第10話 王国会議
ヴァルク王城。
会議室。
長いテーブル。
騎士。
貴族。
冒険者。
中央に、
指揮官王太子レオンハルト。
空気が重い。
テーブルの中央には地図が広げられていた。
北。
黒域。
広大な湿地帯。
そこに赤い印。
クロエが小さく言う。
「……あそこがボスがいる最深部ね」
騎士団長が言う。
「確認されたモンスター数は増加中」
「スタンピード発生まで」
「早くて一年」
「遅くても二年」
部屋がざわつく。
一人の貴族が言う。
「城壁で防げばよい」
騎士団長が首を振る。
「数が多すぎる」
「城壁が耐えても」
「国が持たない」
クロエが言う。
「つまり」
「ボス討伐」
騎士団長が頷く。
「黒域遠征を行う」
「討伐隊を編成する」
そして続ける。
「黒域は魔法無効化地帯」
「魔道具は役に立たない」
クロエが小さく舌打ちする。
「実力のある者は参加してもらう」
沈黙。
遠征は危険だ。
一年。
黒域。
帰れないかもしれない。
そのとき。
扉が開いた。
兵士が言う。
「失礼します」
「隊長候補者が到着しました」
騎士団長が言う。
「入れ」
扉が開く。
一人の少年が入ってきた。
水色の髪。
大きな目。
細身の剣士。
年齢は俺より少し下。
少年が静かに言う。
「カイトです」
騎士団長が言う。
「実戦中心の第5騎士団長」
「騎士団剣術指南役推薦」
「魔眼持ち」
部屋がざわめく。
貴族が言う。
「魔眼だと?」
カイトは静かに立っている。
俺は小さく言う。
「なんかすごそう」
ファイムが答える。
「かなり」
騎士団長が言う。
「実力を見せろ」
騎士が前に出る。
訓練用の剣。
構える。
開始。
――一瞬。
本当に一瞬だった。
カイトが踏み込む。
斬。
騎士の剣が空を舞う。
静まり返る。
レオンハルトが言う。
「……合格だ」
クロエが小さく笑う。
「いいじゃない」
カイトがこちらを見る。
目が合う。
その瞬間。
ぐう。
俺の腹が鳴った。
沈黙。
クロエが言う。
「緊張感壊さないで」
俺が言う。
「ごめんなさい……」
カイトが言う。
「不思議な人ですね」
俺が言う。
「初対面で失礼だな」
騎士団長が言う。
「遠征隊は三日後に出発する」
「ボス討伐」
「成功すれば」
「スタンピードは止まる」
会議室が静かになる。
騎士団長が立ち上がる。
そして言った。
「街を守りたい者は集まれ」
「以上だ」
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