結局平民は無能だったか…
アランのクズっぷりの片鱗が見えてくる感じです。
「アラン。ついに今日からお前の存在を貴族社会に露出させていこうと思う」
「やっと俺の天下が始まる…」
貴族社会というのは末恐ろしいもので、フリューゲル家の長男が追放されたことはすでに広まっている。このタイミングで俺を露出させることで、フリューゲル家の次期当主はこの俺だとアピールできるという算段だ。
「じゃあ、行こうか。ついに俺の貴族生活が始まる…」
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「アラン、お前にはこれからBランク依頼を受けてもらう」
「ほう。それで、この人達は?」
「お前と一緒に依頼を受ける臨時の冒険者だ。全員身分はそれほど高くないが、聖女に剣士と使いやすい人材を集めておいた」
アラン本人は気づいていないが、このジャランドの他人を見下すような性格にずっと触れてきたお陰でこのような人格が形成されてしまっているのだ。これを治すには相当な労力が必要となるだろう。
「やあ、俺はアラン・フリューゲル。今回依頼を受ける貴族だ」
「私は、アリアと申します。あの、一応聖女をやらせてもらってます…」
ふん、身分も低いし華やかさも足りないが、俺の側室ぐらいにはしてやってもいいだろう。
「僕はハヤト。『剣士』のユニークスキルを持っている」
父が選んだだけあって、ユニークスキルを持っているそうだ。ただ、確か『剣士』は『魔術師』と並んで最も出現しやすいユニークスキルのはずだ。効果は剣の体感質量減少だったか…大した奴じゃ無いな。それに無駄に顔だけカッコいいのが気に入らない。コイツは今日で解雇だな。
「じゃあいこうか。俺についてこい」
ただ、俺は高貴な貴族。この程度のことで気を荒げたりしない。不満を外に洩らさないのも貴族の嗜みというわけだ。
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「内容は『ウルフ族の間引き』か。なんだ、Bランクにしては随分としょぼい内容だな」
「流石は貴族様です。ものの考え方が違います」
アリアは目上の人への媚びかたが分かってるな。本当は平民ならこれぐらい当然だと思うんだが、まあ無能に高望みしても無駄だろう。
「ここだろ?じゃあ軽く狩りますか!『火の雨』」
森ごと燃え上がっているが、俺の依頼を邪魔する森など必要ないだろう。事実父もその点には触れていないし。
「今のは中級魔法なんだが、俺にかかればこんなもんよ」
「アラン様!そんなことを言っている場合ではないです。森が…」
「あぁ?俺の依頼の邪魔をする森なんて燃やしてしまって構わないだろう?」
「確かに依頼遂行中に燃えても咎められはしませんが…このままだと、討伐しなくてもいい動物の住処まで奪ってしまいます!」
アリアが急に俺に逆らってくる。なんだコイツ?
「何だ?平民の分際で俺に口答えするんじゃない!もしこれで問題になったら、お前らが弁明すれば良いんだよ!」
やっぱり所詮は平民だったか。俺のスムーズな依頼完遂よりも、下らない自然保護を優先するとは…
「ほら、お前が文句言ってる間に依頼は完了したぞ?この無能が。もう二度と俺に関われないと思え」
「構いません。私は早く消化をしないと…」
ふと、考えた。ここでアリアを追い出したらハヤトだけが残ることになる。となると、今後ハヤトが何かしらミスをしない限り俺の仲間だと認識されるだろう。俺のパーティーはハーレムにしようと思っている関係上それはまずい。どうしようか…
「ハヤト、ついでにお前も追放だ」
「何故です⁉︎僕は何も…」
「だからだ。結局依頼は俺一人で完遂したも同然だし、アリアの反抗を止められなかった。どうせ、俺と一緒にパーティーを組みたいという冒険者は腐るほどいるんだ」
「そんな…これで僕の人生も楽になると思ったのに…」
やっぱりそんな感じだったか。お前は最初っから気に食わなかったんだ。
戻ったら依頼完遂の報告と、父にメンバーが無能だったことを伝えないと…新たな使えるメンバーを入れたいし…
お疲れ様です。
是非、ブクマと評価よろしくお願いします。
明日と明後日は別作品の更新ですよ(しれっと宣伝)




