選考対象に選ばれましたとさ★ vol6
困ったら副詞、テスト出ます。
「流石に、格下を狩って喜ぶような僕ではない。ハンデとして、先制攻撃は譲ってあげるよ」
「完全に勝った気でいるんだな」
「勿論さ。なんせ僕は勇者だからね」
「じゃあ…遠慮なく!『氷の大地』」
相手は装備的に、剣での攻撃だろう。こうやって動きを封じておけば、どう転んだって僕の有利に傾く。チェックメイトだ。
「な、なるほど…動きを風ぞて来たか。さては、相当行為の魔術師だな?」
「残念ながら、魔術師に高いも低いもないんだな。僕の国では」
「確か、魔導書で発動していたな…なるほど、魔導書頼りか!」
「いやそう言われれば否定できないんだけどさー」
恐らくイルージュの殆どの魔法使いが心に傷を負うだろう…
「だが…僕が魔法を使えないと思ったのが間違いだ!『水の精よ、勇者が命ずる。僕に、水の導きを!』」
あ、グールでは詠唱が一般的なのか…なるほどね、だから魔術師本人に上下が生まれるのか。イルージュでも魔法の使い方や魔力量で多少の上下はあれど…
「『水球』で、どうやって僕を倒すって言うんだ?勇者さん」
「生憎僕はその魔法の名前を知らない…」
「水の初級魔法だよ。攻撃には一切使えないけどね」
「使えるさ。こうすれば!」
そう言って、球を飛ばしてきたのだが…これでどうダメージを与えるんだ?
「『火球省魔力ver』」
簡単に相殺できるぞ?そう思っていたんだが…
「おお!流石は勇者様、魔法まで使えるとは!」
「動きを封じるという卑劣な手に対して、一瞬で対応するとは…」
観客はやたら勇者を持ち上げている。なんだ、これ。この国は勇者信者しかいないのか、それともこんな催しものに来るのは信者ぐらいなのか…
「そうよそうよ!サトル様はすごいんだから!」
「そこを見落としていたとは、皆さんの目は節穴でしょうか?」
そして何自慢してるんだ痛い取り巻き二人。
「セピア様、一応補足なんですが…この国は、イルージュと真逆で魔法は殆ど使われないんですよ」
「あ、道理で」
僕がポカーンとしてたら、アリスが近寄ってきた。
「この国では、幼いころから剣術や格闘技ばかりを教えているので、魔法を使える人が殆ど居ないんです。それに、魔法も詠唱なので使える人がさらに限られ…勇者がそれを使ったとなれば、これぐらいの盛り上がりを見せるのは不思議ではないんです」
「なるほどねぇ…」
そうこうしているうちに、魔法の効果が切れてしまった。これで勇者は自由に動けるわけだ。
「今度は、こちらから攻めるぞ!」
そういった矢先、勇者の姿が消えた。否、早すぎて捉えられないのだ。ただこれは…間違いなく身体強化系の装備を付けてるな。人間の身体能力じゃ絶対にこの速度は出せない。
「「「「「おおお!」」」」」
勿論、観客は興奮状態。
「アリスがここにいると後で何か言われるかもわからないから、一旦観客席に」
「わかりました、頑張ってくださいね」
さて、この状況どうしようか。魔法はまず当たらないといっていいだろう。となると…
「剣使うか…」
一応身に着けている剣を手にもつ。反射神経次第で、攻撃をパリィすることは可能だろう。
「おいおい、苦し紛れの接近戦か?魔法は当たらないだろうからなぁ?」
「まずその高速移動しながらしゃべるのをやめれ」
話しかける対象が縦横無尽に動いてやりずらい。
「セェア!」
「危ない…」
僕の周囲を高速で飛び回ってる勇者から、定期的にこういう攻撃が飛んでくる。恐らく剣も最高品質だろうから、まともに食らえばひとたまりもないだろう。剣で受けても、剣が折られてしまうだけなので、完璧に衝撃を受け流す必要がある。
「そういえば、そんな動きして疲れないのか?」
「勇者が疲れるなんてあるはずないだろう?」
いや、僕は知ってるぞ?痛い取り巻きの敬語口調の方がさっきから何らかの魔法を使ってるということを。恐らく疲労回復系の魔法だと思うけど…これじゃあいずれ体力が尽きる。回復魔法じゃ疲労はどうにもならないからな。
お疲れ様です。
オンライン授業~♪~音符~




