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特異体質

前投稿したのいつだっけ

「半蔵君は、特異体質なんですよ」


通い詰めているその病院で開口1番そう言われた。


「またですか?分かってますよ。そんな馬鹿じゃないんですよ」

「だってねぇ…普通、カメレオンって言ったらせいぜい、そこらへんの景色と同化することぐらいしかできないのに君ときたら…もう少し自覚してください」

「分かってますよ。あと、今日もいつものお願いしますね」

「…本当にわかってますか?」


その問いに心配なし!と言った顔で頷いた。

彼の言う特異体質というのは『本来の力とは違った能力』というものだ。

さっき彼が言ったように普通のカメレオンなら周りとどうかできるだけなのだが、俺はなぜか『他の動物の力を使える能力』がある。


なんだっていい。例えばウサギの脚力。ハイエナの顎の力。その何百、何千ともいえる力を自由に扱うことができるのだ。


「ま、わかってるから大丈夫だぞ!」

「はあ…ほんとならいいんですけど。はい、これいつものね」

「ありがとございまーす」


目当てのものを手に入れた俺は足速にその場を去っていった。



「おっはよ〜ございま〜す」

「ん、おはよ」


今日も今日とて変わらずに管理棟へと入っていく。


「はい、今日の仕事ね〜」

「は~い。燃やしていいですか~」


そんな俺の声を無視してリーダーはどっかいった。

ちぇっ!俺の冗談も受け止められねぇのかよ!


「はいはい…では、仕事進めましょう…」


兎田が仕事への催促をしようとしたその時だった。


『緊急通報 緊急通報 たった今、アンラク区内にてキメラ能力の使用が確認。けが人多数。視認は今のところなし。能力推定は豚。確認地点は…』

「…さ、半蔵。仕事だ。行け…あれ?と、兎田、あいつは?」


「えっと…もう、行きました」



「あ~はっはっは!さあ、踊れ!舞え!貴様らも、俺と同じただの家畜だからなぁ!は~っはっはっは~!」

「きゃあ!」


あまりにも猟奇的な攻撃に尻もちをついてしまった。


「どうだ?今まで確約されていた幸せを奪われる気持ちは?安心で安全だったはずの特異分子たちの住む町が一気に戦争に彩られる気持ちは!」


「そこまでだ!」


急に響いたやけに浮かれた声に私たちは振り向く。


そこにいたのは、気味の悪いキメラだった。

右腕はゴリラのように逞しく、対照的に左腕はサルのように長く。

足は長く細く。しかし足先はウサギのようにしなっていて。

羽もしっぽも。体には針さえも生えていた。


「な、なんだ?キモチわりぃ…」

「ん?見てわからねぇか?俺は管理特級。人呼んで、『七変化のキメラ』半蔵だ」

「七変化の…半蔵?」

「あ、あなた…」


私は心から湧き出てきた言葉を発した。


「…え誰?知ってる?」

「い、いや、俺もしらねぇ…」

「え」


思わず猟奇犯に聞いてみたけど、彼もまた私と同じ考えが浮かんでいたらしい。

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