―――外伝1話 ワクさんの謎
「あーあ」
リリアナがため息をついた。
「どうした?」
グレンが聞く。
「私もセレナみたいな」
「ボンキュッボンになりたい……」
どこでそんな言葉を覚えたんだ。
グレンが言う。
「リリアナもかわいいだろ」
「えへへ、ありがと」
リリアナが少し照れる。
そして聞く。
「ねえグレン」
「ワクさんはグレンと契約した次の日に進化したんでしょ?」
「どうしてリリ達の体は進化しないの?」
知らん。
俺が聞きたい。
グレンは適当に言った。
「ワクさんは育ち盛りだったんだよ」
ファイムの声。
「グレン」
「適当に答えないでください」
バレた。
ファイムが本を抱えて現れる。
「そもそもモンスターは」
「成長すると少しずつ進化するんです」
リリアナが目を輝かせる。
「へー!」
ファイムは続ける。
「グレンの」
「使い道のない」
「溢れて持て余したマナが」
「最初に契約したワクさんへ」
「大量に流れ込んだ」
「その結果」
「生まれ変わったかのような」
「急激な進化を遂げたのではないでしょうか」
グレンとリリアナが頷く。
「なるほど」
そのとき。
「オレの話?」
ワクさんが来た。
「そうだよ」
グレンが言う。
「そういえば」
「ワクさんって」
「これ以上進化しないのか?」
ワクさんが少し考える。
「オレ……最近……」
「自分で」
「友達作れるようになった……」
沈黙。
「え?」
グレンが聞く。
「それって……」
ファイムが恐る恐る言う。
「他のモンスターと」
「主従契約ができた」
「ということですか?」
ワクさんが頷く。
「そう……」
「えーー!?!?」
そんなこと可能なのか!?
ファイムが言う。
「その友達」
「呼べますか?」
ワクさんが頷く。
「呼べる……」
ワクさんが森に向かって叫ぶ。
「友達!」
「集合!」
テケテケテケテケ……
森から出てきた。
短足うさぎ。
華奢ウルフ。
コンクリ狸。
グレンが呟く。
「すげえ……」
リリアナが首を傾げる。
「でも」
「このモンスター達は」
「成長してないね」
ファイムが考える。
「おそらく」
「グレンのマナが」
「ワクさんを経由して供給されている」
「しかし」
「供給量は少ない」
「だから」
「進化までは至らないのでしょう」
グレンは思う。
俺はもしかしたら。
とんでもない生命体を
生み出してしまったのかもしれない。
なんか
コワイ。
グレンが言う。
「ワクさん」
「俺たち」
「ずっと友達でいような」
ワクさんが笑う。
「もちろん……」
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