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未来の僕への現在完了形の記憶

「はあ…はあ…」


赤いランプがチカチカとする中、俺は誰かに抱きかかえられて研究所らしい建物を進んでいた。

前からは反対側からは慌てた様子で走ってくる白衣の研究員たちが何人もぶつかりながら。それでも強行突破しているところを見る限り、相当急ぎの用なんだと思う。


「よし…ここなら…」


と言って、なにやらアタッシュケースから薬のようなものを取り出す。

ラベルが貼ってあり、そこには確かに「chameleon」と書かれていた。


「いいか、半蔵(はんぞう)。今からお前にキメラ細胞を入れる。その影響で、お前には記憶能力が異常発達する」


そこまで言って、少し口籠った後。


「…だから、ここからの話は未来のお前に言う」

「?」


まだ何も理解してない僕は首をかしげる。


「お前の力は、バランスを崩しかねない。だから、絶対に、悪いことには使わないで、これからの世の中のために使ってくれ」


そう言いながら注射器にchameleonのラベルの張られた液体を入れていく。


「お注射…痛い?」

「…いや。痛くないからね」


そう言って、俺の腕をさする。


「…これから始まる、キメラの世の中でも。お前は十分やっていけると信じてるぞ」


そう言って、chameleonの液体を俺の体に投薬した。何かの発作のように手足が痙攣し、様々な動物のものに変わっていき、俺は意識を手放した。

意識がなくなる最中、遠くで


「頼んだぞ。”カメレオン”」


と声がしたような気がした。


はて、このときに言ったキメラの世の中とは。カメレオンの意味とは。

それはまだ、知らないままでいる。

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