やらかしちゃいました
ちょっと進む方向がね…
「僕があなたになにか悪いことしたかな?」
「そういうわけにも行かないのよ。私だって明確な理由があるわけで」
「僕だって、そう簡単に死ぬわけにはいかないんだけど」
「あなた、セピア様に手を出すのであれば…容赦はしませんよ?」
「じゃあ、早速始めよっか♡」
「じゃあ遠慮なく『不死鳥の弓』」
手加減はできない。相手が魔族な以上、人間側の常識が通用しない可能性が極めて高い。本当はできるだけ事を荒立てなくなかったんだが…はじめから殺意を持って近づいてくる相手に対して話し合いが通じるとは思えない。なにか策を打たれる前に…無力化する!
「残念ながら…それは対策済みよ」
その瞬間、僕の魔法が跡形もなく消え去った。
「一体何が起こったんだ…?」
「あら、もしかして知らないの?大抵の魔法は簡単に消去できるんだけど、人間側に魔族の情報はあんまり漏らしてないからねー」
「おいおい、これは戦闘になるか怪しいぞ…」
「でも妙ね、確か昔は魔法消去が効かない魔法を使う人も多く居たはずなんだけど…この子がその魔導書を持っていないだけかしら?」
彼女の話から察するに、恐らくその魔法消去無効の技術は時の流れによって消え失せた可能性が高いな。今後こんな化け物と賽銭する機会がないことを祈りたいが、もしもに備えて魔導書の改良も必要か?
「セピア様、ここは私が。魔法が効かないなら…!」
「ふーん、まあそう考えるわよね?でも…安直なのよ!」
突如、アリスが遥か後方まで弾き飛ばされる。一体何が…
「現代の魔族に対する知識がこんなにも薄いとは…これは魔力障壁。大抵の物理攻撃は無力化できるから、そのお嬢さんの攻撃は効かないわよ?」
「ちょっと待て、これ詰んでない?」
戦闘中に放つセリフでは無いかもしれないが、正直打つ手がない。こうなったら…
「あの、今回は見逃してもらえませんか…」
そう、己のプライドを捨てた交渉である。これが成功する保証なんて一切存在しないが、このまま戦って勝てる可能性よりかは遥かに高いだろう。無謀な戦闘を続けるよりかは…
「い、意外と身も蓋もないわね…」
「だって、この状況で勝てるわけ無いし」
「それはそうだけど…うーん」
お、もしかしてうまく行っちゃったりする?僕の作戦成功したりする?
「まあいいわ、どうせこれから人間との全面戦争の予定だし…見逃してあげる対価として、イルージュを最初に壊滅させてあげるね♡」
おっと、これもしかして戦犯ってやつですか⁉?
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「セピア様、一応依頼報酬はいただきましたが…」
「確実に僕のせいで敵の進路が変わったよなぁ…」
恐らく近いうちに宣戦布告がされると思うが…本当にどうしよう?
「いっそのこと、国を捨てて逃げますか?」
「でも、それだとシルフィとかセシルとか…エリスさんとかが危ない目に…」
「はぁ、そういうところですよ?セピア様」
「どういうこと…?」
「まあいいです。とにかく、今回の全面戦争、絶対に勝ちますよ?」
「わかった、まずは魔導書の改良から始めないとなぁ…」
お疲れさまです。
皆さん、ポイントが入れば僕の冷え性も治るかもしれないので入れてください…




