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西瓜

作者:

車がスピードを上げていくと。立ち止まる人たちの中にあなたがいて。触ると逃げていく昆虫のように。体を仰け反らせて入り口に立っていた。座ると壊れてしまうバケツみたいに。一日のうちでどれほどのことが為し遂げられたか数えてしまう子どもみたいに。傍に立っていた。


出口を失った人たちが。闇に葬られようとしていた時に。私は家で西瓜を食べていたのだが。その味は透明で。なんでもないことのように思えた。火をつけられてしまう人たちが喉の渇きを訴えていようとも私は西瓜を食べていたしその味は変わらなかった。


疑うことがないように思えて。気が付くと振り返っている。気が付くと透明で失われてしまっている。始まったばかりの戦争映画を。毎週楽しみにしている人がたくさん死ぬアニメを。変わらない味で。私は西瓜みたいに飲み干した。

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