたのか?」

私は答える。

「はい」

グレンが笑う。

「わくわくするな」

私は続ける。

「マナを吸っている何かが」

「精霊も消してしまったのだと思います」

グレンは少し考える。

「ほう……」

私は言う。

「でも」

「グレンの力を分ければ」

「復活するかもしれません」

グレンが聞く。

「理論上?」

私は答える。

「違います」

「でも」

「可能性はゼロじゃない」

私は頭を下げた。

「グレン」

「協力してくれませんか?」

グレンは

あっさり言った。

「別にいいぞ」

私は思わず言う。

「軽いですね」

グレンは笑う。

「だって」

「俺」

「使い道ねえもん」

そして言う。

「まあ」

「難しいことは」

「お前に任すけど」

「いい?」

私は胸を張る。

「それはもう」

「お任せあれ」

グレンが笑う。

「よろしく」

私は言う。

「世界各地に」

「精霊の祠があります」

「旅をしながら」

「そこにマナを供給していきましょう」

「おっけー」

本当に、

「グレンは懐が深いです」

「そもそも体が大きいからな」





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