マスター君は何処へ vol1
まーた迷走し始めました。
最初に感じたのは、どこか『頼りない』といった感じ。生まれてこの方、いつも心の寄りどころになっていたもの。ひしひしと感じる、圧倒的喪失感。
〈マスター!!〉
昨日の夜までは、私はマスターの腕に抱かれていたはずだ。それが…どうしていま視界に映らないのか…
〈この感じ…もしかして、近くにいない感じですか?〉
白竜とマスターの関係なら、感覚だけで大体の距離がわかる。その感覚から察するに…マスターは近くにいない。
〈急いで探さないと!〉
そう思い、すぐさま部屋を飛び出し、マスターを探すべく白竜の姿になろうとしたときに…
「何してるんですか?」
この声は…アリスさん。もしかして、マスターがいないことに気づいてない?
〈アリスさん!あなたのご主人様が行方不明ですよ!〉
ただ、当然ながら思考会話ではアリスに伝わらない。どうにかしてこの状況を伝えられないか…
〈!!!〉
言葉が伝わらないから、ベッドを指さしたり飛び跳ねたりして頑張ってみたけど…流石に伝わらない。
「ちょっと、朝から落ち着かないですね。ほら、そろそろ朝ごはんですよ」
今、絶対にマスターがいないことを認識しました!それなのに平然としてますこの人!これは、本格的に何かおかしいですね…
「あっ!ハピネス!?」
ひとまず、マスターを見つけないと!
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白竜の姿に戻り、マスターがいるであろう方向へ向かう。そうしたら…
〈流石にわかりやすすぎませんか???〉
明らかに一週間前まではなかったであろう、とてつもなく怪しげな建物がある。そして…
〈マスターの反応が強くなってきました!〉
とんでもなく安心します…マスターは近くにいるだけで、私の心を落ち着かせてくれます…
〈さあ…さっさとマスターを返してもらいましょうか〉
如何にもな建物らしく、地下に続く階段があったので入ってみる。
「おうおうおう、君みたいな小さい子は入っちゃダメだよ~?」
「そうそう、俺らみたいなやつがいるからな!」
なんでしょうか、この人たちは。全身から卑しさが溢れ出ており、視界に入れるだけでイライラします。それに…
〈私は小さくありません!〉
確かに白竜の観点からすると成体ではないかもしれませんが…人間の姿になればそれなりに大人っぽい…はずです。
〈とにかく、どけてもらいます〉
マスターに念のためと持たせてもらっていた剣を抜く。そして…
〈やあぁぁぁ!〉
「ぎゃああああああああ!!」
あれ、男の片割れが遠くに吹っ飛び、おまけに頭から壁に突き刺さってしまいました…鉄の兜を付けていましたから大丈夫だとは思いますが…
〈やはり、力加減が難しいですね…〉
お疲れ様です。
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GWだワーイ。




