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第18話 ヴァルク防衛②

黒域ボスが倒された

少し前。

ヴァルク王国。

ついにモンスターが

城壁を越える。

街の中。

騎士が倒れる。

リリアナの結界が

疲労で揺らぐ。

そのとき。

影が飛び込んできた。

双剣。

アクロバット。

レイだった。

「遅れてごめん!」

リリアナが言う。

「あなたは!?」

レイが言う。

「私はレイ!」

「グレンの幼なじみ!」

ファイムとリリアナが目を見開く。

レイが続ける。

「グレンから」

「手紙もらってた」

「もしもの時」

「力になれって」

リリアナが呟く。

「グレンが……」

ファイムとリリアナの顔に

少しだけ笑顔が戻る。

レイが跳ぶ。

双剣が閃く。

ザン!!

モンスターが倒れる。

レイはさらに

小さな飛び道具を投げた。

手裏剣のような形。

次の瞬間。

ドン!!

爆発。

モンスターが吹き飛ぶ。

レイが笑う。

「クロエって人にもらったこの武器!」

「すっごく使いやすいわ!」

城壁内のモンスターが

次々に倒れる。

だが。

上から叫び声。

「大物モンスターが来たぞ!!」

城壁の上。

監視が叫ぶ。

「ボスの眷属だ!!」

巨大な影。

四足。

黒い装甲。

騎士が突撃する。

ガキン!!

剣が弾かれた。

「硬い!!」

ファイムが魔法を放つ。

ファイヤーボール。

ドン!!

直撃。

だが。

装甲は割れない。

「魔法が効きにくい!」

ファイムが叫ぶ。

騎士団長が怒鳴る。

「大盾部隊!」

「前進!!」

大盾の壁が前へ出る。

そのとき。

地面が動いた。

もこ。

もこもこ。

もこもこもこもこ!!

騎士が叫ぶ。

「なんだ……!?」

「新手のモンスターか!?」

大盾部隊が動揺する。

その瞬間。

レイが叫ぶ。

「違う!!」

リリアナも叫ぶ。

「グッピー!!」

地面が爆発した。

キエエエエェェェェェ!!!

巨大な影が

飛び出す。

グッピー。

以前は車サイズだった。

だが。

今は違う。

船のような巨体。

鋭い牙。

ボスの眷属に

食らいつく。

ガブ!!

そのまま

地中へ引きずり込む。

地面が揺れる。

数秒。

そして。

再び地面が割れる。

グッピーが顔を出した。

口を開く。

ボトボトボト。

バラバラになった

ボスの眷属がこぼれ落ちた。

沈黙。

騎士たちが固まる。

レイが笑う。

「グロいわね!」

*

だが。

モンスターの波は

まだ止まらない。

グッピーが

モンスターを捕食していく。

ガブッ!!

巨大な口が

モンスターを飲み込む。

まだ

持ちこたえられる。

しかし。

騎士団の疲労は

限界だった。

騎士団長が

隣に立つ男へ言う。

「レオンハルト様」

「城壁が完全に落ちるかもしれません」

「どうか、お逃げになってください」

レオンハルトは

静かに答える。

「心遣い感謝する」

そして言った。

「だが」

「ここはいずれ」

「私の国となるのだ」

「逃げてどうする」

「最後の一人となっても」

「私はここに残る」

その言葉に

騎士たちが息を呑む。

そのとき。

遠くから

轟音が聞こえた。

ゴオオオオ!!

猛スピードで

クロエ号が突っ込んでくる。

キキィィィッ!!

急ブレーキ。

運転席から

クロエが手を振る。

「やっほー王子様」

「ちょっと最前線までドライブに行くんだけど」

「乗る?」

レオンハルトが笑う。

「あなた確か」

「国で一、二を争う射撃の腕なんでしょ?」

クロエがニヤリとする。

レオンハルトが高らかに笑う。

「ハッハッハ!!」

クロエに向かって歩き出す。

「参ろうか!」

「未来の我が妃よ!」

クロエが即答する。

「結婚しないわ」

クロエ号が

騎士団の前へ飛び出す。

レオンハルトが拡声器で叫ぶ。

「怯むなー!!」

「騎士達よー!!」

騎士たちが振り向く。

「討伐隊が」

「必ずやボスを倒し」

「この災厄を鎮めてくれる!」

「持ち堪えよ!」

「愛する国を守れ!!」

騎士たちの士気が

一気に上がる。

「うおおおお!!」

「王太子殿下に続けー!!」

クロエ号が突っ込む。

レオンハルトが聞く。

「ところでクロエ!」

「なにー!?」

クロエは

ハンドルを足で操作しながら

銃を撃つ。

ドン!!

モンスターの頭が弾ける。

レオンハルトが叫ぶ。

「もう少し安全運転は出来ないかい!?」

汗だく。

しかし。

レオンハルトの射撃は

すべて

モンスターの頭を撃ち抜く。

クロエが言う。

「嫌ならタクシー呼びなさーい」

レオンハルトが笑う。

「……ハッハッハ」

そのころ。

街の中央。

結界前。

リリアナが

膝をついた。

限界だった。

結界が

プツン。

消えた。

モンスターが突っ込む。

その先には。

詠唱中のファイム。

騎士が叫ぶ。

「少年!!危ない!!」

その瞬間。

リリアナが跳んだ。

「………せいや!!」

結界拳。

ドン!!

モンスターが

地面に叩きつけられる。

その瞬間。

ファイムの詠唱が

完成した。

「シューティングスター!!」

特大魔法。

閃光。

火、水、風、土の合体魔法。

流れ星のような

光が走る。

モンスターが

次々と消えていく。

避難していた人々が

呟く。

「これが……魔法……」

「きれい……」

そのとき。

スタンピードの勢いが

弱まった。

遠く。

黒域。

たった今

ボスが倒されたのだ。

戦いは

終わった。

街は

傷だらけだった。

怪我人が

次々運ばれてくる。

子供の泣き声。

リリアナが

呟く。

「みんなのこと……」

「治したい……」

そして。

小さく言った。

「ヒール」

光。

優しい光が

広がる。

怪我が

次々と消えていく。

リリアナが振り向く。

「ししょー!」

「出来た!」

ファイムが

優しく笑う。

「ええ」

「よく出来ました」

リリアナの顔。

火傷の跡も

消えていた。

リリアナが笑う。

「他のみんなも治してくるね!」

走り出す。

そのとき。

クロエ号が戻ってきた。

クロエが手を振る。

「おつかれー!」

しかし。

レオンハルトは

車から降りて

吐いていた。

レイが叫ぶ。

「グッピーありがとー!!」

グッピーが

地面へ潜っていく。

そして。

静寂。

ヴァルクの戦いは

終わった。





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