表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

泣き虫魔王といじわる部下

前書きってどういう事を書いたほうが良いでしょう?

内容のあらすじとかでしょうか?

それとも……作者の独り言みたいなので良いでしょうか?

そこから辺、ちょっとわからないんですよね……。

どういうこと、書けば良いんだろ?

弁当中

「うにゃぁぁぁぁぁ!!許さん!!今日こそ許さんぞ!!杏奈ぁぁぁーーー!!」

「ごめんってば」

「ごめんで済むと思うなよ!!プリンは私に食べてほしそうな目をしていたんだぞ!!」

魔王様の泣きまじりの怒声がうるさいので耳を塞ぐ私。

するとクソビッチが言った。

「ある種のNTRみたいですね」

「汚い例えで言うな、食欲失せるだろ」

ビッチの言葉にツッコミながら卵焼きを食べようとする、しかし気づくと卵焼きがあった場所に卵焼きがなくなっていた。

「卵焼きがない!?」

「やーい!!お前の家の卵焼きは絶品でいつも最後に食べようと残しているのは知ってるだぞ〜!!」

「食べやがったな、貴様!!」

「部下のことは知っておかないとな、にしても卵焼き、美味しかった、ふんわりとした甘みがケーキみたいで絶品だ!!食べれなかったことを後悔するんだな!!」

魔王様はあははは!!と笑いながら私を挑発してきた。

「返せよ、私の卵焼き!!」

「なら、プリン返せよ!!私の今日の楽しみだったんだぞ!!泣いて詫びろ!!」

ビッチが呆れながら喧嘩の様子を見る。

すると何か思いついたのか話し始める。

「プリンも卵焼きもどっちも卵なので、卵争ってどうです?卵巣と戦争をかけました!!うまくないですか!?」

「卵巣って、生々しい単語を使うな!!食欲失せるだろが!!」

私達が喧嘩しているため葵が変わりにツッコむハメになる。

「よそ見するな!!」

ポコポコと体を殴ってくる魔王様。

だが、魔王様の身体は気弱なため、一切、痛くない。

「ほらほら、どーした!?やられるだけか!?所詮は口だけだな!!」

煽りがウザいので少しづつ苛ついてくる。

「反撃してみろ!!まぁ、攻撃も避けれないゴミ部下などの攻撃を食らってもデコピンレベルの雑魚攻撃力だろうな!!虫と変わらん!!園児の攻撃以下だろう!!」

「喰らえ、天誅波」

「へ?」

次の瞬間、バチィィィーーーン!!という強烈なデコピンの音がクラス中に響く。

かなりの音だったので、クラス中がざわつく。

(……しまった)

手加減は一応したのだが、それでも力加減を間違えた。

魔王様のでこからシューという煙が出る。

「あ……茜さん?」

すると魔王様の目から涙が流れる。

そして顔を真っ赤にさせヒクヒクと言い始めた。

「わ、わた、私は……お、おま、おまぁ、お前のぉ………」

「や、やらかした」

そう呟いた瞬間、魔王様の怒声が響いた。

「主様なんだぞぉ!!うわぁぁぁぁぁーーーん!!うぅぅぅ、あぁぁぁぁぁん!!」

涙を流しながらクラスからいなくなる魔王様。

「ま、魔王様!!」

魔王様の方を振り向き、私はそう叫んだが彼女はもういなくなった。

「…………やっちまったぁ」

顔を伏せながら私は震えた声で言った。

すると、葵が大声で私の名前を叫ぶ。

「杏奈!!」

「葵、桜香、すまねぇ、魔王様ちょっと探してくる。説教なら後で聞くから」

そう伝えると身体が走り出してしまっていた。

「へぇ~」

「どうした?桜香」

「杏奈さんって私のこと、いつも『ビッチ』って呼ぶから何か新鮮だなって思っただけですよ。」

02

教室の扉を思いっきり閉めると、私は自分で驚くくらい、焦って魔王様を探した。

(ま、魔王様!!魔王様はどこだ!!)

私は息を切らしながら、トイレ、図書館、科学室、体育館など色々な場所を探し回った。

しかし、一向に魔王様の居場所を見つけられなかった。

(ど、どこにいったんだよ!?魔王様は!!もう嫌なんだよ!!あの時みたいに喧嘩別れで二度と会えないみたいな事はよ!!)

息が上がり、足がふらつく、しかし走るのはやめなかった。

(どこに行ったんだよ……お願いだから、出てきてよ!!)

もう、一時間は全速力で走り回っていた、周りに生徒がいないから多分、放課はとっくに過ぎているのだろう、しかし走る足は止まらなかった。

ヘトヘトになった足を無理に動かし、私は階段を駆け上がった。

それが良くなかった、階段を駆ける途中、バランスを崩して転倒した。

(ま……おう…さ…ま)

この瞬間、頭に流れ込んできた、前世の記憶。

前世の私はアサシン。

だからこそ私の得意な戦法は騙し討ちであった。

しかし………そんな私とは裏腹に死地は王宮のど真ん中であった。

あの日のことは忘れもしない、公開処刑として処刑台に立たされた魔王様をただ一人生き残った幹部として助けに行った。 

だが、すぐに居場所がバレてしまい。

強行突破で走り出した。

そんな無謀な行動は簡単に破られた。

10000人以上の兵隊に加え、優勢であった我々の戦況を簡単にひっくり返した悪魔みたいな男に私は殺された。

私が死ぬ前に見たものは処刑台で死んだような目をして泣いている魔王様だった。   

(………来世というものがあるのなら………もう二度と離さないからな、もう二度と一人にはしないからな。)

私は……そう決意したんだ。 

だから、例え……頭がかち割れようが……。

骨が折れようが……。

「絶対に……1人になんか、させるもんか」

階段に血が垂れる、頭から出血しているらしい……しかし足が止まらない。 

彼女の笑顔が希望、私にとっての宝だからだ。

彼女が傷ついていないのなら……大怪我したって。

私には軽症なんだ。

「魔王……さ」

次の瞬間、意識が途切れた。

03

私が目が覚めた時に最初に見たのは桜香の顔だった。

「あっ……ようやく起きましたか。目を覚ますのが遅かったですね。魔王様、さっき帰りましたよ?」

「……最悪だ」

顔を隠して、私は嘆いだ。

「最初に見るのがよりによってビッチとか」

「殴りますよ?」

そう言って布団をパンパン叩く桜香に「もう殴ってるじゃねーか」と言う私だった。

そんな攻撃を防ぎながらスマホで時間を確認する。

もう夜の11時だった。

いつもなら8時に寝てしまう魔王様がさっきまでいたのかと驚きながらも桜香に質問した。

「それで……2つ聞いていいか?ビッチ」

「何ですか〜?」

「ここはどこだ?」

「病院ですよ」

桜香の話によると5時間目の途中、私を探していた特別指導の教師が血だらけで倒れている私を見つけて、すぐに救急車を出したらしい。

5針ほど頭に縫うくらいの重傷だったらしい。

「って事は……手術が終わった後らしいな」

「どうですか?久しぶりの手術は?」

「あっちの世界じゃ、皮膚縫合術なんて地獄の痛みだったのに……凄いな、こっちの医療は」

「麻酔を打ったから痛みがなくなったんですよ」

「すげーな、麻酔。これから注射打つ前は麻酔打ってもらおうかな?」

「二度苦しみたいんですか?」

「えっ?」

どういうことだ?と思っていると私を見て、呆れたような表情をする桜香だった。

(にしても、何で痛みにはめっぽう強いのに……注射はあんなに怖がるんでしょう。)

「おい、ビッチ……良からぬこと考えてるだろう」

「違います〜。考え事してただけです〜」

まぁ、雑談はここまでにしといて真面目な表情で桜香に聞くのだった。

「魔王様はどこにいたんだ?」

「魔王様ですか……実は魔王様は教室の扉の前で座っていたんです」

「は?」

「貴方、気づかずに走って行っちゃったんですよ」

「マジか……」

「マジです」

そう言うと身体から一気に力が抜けた。

落胆感より良かったという気持ちが強く出た。

私の安心とした顔つきを見て桜香は言った。

「嬉しそうですね」

「……悪いかよ」

(私、大好きなんです。杏奈さんの笑ったり嬉しそうな表情。すっごく綺麗なんですよ?)

何かはわからないが、凄く良い笑顔で私を見る桜香。

こう見ると、やっぱり美少女なんだなと実感する。

(そりゃ、男が惚れるわけだ。こんなに可愛いんだからな)

「あれ?杏奈さん?どうしたんですか?私の顔、まじまじと見ちゃって、もしかして惚れました?」

「んな訳ないだろ……ビッチ」

そう言うと、桜香はニッコリと笑って言った。

「やっぱり、杏奈さんは私をビッチ呼びするのが一番安定します」

「何だよそれ」

私はあほくさと呟くと、桜香と笑い合うのだった。

04

夜中だった病棟に光が指し次の日になった。

仲直りしようと病院内のコンビニでプリンを買ってきた私はクラス前で立ち尽くしていた。

なんと言って魔王様に話しかければ良いだろうかと私は考える。

「おはよう」じゃ何か素っ気ない。

「昨日はごめんな」じゃ上からすぎるな。

散々、迷っていると後ろから声をかけられる。

「何やってんですか?杏奈さん」

「ビッチか……今、考え中なんだ」

「考えるって馬鹿ですか?」

「なんだテメェー」

そう言うと、桜香はジト目で指をさしてくる。

「乳首当てゲーム?」

「違いますよ?」

そう呟くと桜香は話し始めた。

「いつも通りで良いんですよ、いつも通りで」

「えっ?良いの?」

「どうせ貴方の事です行き当たりばったりの人生なんでしょ?そんなレールの上に引かれた生き方をする人間のような事、うまくいくはずありません。」

「それもそうか」

いつも通り、おはようから始めよう。

そこから仲直りだ。

っと、私はドアを開けた。

その瞬間、私は抱きつかれた。

小柄な体型にツーサイドアップの長い髪、そしてつり目ながらも大きな瞳から涙を流す少女の姿がそこにあった。

「あんな」

なんだ……同じ気持ちだったのか……。

魔王様、アンタも怖かったんだな。

あの日の別れを思い出して悲しくなったんだな。

ごめんな、本当はもうそんな気持ちにさせたくなかった。

魔王様……本当にごめん。

私は優しくその身体を抱きしめると仲直りの第一歩に魔王様へ伝えた。

「おはよう」

今までの酷い終わり方とは違い………すごく綺麗な終わり方に纏まったんじゃないでしょうか?

もう、最終回で良くね?と思うかもしれませんが……もうちょっとだけ続きじゃ。

引き続き魔王様のスローライフ楽しんでいただけると幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ