堕落
特にいうことはありません。
勿論。この後アランに何も起こらないわけはない。あの後アランの身柄は、国に預けられた。実の兄をさらった挙句大量の人を巻き込んだ犯罪ということで、こういった措置になったそうな。
「ああセピア様…よくぞご無事で!」
「それ、昨日から僕に会うたび言ってるけどそろそろ安否確認はできた?」
「まだです…もっとセピア様がいる安心感を感じさせてください!」
「…ちょっとよくわからない」
「セピア君?私たちをあれだけ心配させておいてその態度はないんじゃないかな?」
「なんで僕が怒られてるんだ…」
〈私たちを心配させた罰です。今日はいっぱいお仕置きです〉
〈ま、まぁ。それくらいなら甘んじて受けいれるよ〉
〈じゃあ…むちうち?とやらをしてみてもいいですか〉
〈どこで仕入れてきたその知識。そして早急に忘れなさい!〉
〈なんでですか!これをすると男の人は喜ぶと聞いたんですが…〉
〈僕は例外だ…〉
僕にそんなドMの趣味はない!いや、仮にあったとしてもハピネスにそんなことされてる絵面はいろいろと危ない。うん、いろいろとね。
「そういえば、アラン様への対応が今日決定するみたいですよ」
「そうだったか…
「一応、事件の当事者と言うことで私たちも同行してほしいという旨の通知が来ていましたけど…」
「セピア君、行きたくないなら別に行かなくても…」
「いや、行く。僕が、アランの兄だからこそ。最後に、いろいろ言っておきたいし」
「そうですね。セピア様、アラン様に言われっぱなしでしたものね!」
〈マスター、積年の恨みを晴らしましょうか!〉
〈本当に、どこでそんな言葉覚えてくるんだ?〉
この国、意外と治安悪いのか?現に僕攫われてるし。
**********
「これより、罪人アランの処分を決定する!」
職員さんと、拘束されたアランがいた。恐らくだが、力づくで逃げられないようにするためだろう。
「罪状。実の兄、セピア・フリューゲル様の誘拐及び拘束。そして隣国軍隊の悪事への誘導」
「ちょっと待った、隣国軍隊ってどういうことだ?」
「説明いたします。今回の事件で作戦に加担していたものは、隣国の軍隊所属の者です。アランは彼らに『セピアはお前らの国を滅ぼそうとしている!俺は弟として必死に止めようとしたのだが…頼む!君たちの力を貸してほしい!』と声をかけ誘導していたということです」
「それ、どうやってるの?」
アランの声がそのまま聞こえてきた。恐らく何らかの魔道具で軍隊のメンバーが記録していたのだろうけど…この国にはないものだったりするのだろうか。
「それに、以前にも多数の犯罪。また、魔族との契約も見られる。これらの事を踏まえ、最終判決を下す!」
さて、どうなる?個人的には禁固10年くらいが妥当だと思っているのだが…
「貴族の名を剥奪!そののち鉱山送りとする!」
「「「「なっ!?」」」」
この場にいた全員が息をのむ。いくらアランが罪人とはいえ、結構重めの刑が下ったな…
「どういうことだ!いくらなんでも重すぎるんじゃないか?」
あまり認めたくはないが、アランの反論は最もだと思う。
「フリューゲル家は、以前セピア様を不正に除名していた、違うか?」
「あれはこいつが魔力量が少なすぎるという理由で、父親が勝手に!」
「しかし、その父親は今姿を消している。恐らく国外に逃亡したのだろう。そうなると、その後継のアランに罪がかぶさってくるのは当然だろう?」
「…うそだろ」
あの父親にも見捨てられていたのか…
「そしてセピア様、今日からフリューゲルの名はあなたのものです。あの屋敷、及び使用人も所有者がいない故、セピア様が所持者となります」
「ほ、本当に言ってるのか?」
「やりましたね!セピア様、これで本来の地位に…」
「セピア君、よかったね!」
〈私にはよくわかりませんけど…マスター、おめでとうございます!〉
僕自身も、信じられないよ。はっきり言ってもう貴族の身分にこだわりはないんだけど、やっぱり自分への過小評価が晴らされるというのは中々に…こう、くるものがあるな。
「今後、アランは早急に鉱山送りになります。セピア様、何か声をかけるなら今のうちですよ」
鉱山送りとは文字通りで、鉱山での採掘業務にあたるわけだ。ただ、依頼に出てくるようなものではなく…鉱石が取れる分、より深くより危険な鉱山での作業となる。ハッキリ言って、アランの実力でも生存率は極めて低いだろう。
「セピア様…本当に…」
「アラン、最後に一言だけ…」
これで、コイツとのいざこざも最後だ。今後は、悩みの種が一つ減ることとなるだろう。それに、以前の地位も取り戻した。そんな今日、アランにかける言葉など一つしかないだろう。
「ざまぁ」
ということでジャンル回収でございます!
この作品は、ここでひと段落となります。完結というわけではありませんが…一旦更新はストップさせていただきます。
今後、アフターストーリーを投稿する可能性もありますが、まあ気長にお待ちください。
これまで、本当にたくさんの応援ありがとうございました!
そして、今後ともなろう作家『Poke』をよろしくお願いいたします!




