表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/23

―――第18.5話 帰還前

ボスは倒された。

だが――

討伐隊のダメージは大きい。

重傷者多数。

歩けない者もいる。

担架の横に

動かない騎士が一人いた。

誰も

何も言わない。

俺は拳を握る。

そして言った。

「カイト」

「最短で沼地を抜けるにはどうしたらいい?」

カイトは地図を見る。

「乾いた土地があります」

「ここから5キロほど」

俺は頷く。

「そこまで行けば」

「友達が来れるかも」

カイトが眉を上げる。

「友達?」

俺は言う。

「モンスターの友達」

「重傷者を街まで運んでもらう」

カイトが少し驚いた顔をする。

「……君は何者なんですか」

「ただのデブだ」

カイトは少し考えたあと言った。

「……信じます」

一時間ほど歩いた。

そして。

沼地を抜ける。

乾いた土地。

俺は叫ぶ。

「――グッピー!!」

冒険者が言う。

「……あいつ」

「ついに頭おかしくなったか?」

そのとき。

地面。

ボコボコボコボコ!!

カイトが叫ぶ。

「グレンから離れろ!」

地面が裂ける。

巨大な影。

グッピーが顔を出した。

「キエエエエエエ!!」

嬉しそうだ。

「おー、グッピー!」

「久しぶり!」

俺はグッピーを見る。

「……成長したか?」

「頭でかくなってないか?」

グッピーが

俺の周りをぐるぐる泳ぐ。

討伐隊がパニックになる。

「ボスはもう一体いたのか!?」

カイトが冷静に言う。

「違います」

「あれは――」

「友達だそうです」

騎士たちが沈黙する。

俺はグッピーに言う。

「重傷者を街まで運んでくれ」

「ヴァルク王国だ」

「みんながいる街」

グッピーが鳴く。

「キエエ」

担架の騎士が

かすれた声で言う。

「……助かるのか?」

俺は答える。

「当たり前だ」

「こいつ速いからな」

グッピーが嬉しそうに鳴いた。

「キエエエ!」

俺は続ける。

「門で攻撃されそうになったら」

「その場にそっと置いてこい」

「わかるか?」

「キエエ」

ワクさんがいないから

何言ってるか分からない。

でも。

たぶん大丈夫だ。

重傷者をグッピーに乗せる。

軽傷者も何人か同行させた。

みんな震えている。

グッピーが怖いらしい。

「頼んだぞー!」

グッピーは

重傷者を乗せて走り出した。

*

夜。

焚き火の前。

俺はカイトに言う。

「あのさ」

「なんですか?」

「契約したけど」

「しましたね」

「無理して騎士辞めなくていいぞ」

カイトは静かに言う。

「辞めます」

俺は目を丸くする。

「え?」

カイトが言う。

「パーティーの前衛は」

「グレン一人」

「もう一人いた方が安定します」

カイトは続ける。

「ボスは倒しました」

「この辺りのモンスターは減るでしょう」

「騎士団から僕が抜けても問題ありません」

俺が言う。

「助かるけど」

「でもよ」

カイトは首の契約印を触る。

「主従契約」

「国王に仕える身でやってしまいました」

「どのみちクビでしょう」

「まじか…」

「いい機会でした」

カイトが笑う。

「グレン」

「君となら」

「もっと多くの人を救える」

少し沈黙。

「辞めたら連絡します」

俺が言う。

「あとさ」

「まだ何か?」

「あいつどうするの?」

「ほら」

「お前の側近」

「ロイドですか」

「怒るだろ」

「主に俺に」

カイトはあっさり言った。

「放っておけば大丈夫です」

ロイドの扱いが雑だった。





第一章ここまで読んでいただきありがとうございました!


続きも書いていきますので、フォローしていただけると更新通知が届きます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ