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第2話 レベル投げ

 光がポワッとすると【レベル投げ】というスキルを習得し、覚醒させた。なんだこのスキル。今までこんな謎スキルは見たことも聞いたことも無かった。


「この不思議な力はいったい?」

「それは【レベル投げ】です。あなたはレベル0ですので、魔力なしに(・・・・・)無限(・・)にレベルを投げられます」



「意味が分からない」


「試しにあそこにある木に向かって投げてみてください」



 窓辺からスキルを発動する。

 右手に光が宿りはじめ、俺はその力に驚いた。



「なんだこれ……。すげぇ魔力(パワー)だぞ」

「ええ、レベル0は言い換えれば無限のパワーです」



 どういう理屈だよ!?



 ……まあいい、投げて見るか。



 ポイッと軽く投げると――




 ドォォォォォンと大爆発を起こし、目の前が()()微塵(みじん)に吹っ飛んだ。



「うわぁッ!」

「凄い威力ですね」



 そんな冷静に……爆弾かよ。

 それにしてもこの力は凄いな。

 こりゃ、粉々(こなごな)っていうか灰になっている。スゲェ火力だ。一発の魔法攻撃力が異様に高いらしい。数値で言えば、1000%以上は誇るのではなかろうか。



「凄い威力だけど、なんのステータスに依存(いぞん)するんだ?」


「主に『()』ですね。今、わたしがお(そば)にいるので、アウルム・キルクルスさんの運が極端にアップしています。わたし、これでも聖女なので『運』アップのパッシブスキルがあるんです」



「なるほど、君がただそばにいるだけで運気アップか……そりゃいいな。君ひとりなの?」

「ええ。ユースティティア教会にずっと居ました。でも、一週間前に神託(オラクル)があって……それで、あなたの元へ」



 どちらも同じ意味だが『神託』と呼ぶ者や『オラクル』と呼ぶ人間(ひと)もいる。その噂くらいは聞いた事があった。聖女様の神聖なる力なのだという。未来を見通す力もあるとか何とか。そうか、それに従い俺の元へ。



「じゃあ、俺と一緒にパーティ組むか」


「あの~…実はわたし、第二勇者・セクンドス様にギルドに入るよう誘われていまして……でも、わたしは第一勇者様のアウルム・キルクルスさんこそが本物だと思うんです。だから……何があろうともあなた様を支援したいと考えております」



 白く細い指を、手を伸ばしてくれる。

 俺はそれに応えた。




「ありがとう。俺は元勇者だけど、嬉しいよ」


「はい、一緒にがんばりましょう」




 俺はこの日、聖女フルクトゥアトと出逢った。

 これが俺の運命を大きく変えるとはな――。

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