第19話……夫婦認定!?
オーク襲来は何とか食い止め、再びクリスタル騎士団へ戻っていく。ベリルは一部の部下だけ残し、部下から状況報告を受けていた。
「――男性の被害者は三名。何れも重症ですが現在、医療チームの『ビショップ』が男性たちの治療にあたっております。以上です」
耳を傾け静かに聞くベリルは「そうか」と短く返事を返し、けれど、帝国を守れなかった悔しさを表情に滲ませていた。
「オークの侵入を許してしまうとは、わたしは騎士団長失格だ」
「差し出がましいようですが、そのような事はありません。ベリル様は被害を最小限にして下さいました。それに……あのベリル様の旦那様(?)のご活躍も目覚ましいものでした。ですから、これからも我々を導いて戴ければと」
ベリルはピタッと時を止めていた。
恐らくだが『旦那様』の部分に反応したらしく、しゅぅっと蒸気を発していた。
「旦那様……旦那様か。エリナ、お前はよく分かっているな。最高の部下を持ててわたしも嬉しいぞ」
報告は以上らしい。
仕事を終えたのか、ベリルが向かってくる。
顔を赤くして。
「機嫌良さそうにどうした? と言っても傍らから見ていたけどな」
「わ、わたしはエドと仲の良い夫婦と見られて嬉しいとか、ちっとも思っていないぞ……!」
はにゃんと砕けた表情でめっちゃ嬉しそうだ。こんな上機嫌なベリルは初めて見たかも。にしたって――
「夫婦って段階が飛躍しすぎだろう。まだそういう仲ですらない気がするが……」
「何を言う。もうわたしとエドはベッドを共にする海よりも深い関係ではないか」
くッ……!!
そ、その通りだ!!
何も言い返せねェ!!
覆しようのない事実である。
そうだ、俺とベリルの距離感はもうこんなにも縮まっていたんだな。だったら、あのぶるんぶるんのおっぱいには触れられなくとも、手を繋ぐくらい問題ないわけだッ。
「ま、まあ……そうかもな」
「そうなんだ、エド。だから、わたしだけを見ていてくれればいい」
「ベリル、行くのか」
「心配するな。事後処理があるだけさ、すぐ戻る」
柔らかい笑みを浮かべ、ベリルは俺から離れていった。完全な不意打ちを食らった俺はその笑顔が可愛いと思ってしまった。いや、事実最強に可愛かった。
ベリルと別れた俺は、そのまま騎士団の敷地内を歩いていく。すると、ある庭でリサを発見した。なんだ? 誰かと話している?
「……これ以上、エドウィン様に近づかないで下さい」
「フン、近づくなだと? そうはいかない、ベリル様を手に入れる為にも僕は先ず『女神』であるお前を我が魔王ハーレムに加えてやる。
噂は聞いているぞ、お前は人間に強大な力を与えられるそうだな」
――ん?
リサに話しかけているあの男……
黒ずくめの怪しいアイツは……
魔王の何だかのアルマンディン!!
何故、ヤツがこの騎士団内に!?




